いろいろとこのブログで取り上げてきました、インドのヒンディー語映画『花嫁はどこへ?』。いよいよ本日が公開初日となります。本編映像も新たにアップされましたので、まずはそちらをどうぞ。
アカデミー賞®インド代表決定!10/4公開「花嫁はどこへ?」監督こだわりの本編映像解禁!
そして、プロデューサーのアーミル・カーンにインタビューした拙文記事も【BANGER!!!】に掲載されましたので、こちらもどうぞお目通し下さい。アーミル・カーン、いろいろよくしゃべってくれたのですが、全訳を書くとすごーく長くなるので、ピックアップしてまとめました。私は聞いていて、特に最高裁判所での本作上映の様子がとても面白かったのですが、日本でもこういった試みがあるといいですのにね。アーミル・カーン、最後に皆様へのメッセージを言っていますので、ぜひご覧になる前に読んでいただければ幸いです。
上写真でアーミル・カーンがいるのは多分自宅だと思うのですが、思いっきりリラックスした雰囲気でいろいろ語ってくれて、ステキでした。ちょっと面白かったのは、2014年10月に東京国際映画祭で『チェイス!』(2013)が上映される時に、同年12月5日から公開されるこの作品のプロモーションも兼ねて来日してくれたのですが、その時は当時結婚していた『花嫁はどこへ?』の監督キラン・ラオを「キラン・ジー(キランさん)」と呼んでいたのに、今回は「キラン」という呼び方だったこと。インタビューを読んでいただければ現在の二人の仲の良さがわかりますし、二人で共同プロデュースというのもまったく対等の関係だろうな、というのが見て取れます。なぜ離婚したのか、というのは個人的な事情なので不明ですが、離婚に至る前にアーミル・カーンとある女優との噂が流れていたのは事実です。離婚後も、二人の間の子供、息子アーザードは両者が協力して育てる、ということになっているようで、芸能ニュースにチラチラと、アーミル&キラン&アーザード君の写真が出ることもあります。実生活がそういういい雰囲気で進行する中で製作された本作なので、とてもいい作品に仕上がったのかも知れません。キラン・ラオ監督の写真も付けておきますね。バラモンのいいご家庭に育ったお嬢さんなんですが、格好とか見ると結構型破りで、面白そうな人です。
出演者たちは、おそらく皆さんどの人とも馴染みがないと思いますが、こちらで書いたように、特に若手俳優陣はこれから人気が出るのでは、と思います。ラヴィ・キシャンとチャヤ・カダムのほか私に馴染みがあったのは、花婿ディーパクの母親役をやったギーター・アグルワール・シャルマー(下写真右側)で、以前東京国際映画祭で上映されたアマン・サチデーウ監督作『アヘン』(2022)では、最初のエピソードに出てくるパンジャーブのお母さん役を演じていました。また、先日あることを確認するために見直した『デリー6』(2009)では地元の議員役をやっていたりと、いい人をキャスティングしているなあ、と思わせる『花嫁はどこへ?』でした。そうそう、下写真左側は、花婿ディーパクの兄嫁(ヒンディー語では「バービー」と呼びます)であるプーナム役のラチュナー・グプタですが、このプーナムにも重要な役割を持たせている『花嫁はどこへ?』の脚本、本当にすばらしいですね。
© Aamir Khan Films LLP 2024
というわけで、主役の人々だけでなく、脇のキャラクターたちもそれぞれに魅力的なので、たっぷりと楽しんでいただければと思います。もう一つ楽しんでいただきたいのは、本作の字幕です。字幕翻訳者は福永詩乃さんで、実は福永さん、同日公開されるテルグ語映画『ハヌ・マン』の字幕も担当しているのです。というわけで、両者はフクナガ対決(笑)と言ってもいいのですが、どちらもとてもわかりやすく、それぞれの映画の雰囲気に合わせた字幕で、見ていて心地よいです。福永さんは、以前から『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(2015)や『プレーム兄貴、王になる』(2015)などの字幕を担当していたのですが、松竹さんが2023年1月公開の『エンドロールのつづき』(2021)に起用してから俄然お仕事が増えたのでは、と思います。『ハヌ・マン』のようなコメディ・アクションでも程のよさを心得た字幕で、字幕で笑わせようとするあざとさは皆無、安心して見ていられます。先輩の藤井美佳さんの域に達するまでには、さらに努力を重ねていただくことになると思いますが、インド映画の字幕もこれで安泰かな、と思う今日この頃。でも、もっとたくさん、上手な字幕翻訳者が出て下さるに越したことはないんですが。
© Aamir Khan Films LLP 2024
新宿ピカデリーなど、両作品をはしごできる上映館もあります。ぜひ上出来インド映画をお楽しみ下さい。最後に映画のデータを付けておきますが、その後に、BGMで出てくる歌のシーンの一つ「♬Sajni(愛しいきみ)」を付けておきます。
『花嫁はどこへ?』 公式サイト
2024年/インド/ヒンディー語/124分/原題:Laapataa Ladies/字幕:福永詩乃
監督・プロデューサー:キラン・ラオ
出演:ニターンシー・ゴーエル、プラディバー・ランター、スパルシュ・シュリーワースタウ、ラヴィ・キシャン、チャヤ・カダム
配給:松竹
※10月4日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋ほか全国公開
Sajni (Song): Arijit Singh, Ram Sampath | Laapataa Ladies | Aamir Khan Productions
もうかなり昔ににこたまの隣りの高津駅だったか近くの会場で講座受講させていただいたこともあります。
さて,コロナ禍明けようやくはじめての映画館での鑑賞を,このラーパター花嫁さん(笑)
とさせていただきました。
アーミル・カーンさん絡んでるということで期待してましたが,まあまあでした。とはいえ最後の15分くらいは泣けたので十分満足です。昨日,大阪駅上の映画館でしたが午後はやめの回,7割は座席うまっていたと思います。
ボリウッドも何作かみてますと見覚えあるやんっていう俳優さんがちょこちょこ
間違いあるかもですが気付いたのは
・駅の売店のおばちゃん=シークレットスーパーの敏腕女性弁護士
・警察署の3人のうちの部下の男性のほう=pkの仏具品売り場の 安くしとくよ パンダラパンダラ の台詞のひとかも・・・
・いいほうの旦那さんの中の長身のひと=シークレットスーパーのアーミル・カーンのスタジオのひとで送迎やっていたひと
売店のおばちゃんは当たっていると思います。
それにしても,たかだか20年ほど前のインドの田舎の
状況,だいたい誇張でもなくあんなのだったのでしょうか? だんなさんの名前を人前でいうのも遠慮しないといけないとか,まだ文盲さんがけっこういるとか・・・
それにしてもインド映画みていると女性の自立というのはよくあるテーマですね。日本より40年くらいは遅れている感じがしますが,何かの順位では女性の社会進出などは日本がかなり遅れていることになっているのが不思議です。
ではまた今後もご活躍楽しみにしております
本当に、お久しぶりですね。今も関西で先生としてがんばっておられるのだと思いますが、『ラーパター花嫁さん』(笑)も見て下さってありがとうございました。
それで、「あ、あの人だ!」ですが、ちょっと違うみたいです。
・プラットフォーム売店のマンジュおばさん by チャーヤー・カダム/公式サイト表記はチャヤ・カダム ⇒『シークレット・スーパースター』の女性弁護士はby モナ・アンベーガーンオカル
・警察著のドゥべー警官 by ドゥルゲーシュ・クマール ⇒『PK』の神様像売り by ブリジェーンドル・カラー
・「いいほうの旦那さんの中の長身のひと」というのは、ディーパクの親友3人のうちの1人、のっぽの人、ということですか? う~ん、この人は名前がわかりません。ビンゴ!だといいですね。
女性の社会進出に関しては、インドではすでに女性首相も女性大統領(今のドラウパディー・ムルム大統領で二人目)もいるのに、日本はいまだ政党党首か衆参両院議長どまり。インドは企業トップにも女性が大勢就いています。識字率は日本の方が高いですし、大卒率も高いですが、それが生かせているかというと疑問ですよね。
単純には比べられないのですが、自立心とかはインド人の方が旺盛ではないかしら、と思うことも多いです、てか、皆さんきっちり自己主張ができます。
「遅れている」のは見かけだけで、人前でハッキリ意見を言わない日本人を、インド人は「遅れてるよな」と思っているかも、です。
私も、英語ではっきりと意見が言えるようになりたい、といつも思っているんですが。
Naoki先生、教え子の皆さんのディベイト力を鍛えて下さいね。
ごていねいにお返信いただきまして恐縮です。ボリウッドの興味持ったきっかけはまずはpk,つぎにきっとうまくいくでしたので,先生とこのようにやりとりできるのは嬉しい限りです。
女性弁護士,改めてwikiでみますと違いましたね。wikiは英語版しかなくてまだまだ日本ではマイナーな世界と実感しました
ドュべという警察官はやはりそうでしかた,パンダラパンダラ だけ pkでやけに耳に残っています
日本の大半の方からするとインドはまだまだ遅れていると感じているかもですが,分野によっては日本なんて足元にも及ばないのでしょうね。
先日,NHKラジオビジネス英会話で亀田製菓 あの 柿の種などで有名な会社ですが,トップは日本語ペラペラの 阪大留学歴ありのインドの方が出演されていましたし・・・世界のグーグルなどもそうですしね
私は定年まであと10年くらいあります。
この業界も斜陽産業だと強く感じます。
今の大学生が同世代110万人ほど。私の世代で190万人弱。今から18年後には18歳人口が70万ちょっと・・・
考えたくありませんが,タイやベトナムに,昔は日本に追いつけ追い越せだったよねえなんていわれているんでしょうね・・・
ではまたたまにブログ拝見して,何か怖くなくて泣けるようなアジア映画ないかお邪魔しますね
あ,思い出した
先生の,インド映画完全ガイド あれが入口です。なにかわかりませんが手にとってそこからです。ありがとうございました。