さて、2014年もあと少しになりました。まだベランダ側の窓ふきをしていないのですが(^^)、ついこちらに心が向いてしまい....。誰が読んで下さるんでしょうと思いつつも、来年日本でブレイクしてもらいたいインド人俳優No.1であるヴィディヤー・バーランに、本年のブログのトリを飾ってもらいます。
考えてみれば、ヴィディヤー・バーランの主演映画は日本では映画祭上映されただけで、一般公開はまったくされていません。来年2月21日(土)公開の『女神は二度微笑む』(2012)が2012年9月のアジアフォーカス・福岡国際映画祭で『カハーニー/物語』というタイトルで上映され、また本年10月のインディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン(IFFJ)でライト・コメディ『結婚の裏側』(2014)が上映されたのみです。
ただ、カメオ出演、ゲスト出演作では公開作品もあり、例えば『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(2007)では映画賞パーティーの歌のシーンに出演、黒いミニのドレスでシャー・ルク・カーンとハグしています。また、なぜか『女神は二度微笑む』と同日公開となった『フェラーリの運ぶ夢』(2012)でも、以前にも書いたようにソング&ダンスシーンにゲスト出演しています。さらに、本年のIFFJで上映された『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ2』(2013)も、ソング&ダンスシーンに文字通り一瞬だけ出演。そうそう、日本での上映版ではカットされていたのではと思いますが(記憶があいまい...)、『秘剣ウルミ バスコ ダ ガマに挑んだ男』(2011)でも悩ましい踊りを披露していました。アイテムガールとしても人気者ですねー。
ヴィディヤー・バーランのフィルモグラフィーを並べると、以下のようになります。※印はゲストやカメオ出演で、声優の作品は落としてあります。
2003 Bharo Theko(お元気で/ベンガル語映画)
2005 Parineeta(既婚婦人)
2006 Lage Raho Munna Bhai(その調子で、ムンナー・バーイー)
2007 Guru(グル)
2007 Salaam-E-Ishq(愛の挨拶)
2007 Eklavya: The Royal Guard(王宮の衛士エークラヴィヤ)
2007 Heyy Babyy(ヘイ・ベイビー)
2007 Bhool Bhulaiyaa(迷い道)~タミル語映画『チャンドラムキ』のリメイク
2007 Om Shanti Om『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』※
2008 Halla Bol(叫び声を挙げろ)
2008 Kismat Konnection(運命のコネクション)
2009 Paa(パパ)
2010 Ishqiya(エロティック)
2011 No One Killed Jessica(誰もジェシカを殺さなかった)
2011 Urmi『秘剣ウルミ バスコ ダ ガマに挑んだ男』※
2011 Thank You(サンキュー)※
2011 Dum Maaro Dum(一服つけて)※
2011 The Dirty Picture(下卑た映画)
2012 Kahaani『女神は二度微笑む』
2012 Ferrari Ki Sawaari『フェラーリの運ぶ夢』※
2013 Bombay Talkies(ボンベイ・トーキーズ)※
2013 Ghanchakkar(クレイジー)
2013 Once Upon a Time in Mumbai Dobaara!『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ2』※
2014 Shaadi Ke Side Effects『結婚の裏側』
2014 Bobby Jasoos(探偵ボビー)
素晴らしい演技を見せてくれる作品はたくさんありますが、必見なのはまず『Parineeta』(2005)と『The Dirty Picture』(2011)。強い意志を内に秘めたベンガル女性と、自分の肉体を武器に南インド映画界でのしあがっていく女優、というようにキャラクターは真逆ですが、女性の強靱さを存分に見せてくれてうならされます。この『The Dirty Picture』の成功以降、アイテムガールとしての出演依頼が増えたようです。
そして、『Ishqiya』(2010)もまた、ヴィディヤー・バーランの演技力にノックダウンされる作品です。あと、小粒の作品ながら、『Kismat Konnection』(2008)と『Bobby Jasoos』(2014)もなかなか楽しく見られます。特に『Bobby Jasoos』の方は、30歳の独身女性がハイデラーバードの下町で探偵として自立していく、という話で、女性の自分捜しは海外で、という風潮が強い昨今のボリウッド映画界に足蹴をくらわせていて、主人公ボビーに拍手したくなります。日本で公開されるとしたら、邦題は『こじらせ女子探偵ボビー』にしてみたい(笑)。ヴィディヤー・バーランの変装七変化も見られる、ファンにとってはマストの作品です。
そんな中でも、ダントツに彼女が魅力的で美しいのが『女神は二度微笑む』。最初の登場シーンは大きなお腹をしていて、「これがヒロイン?」とびっくりしますが、その彼女がだんだんと美しい女神のように見えてくるからあら不思議。ユーモアもあり、子供にもすぐ懐かれる、魅力的なキャラクターです。
しかし、時々大胆すぎる一面が覗くようになり、「え?」と思っているうちに怒濤のラストへ。実に巧みな脚本、そして巧みな演技です。二度見ても面白く、三度目にヴィディヤー・バーランの演技だけに集中して見てもまた面白いという本作。ハリウッドがリメイクしようとしているのも納得ですね。
詳しいストーリーやヴィディヤー・バーランのプロフィールはこちらの公式サイトをどうぞ。南西インドのケーララ州で生まれ、北西インドのムンバイで育ったヴィディヤー・バーラン。ベンガルの雰囲気の中に置いてもしっくりとくる、全インド的女優と言えそうです。来年の2月21日(土)には、ぜひ彼女の演技を目撃して下さいね。では、どうぞよいお年を。
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もう感謝ばかりです!!!
今年もインド映画を追いかけます。
ヴィディヤー・バーランが観られる2月が待ち遠しい。今年もよろしくお願いいたします。
『女神は二度微笑む』はパゴールさんの地元(?)コルカタで全編撮影されていますので、ちょっとした風景も楽しんでいただけるのでは、と思います。
ご覧になったら、またご感想などお寄せください。
では、本年もどこかのインド映画上映会場でお会いできますように。