JRグループ2021ダイヤ改正（愛媛編）

2021年３月のJR四国ダイヤ改正、愛媛県内でも松山発最終を繰り上げるほか、リリースにない普通列車の削減などが行われることになった。

まず、宇和島方面の特急については、松山発22時49分特急『宇和海』の運転を取りやめる。このことで八幡浜から先の最終は、松山発21時51分の『宇和海』となり58分繰り上がる。それでも瀬戸大橋開通直後の松山発21時15分よりは遅い。下り『宇和海』１本の廃止で上下の運転本数は16本で揃うことになる。

松山発22時21分の普通八幡浜行は、去年10月に23時26分の伊予市行が運休になってから、伊予市までも含めての最終となっていたが、今回の改正では廃止となった『宇和海』と同時刻の22時49分発となる。このことで伊予鉄道の松山市発22時30分よりは遅くなる。松山市発は28分繰り下げとなるが、北伊予での13分停車、伊予市での８分停車がなくなるので、内子区間では７分、八幡浜着は６分繰り下げとなる。ただ廃止となった『宇和海』と比較すると、内子着は24分、八幡浜着は37分遅くなる。
去年10月から運休となっていた松山発23時26分の伊予市行は廃止に、伊予市までの最終は37分繰り上がることになる。

一方、今治、伊予西条方面は、松山発23時06分の『ミッドナイトエクスプレス松山』新居浜行と23時24分の普通今治行を廃止することになった。伊予北条への最終は５分繰り下げの松山発22時50分なので、改正前より34分繰り上げ、今治への最終は22時06分なので改正前より１時間18分の繰り上げ、今治より先への最終特急は松山発21時41分の高松行なので１時間25分も繰り上げということになる。伊予北条行とほぼ同時刻に八幡浜まで走る列車があることを考えると、今治行でも良さそうだ。

『ミッドナイトエクスプレス松山』は2001年３月改正で高松行最終いしづちの後、松山発22時30分の伊予西条行きとして新設、2006年の時刻表を見ると新居浜まで延長運転しており、時刻も22時56分発に繰り下げている。コロナ禍の影響なのか夜間の需要は減少し、去年は伊予西条止まりになった時期もあった。そして今回の改正で20年の歴史に幕を閉じることになる。
また、新居浜発5時54分の『モーニングＥＸＰ松山』松山行は日曜休日運休に、新居浜での始発は40分後の『いしづち』になり、松山着は7時11分から7時58分に繰り上がる。休みの早朝は需要がないのだろう。

深夜と特急以外については、宇和島発8時51分内子経由松山行の運転を取りやめる。このことで、宇和島では6時47分から12時23分まで５時間36分のタイムラグ、八幡浜では8時48分から11時26分まで２時間38分のタイムラグ、伊予市では10時53分から12時35分まで１時間42分のタイムラグが発生する。2015年の宇和島発を見ると、7時06分の次は8時44分、10時01分、そして12時10分があったが、間の２本が廃止になったことになる。このことで宇和島から八幡方面への普通列車は７本となる。それでも土讃線の山間部よりは多い。８時台に下り普通から上り特急で松山方面へ折り返せば、タイムラグのフォローはできる。

宇和島口で５時間半以上開くのも厳しいが、松山都市圏で１時間40分開くのも厳しい。しかもその前の列車とは12分しか開いてない。１キロ足らずの駅間とは不釣り合いなダイヤだ。12時40分頃の松山行まで待てない場合は、12時前の八幡浜行に乗って、伊予市で３分折り返しの特急か、郡中港13分接続の伊予鉄に乗り換えればいい。ただ、松山市着は12時38分とＪＲの松山着より16分早いだけなので、松山駅近辺に用があるときはＪＲの普通を待った方がいい。

松山以東でも、今治発9時40分の松山行、松山発17時56分の今治行の運転を取りやめる。
今治発9時40分の廃止で、伊予北条では10時03分発、23分発、54分発から23分発が抜けて51分のタイムラグが発生する。でも10時54分発の次は連続して１時間以上開くわけだから、マシな方かもしれない。今治発では8時51分から10時07分まで70分以上のタイムラグが発生する。ただし、廃止となった普通列車と変わらない今治発9時30分発の特急がある。

松山発17時56分の廃止で、夕方の松山発今治方面が17時40分、17時56分、18時12分、19時07分となっていたのが17時40分、18時05分、19時07分といった具合になる。18時12分の伊予西条行きは７分繰り上げの18時05分発となったが、後続との間隔がもっと偏り１時間を超えてしまった。この７分の繰り上げで、松山発18時39分の『しおかぜ』と伊予北条で接続していたのが、伊予亀岡での通過追い抜きに変わる。松山から伊予亀岡まで普通を乗りとおす客にとっては時間短縮となったが、伊予北条で『しおかぜ』からの乗り継ぎができなくなった。この伊予西条行きは今治での停車時間が１分だったのを11分に拡大したため、今治から先のスジは改正前と変わらない。