スロバキア、タトラ山脈の麓より

スロバキア人の夫と2人の娘と私の生活
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パネル式集合住宅の天敵

2016-02-17 | スロバキア2016
私たちの住むパネル式集合住宅には誰もが恐れるあるものが潜んでいます。出てこなければ良いけれど、一度出てきたらとっても厄介。アパートを選ぶときにも皆気にするもの。

それはカビです。

アパートも石造り、コンクリート、そしてレンガと建材は色々ありますが、現在はレンガが人気のようです。暖かく、通気性が良いのが特徴です。古い建物の多くは石で作られており、石の特徴は冷たいこと。夏は良いですが冬は寒いのであまり好まれません。今私たちが住んでいるコンクリート製はというと、断熱と通気性が悪いと言われています。

幸い私たちの家はカビの生える家ではないようですが(以前の家主を信用すれば…でもおそらく大丈夫そう)、買ってみたらカビの生える家だったというのはよく聞く話です。コンクリートのアパートでとにかく気をつけなければならないのは室内に湿気がこもらないようにすることです。義父母の家でこれは常に見、聞かされていたので私も少し心構えを持って入居しました。日中は冬でも1か所窓を常に開けて換気し、洗濯物は絶対に外干しにしないといけません。日本人の私からすると家の中の空気が乾燥しすぎているなと思うけれど、加湿器なんてもっての他です。

以前の家はレンガ造り、天井も窓枠も木製で冬は基本的に室内干し、家族4人分の洗濯物を毎日、毎日干してもカビひとつ生えませんでしたが、ここでそれをしてしまうとすぐにカビが来るそうです。ですから家探しの必須項目には「洗濯物を干すためのバルコニーがあること」がありました。寒い日など、洗濯物がパリッと凍りついていましたが、そんなの気にしない。外干し、外干しです。冬は洗濯物の乾きも遅い、乾くまで2日も3日もかかったって、外干し、外干しです。

次に気をつけるのは室内の壁で外壁に当たる部分には家具を置かず、通気性を良くすることです。
これが結構、家具の配置を悩ませるものなのですが、でもカビが生えてしまうよりはマシ。物を置けない壁があっても我慢、我慢。

さて、寒いと言われるパネル式のアパートですが、これも運、不運があるようです。マルツェル曰く、社会主義の頃、材料はあるものを使って建てるのが常識で、材料がなかったからと言って建設を遅らせる、もしくは中止することなどなかったのだとか。断熱材がなければ入れない、紙しかなければ紙を使って作るのだと。まぁちょっと大げさな表現のような気はしますが、私たちの家は幸運なことに材料があるときに建てられたのかもしれません。比較的断熱がしっかりしている上、上下左右、ご近所さんにも温められてなかなか適温が保たれています。日本に帰っている一カ月間暖房を完全に切って出かけていたのですが、留守宅を見に来てくれた義母が言っていました、外がマイナス20度のときも家の中は19度だったと。
一方でマルツェルの同僚も私たちと全く同じタイプのアパートで別の棟に住んでいるのですが、そちらは常に暖房を最大限に設定しているにも関わらず家の中の温度が19度だそうです。それでも壁に穴を開け、断熱材を補充したそうですが。
ただし、我が家も冬これだけ暖かかったら夏はどうなるのでしょう。あまり暑くならなければ良いけれど。。。


今日も洗濯物は外。
ご近所さんの洗濯物も見えますか。
バルコニーがなくたって、窓の外に干しています。
カビは絶対にイヤですから。


2 Comments

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共産主義時代って・・・ (キクガシラ)
2016-02-21 00:35:36
おもしろいですね^^;

ミクラーシュで「カラフルな建物だなぁ」と写真とりましたが、そういった建物だったんですね~
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キクガシラさん (chihirko)
2016-02-22 06:55:51
日本人の私としては白やグレーなど無難な色の建物が落ち着いて良いと思うのですが、こちらは外壁の断熱を施し、塗りなおしたものはみなカラフルにペイントされています。(やはり私の夫や義父母もカラフルな方が良いようです)
このブログを書くのに、日本語でこの手の建物はなんて呼ばれているのかなとインターネットで検索したところ、共産圏のこのカラフルなデザインについての論文を書いている方がいらっしゃいました。
面白いですね。

コメントありがとうございました。
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