こんにちは☀️
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Chinese kitchen由里のハニーシェフです👨🍳
前回の続き④です🙇♀️
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ある日、中華料理専門コースの授業に1度だけ、陳健一さんが講師として来てくれました。
その日も大きく元気な声で登場して一気に調理室の雰囲気が明るくなったのを覚えています。
色んなお話をされながら何品か作っていただきました。
一品目、青椒肉絲を作り終わって、次の料理を作ってる最中に
『さっき、私が作った青椒肉絲、誰か食べてくれないかなー!?自分が一生懸命作った料理が冷めて食べてもらえないのは悲しいよねー!自分の作った料理がどんな人にどう食べてもらったか、美味しかったのか、気になるねー!できれば温かいうちに食べてほしいよな!そんな考えや、感性を持つ料理人に皆んなもなれよー!』
普通、というかこれまでの講師の先生の場合は3品ほど作って、作り終わったら全ての品を調理台に綺麗に並べて写真を撮らせて頂く…という流れだったので、中華の担任の先生が大慌てですぐに試食していました。
一見、普通ではない破天荒にも見えますが、そうじゃない、それが料理人としての在るべき姿、考えなんだとすぐに理解できて、この時に僕は感性とはこういう事かと、深く納得し、料理人として大事なのは、ひとつひとつの物事に対する感性だと、僕は心に深く刻みました。
授業の後、特別な講師の先生が来られた場合、いつも最後に皆んな、自分の包丁ケースにサインを頂きます。
しかし、陳健一さんはやはり特別。
皆んな包丁ケース+色紙まで用意して、写真までお願いしていました。
…もちろん僕もですが😅
僕の番、陳健一さんに、キミ、どっかで会った?と、聞いてくれました。
僕は喋れるって思ってなかったので嬉しくてすぐに声が出ませんでしたが、渋谷のお店で頑張っていますと伝えると
そうかそうか!頑張って美味しいもん作れよー!っと肩を叩いて頂きました。
ついつい嬉しくてもうひとつ聞いてみました。
色紙に頂いたお言葉が達筆すぎてすぐに読めなかったので、この言葉はどう言う意味なのかを尋ねてみました。
色紙に頂いたお言葉は
『食芸無涯』
陳健一さんは『これはねー、食の道にゴールは無いって言葉だよ。これからいくらでも美味しくて新しい食べ物は生まれるし、自分でも作れるからね。』と、教えて頂きました。
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以上が東京の調理専門学生の時に少しだけでしたが陳健一さんとのエピソードです。
最初にお話しました通り、まずは人柄
料理へ対する想い、熱意
僕はそんな陳健一さんが大好きでした。
それから社会人、アルバイトや学生ではなく、責任のある料理人になってもう12年ぐらい。
新しい仲間と楽しく仕事して、色んな先輩に認めて頂き、商業施設の方やお客様とたくさん喋って感謝され、中華料理もたくさん作れるようになり、今はなんと自分のお店があります。
料理の道はいつだってスタート地点
初心忘れず、楽しく作って、食べて頂けるお客様に感謝して、これからも、美味しい!旨い!と言って頂ける中華料理を頑張って作りますので引き続き応援して頂けると幸いです🙇♀️
少し長くなりましたが、今日もたくさんのお客様にご来店頂きありがとうございました!
Chinese kitchen 由里 埴岡由弥
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