皆様のお知恵&情報収集能力を拝借したいと思います。年に1、2度「日本で上映されたインド映画」のリストを更新しているのですが、だんだん上映本数が多くなってきて、自分の記憶に自信が持てなくなりました。というわけで、下のリストで「この映画が抜けてるぞ~」というものがありましたら、ぜひコメントでご教示いただければと思います。
年号のあとの「a、b、c…」は識別記号です。タイトルが『 』囲みのものは一般公開、「 」のものは映画祭上映です。「再映」は「映画祭上映→一般公開」などの場合を指し、日本初上映ではない、ということを表しています。
2014a 『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』AGENT VINOD(Hindi/2013)~2月8日公開
2014b 『神さまがくれた娘』DEIVA THIRUMAGAL(Tamil/2011)<一般公開>※再映~2月15日公開
2014c 『デリーに行こう』CHALO DILLI(Hindi/2011)※再映~2月15日公開
2014d 「バードシャー テルグの皇帝」BAADSHAH(Telugu/2013)<大阪アジアン映画祭2014>
2014e 「フックレー/ないない尽くしの男たち」FUKREY(Hindi/2013)<第6回沖縄国際映画祭>
2014f 『スチューデント・オブ・ザ・イヤー 狙え!No.1!!』STUDENT OF THE YEAR(Hindi/2012)~5月3日公開
2014g 『マダム・イン・ニューヨーク』ENGLISH VINGLISH(Hindi/2012)<一般公開>※再映~6月28日公開
2014h 『ダバング 大胆不敵』DABANGG(Hindi/2010)<一般公開>~7月26日公開
2014i 『あなたがいてこそ』MARYADA RAMANNA(Telugu/2010)<一般公開>~7月26日公開
2014j 『めぐり逢わせのお弁当』DABBA/THE LUNCHBOX(Hindi/2013)<一般公開>~8月9日公開
2014k 『バードシャー テルグの皇帝』BAADSHAH(Telugu/2013)<一般公開>※再映~8月9日公開
2014l 『バルフィ!人生に唄えば』BARFI !(Hindi/2012)<一般公開>※再映~8月22日公開
2014m 「シッダルタ」SIDDHARTH(Hindi/2013)<アジアフォーカス・福岡国際映画祭2014>
2014n 「Liar's Dice(ライアーズ・ダイス)」LIAR'S DICE(Hindi/2013)<なら国際映画祭2014>
2014o 「PAPILIO BUDDHA」PAPILIO BUDDHA(Malayalam/2013)<同上>
2014p 「ラーンジャナー」RAANJHANA(Hindi/2013)<インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン=IFFJ>
2014q 「マドラス・カフェ」MADRAS CAFE(Hindi/2013)<同上>
2014r 「若さは向こう見ず」YEH JAWAANI HAI DEEWANI(Hindi/2013)<同上>
2014s 「ラームが村にやってくる」RAMAIYA WASTAVAIYA(Hindi/2013)<同上>
2014t 「”ロミオ”・ラージクマール」R・・・RAJKUMAR(Hindi/2013)<同上>
2014u 「友情」YAARIYAN(Hindi/2014)<同上>
2014v 「ラーギニMMS-2」RAAGINI MMS-2(Hindi/2014)<同上>
2014w 「弾む心を道連れに」LEKAR HUM DEEWANA DIL(Hindi/2014)<同上>
2014x 「略奪者」LOOTERA(Hindi/2013)<同上>
2014y 「うそつきは警官の始まり」PHATA POSTER NIKHLA HERO(Hindi/2013)<同上>
2014z 「結婚の裏側」SHAADI KE SIDE EFFECTS(Hindi/2014)<同上>
2014za「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ムンバイ2」ONCE UPON A TIME IN MUMBAI DOBAARA(Hindi/2013)<同上>
2014zb「ヒーローはつらいよ」MAIN TERA HERO(Hindi/2014)<同上>
2014zc「ロバ男」PIED PIPER(Hindi/2013)<同上>
2014zd「チェイス!」DHOOM 3(Hindi/2013)<第27回東京国際映画祭>
2014ze「オプーのうた~『大地のうた』その後」SONG OF APU/APUR PANCHALI(Bengali/2013)<同上>
2014zf『きっと、うまくいく』3 IDIOTS(Hindi/2009)<一般公開>※再映<ボリウッド・フェスティバル2014>~10月25日公開
2014zg『チェンナイ・エクスプレス~愛と勇気のヒーロー参上~』CHENNAI EXPRESS(Hindi/2013)<一般公開><同上>~10月26日公開
2014zh『クリッシュ』KRRISH(Hindi/2013)<一般公開><同上>~10月27日公開
2014zi『チェイス!』DHOOM 3(Hindi/2013)<一般公開>※再映~12月5日公開
©Yash Raj Films Pvt. Ltd. All Rights Reserved.
『チェイス!』は角川シネマ新宿等でまだまだ上映中。こちらで上映館をご確認の上、新春第1弾としてぜひお運び下さい。
余談ですが、『マダム・イン・ニューヨーク』と『ダバング 大胆不敵』の提供元ビオスコープの社長が、ご自身のブログ「ボリウッド映画を買ってみました」でcinetamaを登場させて下さってます。「もっとひんぱんにブログ更新せんとあきませんやん!」と文句を言ったのはその通りで、さらに、「このブログを本にまとめて下さいよ~」とも以前言ったことがあります。社長はごくフツーのできるサラリーマンだったのですが、インド映画の神が乗り移り(笑)、「日本でインド映画を公開するのだ!」と脱サラ、『マダム・イン・ニューヨーク』と『ダバング 大胆不敵』を個人で買い付けてしまったのでした。
ご承知のように『マダム・イン・ニューヨーク』は大当たり。その陰には、社長ご夫妻の「素人が映画配給に参入!」ストーリーの面白さによる宣伝効果もあったのですが、その一部は「ボリウッド映画を買ってみました」にも載せられています。これは、今後インド映画を買おうと考える配給会社や個人の参考になる、と思い、ぜひ本にまとめていただきたいと思っている次第です。ウェブの記事は広く拡散しますが、年月を経て記録として残るかといえばはなはだ心許ないのです。ぜひぜひ、記録として本の形で残しておいていただきたいものです。
『マダム・イン・ニューヨーク』のシュリデヴィやら、『チェイス!』のアーミル・カーンやら、大物スターの来日も実現したインド映画@日本2014。来年も楽しい出会いがいっぱいあることを祈っています。来年はこちらのインド映画をどうぞヨロシク!
ドキュメンタリー映画でも公開された場合はリストに入れているのですが、『聖者たちの食卓』は残念ながら製作国がベルギーなんですよね。というわけで、リストからは落としています。
合作なら入れることもあるのですが...と書こうと思って、そういえば欧米作品でインドが舞台、あるいはインド人が主人公という作品が結構あった、と思い出しました。合作かそうでないか、ちょっとチェックしてみようと思います。
なお、ドキュメンタリー映画では、昨年の山形ドキュメンタリー映画祭で上映された作品『チョール 国境の沈む島』(『ビラルの世界』のソーラブ・サーランギー監督作品)などが先日まで新宿K's cinemaの「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー」で上映されていたのですが、ご紹介を逃してしまいました。すみません。
来年2015年は、山形ドキュメンタリー映画祭がまた開催されますので、上映されるアジア映画はしっかり紹介していこうと思っています。
6月に川崎市市民ミュージアムでアラヴィンダン監督の特集上映がありましたが、この種の上映はスルー、と考えてよろしいでしょうか。
念のため、ご確認まで。
http://culture.loadshow.jp/topics/aravindan/
それから、『マダム・マロリーと魔法のスパイス』は合作になっているようです。
http://www.imdb.com/title/tt2980648/
アラヴィンダン監督の作品上映@川崎市民ミュージアムですが、すでに何度も行われているので、落としました。
『きっと、うまくいく』を今回のリストに入れたのは、「ボリウッド・フェスティバル2014」という上映の全貌を記録しておくためです。
『マダム・マロリーと魔法のスパイス(原題:The Hundred-Foot Journey)』の製作国は、日本のMovie Walkerのサイトでは「アメリカ」となっています。
http://movie.walkerplus.com/mv56594/
また、英語版のWikiもこの映画の製作国を「United States」としています。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Hundred-Foot_Journey_(film)
ただ、Yahoo!Japanの映画のページでは製作国は「インド、アラブ首長国連邦、アメリカ」となっており、またIMDbも同様に書いてあります。
どちらとも判断がつきかねるので、いろいろ確認してからリストに加えたいと思っていますが、オームプリーは出ているものの監督はスウェーデン人、舞台は南フランスということもあって、「インド映画」の範疇に入れるのを私自身は躊躇する気持ちが強いです。
今度から、製作国にインドが入っており、監督がインド人であること、というような条件を入れた方がいいかも知れませんが、するとエリス・ダンガンが撮った1930・40年代のタミル語映画&ヒンディー語映画はインド映画に入らないことになるし...。難しいですね~。
2014年のインド映画上映とは関係ないのですが、cinetamaさんがMovie Walkerのサイトに言及されていたので、恐縮ながら前から気になっていたことをこの際質問させてください。
日本で最初に公開されたインド映画は、1926年公開の独印合作無声映画『亜細亜の光(原題:Prem Sanyas / The Light of Asia / Die Leuchts Asiens)』(1925年製作)だというのが定説だと思いますが、Movie Walkerのサイト(原資料はキネマ旬報のデータベースのようです)には1922年インド製作の無声映画『バートラハリー王(原題:Rajah Bhatrahar)』が1922年に公開されたと掲載されています。
http://movie.walkerplus.com/mv14342/
この映画はIMDbと英文ウィキペディアでは『Bhartruhari』(1922)というタイトルになっています。
http://www.imdb.com/title/tt0250985/
http://en.wikipedia.org/wiki/Bharthari
また、Encyclopaedia of Indian Cinema には『King Bhartruhari』(1922)というタイトル名が掲載されています。
果たしてこれは本当に日本で上映されたのでしょうか? Movie Walkerのサイトには他資料では見られない「モハラル・G・デーヴ」なる脚色・原作者の名もありますが、キネ旬がどうやってデータを入手したのか気になるところです。
確かに、リンクを張って下さったMovie Walkerのサイトには「1922年公開」とありますね。
ただ、お調べ下さったように、この映画は製作が1922年ですので、同年に日本で公開されたという点にまず疑問が起きてきます。
とはいえ、これも書いて下さっている「モハラル・G・デーヴ」というスタッフ名が出てきている、ということは(「モーハラール・G・デーヴ」or「モーハンラール・G・デーヴ」はあり得る名前です。でも、Encyclopaedia of Indian Cinemaの索引にはありませんね)、「キネマ旬報」にその旨の記述があった、ということでしょうね。
年が明けたらフィルムセンターに行ってみて、1922年の「キネマ旬報」を調べてみます。何か発見したら、またブログにアップしますね。
『マダム・マロリー~』の件ですが、映画館で本編を観たとき、冒頭にリライアンスのロゴが出てきたように記憶しております。
で、「ああ、スピルバーグは商売上手ね」と思ったのですが、製作面ではドリームワークス主導ということだったのでしょうか。
そのあたり、難しいですね。
http://timesofindia.indiatimes.com/entertainment/hindi/bollywood/news/Indian-cast-dominates-Spielbergs-film-The-Hundred-Foot-Journey/articleshow/39816176.cms
映画の国籍を問うのは、最近一層難しくなってきました。
『グレース オブ モナコ』はヤシュ・ラージ・フィルムズが製作の一翼を担っていて、だからウダイ・チョープラーの名前が出てくるのですが、アメリカに設立されたヤシュ・ラージ・フィルムズ・エンターテインメント社の製作となっているため、インド映画ではなくてアメリカ(+他の国)映画になっています。
やっぱり、原則監督がインド人でないとインド映画の範疇に入れない、にしますかねー。例外はまたケース・バイ・ケースで、ということにしたいと思います。
それにしても、キネマ旬報がそんなに古くから刊行されているとは知りませんでした! 1919年創刊とは。
OPAC検索によると、フィルムセンター図書室ではキネマ旬報は1950年以降発行号しか所蔵していないようなので、一般の人が1922年発行号を確実に見られるのは国会図書館だけかと思います。貴重資料のため現物は見られず、デジタル化されたページを館内閲覧する形になるようです(デジタル化されているのにウェブで閲覧できないのは残念)。
私もそのうち訪問して調べてみたいと思ってます。
フィルムセンター図書室には、「キネマ旬報」の古い号もちゃんとありますので大丈夫です。1950年以降、というのは、開架に置かれている分ではないでしょうか。
最近は図書室に行っていないのですが、数年前は、閉架のものも申請すれば閲覧&コピーができました。国会図書館よりは「お役所度」が低いので(笑)、司書の方もとても親切ですし、フィルムセンター図書室の方が調査にはご便利かと思います。
一度いらしてみて下さいね。