黄泉の国へ

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詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-04-19 15:28:00 | 日記
 心配せずとも、大丈夫だといわんばかりに、プライベートを満喫する父

平日は、趣味で船に乗り、魚釣り
休日はゴルフ
ライオンズクラブの会合や、小旅行にも積極的に参加

活動的で人望が厚い父



ワタシの自慢父なのだ。


縁があれば母のような慈愛溢れる優しい素敵な女性と巡りあえるかと思っていたし





父も
先の人生の選択の中に、入居施設へ入ることも視野に入れてるんだといい

ある程度の蓄えと、年金で申し込める施設のパンフレットを見せてくれた。



あれから
ひと月
連絡がないあの女性のことは
すっかり忘れていたし


父との会話にも出たことがないから



安心して



子育て、仕事に没頭



している



場合ぢゃ........




なかった。



つづく






























詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-04-18 13:53:00 | 日記
 女性は、ボストンバッグひとつで父のとこにやってきて

同棲が始まった。


それまで何処にいたのかというと

仕事近くのアパートで、一緒に働く人達と共同生活をしていた


とか

本当だったのかは、わからないけど。


同棲するからと、家の中の整理を少し手伝った日から、


少しして

父に呼ばれた。


女性に会わせたいのか?
心の準備がワタシにはまだなかったけど


実家へ出向いた。


また一人で
庭の池の側で、作業をしている父がいた。



前置きなしで、
ワタシを見るや否や


「それが、〇〇ちゃん(ワタシの呼び名)ー」



から始まる話に、言葉を失なう。






一緒に暮らし始めて、直ぐ仕事も辞めたその女性は、父と結婚したいと言うんだとか。

父はといえば、嬉しくないわけぢゃなさそうだけど



結婚って、まだ付き合いだしたばかりなのに


え?ほんま?


でも


肝心な
女性がこの場にいないし



何か違和感を感じてしまうワタシは



で、今どこ?
何でいないんだろ?
お買い物?


頭に疑問が沸いて仕方ない




問う前に、父がポツリポツリ


「彼女は四国に少し荷物を取りに一旦帰ったんよ
少しなら、送ってもらえばって、言うたんぢゃが」


作業の手を止めずまま
話を続けた。


「ワシと結婚したいからいうて、離婚してくるんぢゃって」



ええええええーーー?
なんてーーー?



「結婚してたんーーー?」




「ワシも知らんかったんよー」



.............。



「なら、もう戻らんと思うよ、良かったぢゃん、わかって」




「ワシも、そうぢゃと思うよ」



それなら、それでいいのだ

くらい



大して動じない、ワタシの知るカッコいい父がいて



なんか、ほっとしたから




中途半端になっていた作業を手伝った。



もっと頻繁に実家に帰ろう


そう思うワタシを




つづく































詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-04-17 14:34:00 | 日記
 ワタシは女性には、父とデートを重ねているこの頃には会っていないけど


父は嬉しそうだし




しばらくそっとしておこう。




そのうち
やっぱりうまくいかなかったって
聞くことになるかもしれんし

って、

父の方からの電話を待つことにした。



2週間くらい経ったころだったか


「〇〇ちゃん(私の呼び名)ちょっと来れる?」

.............。

あちゃー
ダメやったんだわ。



今晩あたり、一杯やりながら話聞こうか。



息子と実家へ


庭で作業をしている父が、門扉に入るワタシ達に、


「こっち入って、手伝って!」


水が抜かれた、池の中に
処分しきれずにいた不用品や、処分してよさそうな母のもの、などを放り込んでいた。


今?
急に?
どしたん?

って、聞くより先に

「明日から彼女がウチで暮らすって言うんぢゃー 同棲よー」


は?
なに?


同棲するの?


明日から?



女性と会って、顎を外しはじめるのは
遠くない話。


つづく




















詐欺と出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-04-16 14:40:00 | 日記
 母が他界して、3年ほどたち

その女性と出会ってしまうのだ。



ワタシは、母が他界する前には離婚をし、
出戻らずまま、働きながら一人息子と2人暮らし。



亡くなる直前まで、ワタシに
「お父さんをよろしくね、お願いよ」と言って天に召された母に心配をかけないように

時々父に会いにいき、食事に行ったり
よく呑みにも行った。


そんな生活が3年


タフで活発で何でも出来る器用な父は、割とモテた。

父とて
もてあます愛のやり場を求めないはずがない。



その女性と
出会いからすぐのこと

「今度ドライブでも行きませんか」って


自分から声をかけたんだーっ


って


そしたらさ
「しゅみましぇん。ごめんなさい」
って断られたんぢゃ

にーっ
って照れ笑い






しばらくして
何故か、今度はその女性の方から
「デートしてください、ドライブしてください」
と誘ってきたっつう



そんなことになってたとは
知らなかったもんだから、



食事に誘おうかと
携帯に電話したら
「今、デート中!」
ブチって、切られた。

早速、仕事終えて夜実家へ駆けつけたら


その女性から、誘われたこと。
もう何回もデートをしていること。


を、おおまかに、簡単に話した。


具体的なヤツは、

その女性に色々後で聞いたけど、


ひとつ聞けば顎が外れ、
全部聞き終わったときには、ワタシの顎は外れて床に落っこちるくらい、衝撃的な話ばかりだった。


でも、

衝撃的な話は

このすぐあとからも

やばかった。


つづく






















詐欺と出会って、お父さんは天国へ行きました。

2024-04-15 14:24:00 | 日記
 49日法要が済んでも
父が天に召されたなんて、信じたくない、憔悴しきったワタシに

住職が、サラリと言ってのけた。

父を知る誰もが口を閉ざしてるっていうのにだ。

「詐欺に出会って、お父さんは彼方(あちら)に行かれました」


「はあああ……

あああああー……」

ワタシと向き合う住職が
合わせ鏡のように、ワタシの心を読んだように聞こえた。


念を押すように

「お父さんは、アチラなんぢゃけー」

と上を指差す住職が

にーって笑顔で諭す父に見えた。




つづく