竹林亭白房

枝雀「猫」★落語

□本日落語二席。
◆桂枝雀「猫」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明(1996年か)。
演題だけ見ると、古典落語のようだが、内容から枝雀の創作ものだとわかる。枝雀が後半生にさかんに演ったショート落語がある。そのなかの一つに、男が犬と会話するというものがあり、それを端から見ていた女房が男に向って、「おとうさん、何をさっきからワンワンって言ってるの」と言って落げる。
今日聞いた「猫」は、その犬と会話するショート落語を、猫におきかえてさらに少しばかり長くしたものである。

猫は飼い主の男に、魚を買ってくれと頼み、何度も男はそのことを忘れて、猫と言いあいになる。そのときの、猫が男へ詰問する台詞がなかなか枝雀流で哲学的だ。

最後に男に怒った猫が、もう飼い主の男とは口をきかないと言う。その翌日、男は必死に猫へあやまるが、猫はいっこうにとりあわない。それを近所の人が見とがめて、「マエダさん、なんでさっきからニャアニャア言ってるの」で落げである。ちなみに「マエダさん」は枝雀の本名だ。枝雀一門の落語家が「動物園」を演ると、だいたいみんな園長を「マエダさん」とする。

なお、公演情報で「1996年か」としたのは、マクラで枝雀が三十五年前に入門したと言ったのをふまえて記した。桂枝雀が米朝に正式に弟子入りしたのは昭和36(1961)年。

◆『笑点』大喜利:五代目三遊亭圓楽(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久蔵(現木久扇)・桂歌丸・三遊亭楽太郎(現六代目円楽)・林家こん平(BS日テレ『笑点 なつかし版』)。
後楽園ホール、平成15(2003)年11月16日OA(『笑点』第1892回)。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る