竹林亭白房

源太「紙入れ」★落語

□本日落語二席。
◆桂源太「紙入れ」(NHK大阪放送局『とっておき!朝から笑タイム』秋分の日スペシャル)。
NHK大阪放送局内スタジオ、令和5(2023)年9月23日OA。
昨日、柳家喬太郎で「紙入れ」を聞いたと思ったら、今日は、桂源太で上方の「紙入れ」である。それだけ、東西問わずよく演じられている落語だというわけだろう。年に二三回は聞いているだろうか。ちなみに、去年は二回聞いた。今年は今日が三回めである。また、去年の二回と今年の今日以外の二回は、みな東京の落語家によるものである。

ちゃんと数えてはいないけれど、自分が落語を聞くようになってから、「紙入れ」はどうも東京落語ではないかという印象を持っていた。それだけ、上方の落語家が演る「紙入れ」は少なかったのである。いや、今でも比率で言ったら、圧倒的に東京の落語家で聞いている分が多いだろう。

ただ、『増補 落語事典』の解説によると、「上方では旦那が男の前に顔を出して『おおかたこんな顔しとるやろ』というのがサゲ」とある。今では、東西に落げの違いはなく、だいたいみな一様に、旦那の「そこまでは気がつかないだろう(気がつくめえ)」である。

『増補 落語事典』が解説で書いたのは、旦那が新吉の間男に気づいてそれを指摘したということだろう。こちらのほうが怖さが演出されてよい気もする。また、上方の落語家ではないが、このような演出も確かに誰かで聞いた記憶がある。ただ、よくおぼえていないが、東京の落語家だったのではないだろうか。

「紙入れ」が、他の多くの落語と同じように、もともと上方種だったのかどうかはわからないけれど、「庖丁」「茶漬間男(二階の間男)」などがそうだが、上方では間男ものが廃れていく傾向にあったのだろうか。
厳格な武家社会の江戸よりも、庶民的な関西人が好みそうな噺だと思うのだが、どういうことだろう。

◆三遊亭好二郎「宮戸川」(NHKラジオ第一『NEXT名人寄席▽ネクストメイジン』)。
東京渋谷NHK放送センターCR505スタジオ、令和5(2023)年9月23日OA。
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