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アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

『きっと、またあえる』のコレに注目!<6>渋いぜ、デレク兄貴~♥

2020-05-18 | インド映画

日本の緊急事態宣言も、あと数日でこの先の展開が決まります。ほぼ2ヶ月間にわたって、いろんなことを辛抱し、たまの外出時にはマスクをつけ(うちのマンションではゴミ捨ての時にも皆さんきっちりとマスク姿)、ことあるごとにアルコール消毒や薬用石けん手洗いをして、いつ、いかなる場所でも”三密”を避けてきた我々の努力は少しずつ成果を見せ始めていますが、一挙に収束、万々歳! とはいかないことは全員が知っています。それでも、お店や映画館が再開して、収入がストップしていた状態から少しずつ元に戻り始めることを願って、みんなが最後のふんばりをしているのが現在ですね。来週ぐらいからは、6月以降の映画館上映作品ラインアップを目にできることを願って、「コロナ禍後の映画たち」の話題を取り上げて行こうと思います。まずは、連載中のインド映画『きっと、またあえる』(2019)紹介の続きから。公式サイトはこちら、このブログでの最初のご紹介はこちらです(何と3月25日でした←遠い目...)。

さてさて、ムンバイの工科大学で学んだアニことアニルッド(スシャント・シン・ラージプート)と卒業後彼と結婚するマヤ(シュラッダー・カプール)、そしてアニと同じ寮に暮らしたセクサ(ヴァルン・シャルマ)ら”負け犬”たちに、その寮に敵対するエリート寮のリーダー、ラギー(プラティーク・バッバル)らが、本作の主要登場人物ですが、ここで名前を挙げた4人は、すでにご紹介しましたね。写真を出して、以前の紹介ページにリンクを張っておきます。

 

アニ & マヤ

 

セクサ           ラギー

で、本日ご紹介しようと思うのは、アニたちの寮の最上級生デレクです。みんなの兄貴分で、ものすごいヘビースモーカー。でも運動神経は抜群で、どうも入学時にはエリート寮に引っ張られそうになったみたいです。それを断った変わり者なんですが、アニやセクサら下級生の「”負け犬”脱出!」情熱に触れ、自分がエリート寮の奴らを見返すチャンスは今年で最後だ、と、休火山が目覚めるように自分も情熱をたぎらせていきます。

演じているのは、上の写真のターヒル・ラージ・バシン。1987年4月21日生まれなので、今33歳です。『きっと、またあえる』の日本公開が決まった時に検索してみて、ナンディタ・ダース監督作『マントー』(2018)で1950年代の人気スター、シャームをやった人だ、というのがわかったのですが、もう1本、ラーニー・ムケルジー主演作『女戦士』(2014)にも出ていたというのを見て、どの人かなあ、と思っていたのでした。試写で見ても思い出せず、その後2度ほど本作を見てから『女戦士』の予告編を見て、「あー、あの悪役だったのォ!」とやっと気がつきました。デレクとは違い、長髪でヒゲが生えていて、目つきも憎々しい超ワルの役だったのです。こんな顔でした。

『女戦士』のターヒル・ラージ・バシン

しかしながらこの役で、彼は一挙に注目されます。いろんな映画賞の助演男優賞や悪役賞、あるいは新人男優賞にノミネートされ、スクリーン賞の悪役賞を獲得するのですが、それ以前にチョイ役での出演が3本あるとはいえ、デビュー作に等しい『女戦士』で見事な演技を見せたものですから、注目を浴びたのでした。ただ、悪役がうまい、という評価もこれ以降できてしまって、続く出演作品『Force 2(フォース2)』(2016)でも、インドの情報機関RAWのエージェントでありながら、実は裏切り者だった、という役を演じています。ジョン・アブラハムとソーナークシー・シンハーが主演する『Force 2』は、今日何げなくNetflixをチェックしていて見つけ、暇つぶしに見始めたら「おお、この顔はデレクじゃないか!」となって興奮してしまいました。物語は、中国各地にいるRAWのエージェントが正体を暴かれて殺され、裏切り者がいるらしい、ということになるのですが、ハンガリーのブダペストのインド大使館があやしいと突き止められて、女性凄腕エージェントと、RAWのエージェントだった親友を殺された警官が、ブダペストに乗り込みます。そして、ターヒル・ラージ・バシン演じる裏切り者をあぶり出し、逮捕してインドに連れ帰ろうとするのですが、そこから物語は二転三転、彼の裏切り行為は両親の復讐のためだったことがわかるなど、意外な結末を迎える、というストーリーでした。脚本が少々乱暴なものの、まずまず見られる作品で、ターヒル・ラージ・バシンもワケありの犯罪者という、なかなかいい役でした。

これ以降が『マントー』と『きっと、またあえる』ですから、少しずつ、いい役に近づいてきている、と言えます。続いて、ランヴィール・シンがクリケットの名選手カピル・デーウを演じる『83』で、妻役のディーピカー・パードゥコーンに次ぐ大きな役、クリケット選手スニール・ガーヴァスカルの役を演じており、今年の8月15日の独立記念日公開が予定されています。インドは現在、5月末までのロックダウン4.0に入っていますが、昨日は全国の感染者数増加が初めて5,000人を超え、合計95,655人と、勢いは全然衰えそうにありません。このままでは、8月の公開も危ぶまれます。

83 film poster.jpg

ですがその前に、『きっと、またあえる』の日本公開がいつになるか気になりますね。ターヒル・ラージ・バシンの渋い魅力をお楽しみいただくためにも、1日も早く公開されることを願っています。最後に予告編を付けておきます。

インドの学生寮を舞台に、笑いと涙の青春の日々/映画『きっと、またあえる』予告編

<画像クレジット>

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