アジア映画巡礼

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「タゴール10の物語」と出版記念講演会について

2024-10-05 | インド文化

大西正幸さんの翻訳&解説によるラビンドラナート・タゴールの短編集「タゴール10の物語」(2024、めこん、2,000円+税)が出版されました。大西さんは以前にも、ラビンドラナート・タゴールの「少年時代」(2022、めこん)という翻訳&解説本を出版していて、こちらでご紹介したことがあるのですが、あれから2年、今度は30代の時に書かれた短編10編を集めた翻訳&解説本がこのたび出版されたものです。内容は次の通りです。

 「郵便局長」
 「坊ちゃまの帰還」
 「骸骨」
 「カーブルの行商人」
 「処罰」
 「完結」
 「夜更けに」
 「飢えた石」
 「非望」
 「宝石(マニ)を失って」
ここまでが280ページで、そのあとに大西さんの詳しい解説が73ページにわたって続きます。前の「少年時代」もそうですが、この解説が読みごたえがあり、これらの物語を書いていた頃のタゴールが目の前に現れるようです。裏表紙にあるその頃のタゴールの写真と彼のプロフィールをスキャンしておきます。

表紙の絵は、タゴールが1935年~36年ごろに描いたもので、「肩越しに振り返る女」というタイトルだとか。いわば「見返り美人」図なのですが、タゴールの生涯は1861~1941年なので、75歳ごろに描かれた作品となります。そのせいか、ちょっと寂しそうですね。今回の本の中には挿絵が何枚か使われているのですが、それは「インド花綴り」(2002、木犀社)などで知られている西岡直樹さんの筆によるものです。こちらは温かみのある筆づかいで、物語に寄り添ってくれます。ぜひ、本屋でこの本を手に取って見てみて下さい。お求めは、出版元めこんのサイトからか、あるいはアマゾン沼からどうぞ。めこんのサイトでは試し読みができて、西岡直樹さんの挿絵も見ることができます。

よく知られた晩年のタゴールの顔

そして、この本の出版を記念してイベントが催されます。

主催者の大倉精神文化研究所の公式サイトはこちらで、ここからイベントの申し込みができるようになっています。定員はわずか80名なので、関心をお持ちの方はお早めにお申し込み下さい。ページ下の「申込フォーム」をクリックして下さいね。また、チラシのダウンロードもできます。最後に、タゴールソング(タゴールの詩に曲をつけたもの)の中で私の好きな「Aguner Parashmoni(火の心に触れて)」の歌をヘーマント・クマール(=へーマント・ムコッパデャーイ)の歌で付けておきます。佐々木美佳さんのドキュメンタリー映画『タゴール・ソングス』(2019)を思い出しますね...と書いてYouTubeの動画を貼り付けようとしたのですが、ここでサイトのNGが出ました。興味のある方はこちらで聞いてみて下さいね。

 


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