JRグループの2021年3月13日ダイヤ改正、JR四国の徳島県内では徳島線の増発だけがリリースに掲載されているが、それ以外にも最終列車の繰り上げや列車の廃止などが行われることになる。
●徳島線(徳島~石井~鴨島~阿波川島間)
データイムに4往復8本を増発して、徳島~阿波川島間では一部時間帯を除いて毎時台で2本、阿波川島~穴吹間では毎時台で1本とする。増発するのは徳島発11、12、14、16時台の毎時13分発と、穴吹発11時15分、阿波川島発12時04分、14時13分、15時04分で、これらの列車が運転する時間帯は毎時2本となる。
徳島発を9時台から15時台まで見ると、改正前は毎時2本になっているのは通学客の見込まれる13時台だけだったが、改正後は10時台、15時台以外で毎時2本になっている。10時台は引き続き1本しかないが、11時13分の増発で10時54分を10時43分に繰り上げ、タイムラグを54分に短縮している。
11時台以降は阿波川島行(17時台からは穴吹行)を徳島発13分発と揃えてわかりやすくなったが、穴吹方面が43分発になっているのは10時台、13時台、15時台、17時台だけ、11時台と16時台は38分発、12時台と15時台は45発とずれている。長く30分間隔になるのは13時13分~14時43分だけだ。前回改正時の牟岐線のように30分間隔が長くならなかったのは『剣山』が入るためだ。16時38分発は蔵本での交換待ちで他時間帯のパターンにはまるが、11時38分発は鴨島での3分待ち以外は長い交換待ちはない。徳島発12時00分の『剣山』から阿波川島まで逃げ切るためだ。
阿波川島行は徳島発13分なので、徳島着15分となる一部の『うずしお』からの接続は悪い。『うずしお』を佐古に停車させれば、高松から蔵本、石井方面への時間は短縮となるが、そこまで需要があるかはわからない。
データイム直前ではパターンダイヤ化の影響か、徳島発8時38分の阿波川島行を9時13分に繰り下げている。そのため、特急通過駅から徳島発9時00分の『剣山』への乗り継ぎはできなくなる。
阿波川島発徳島行を見ると、穴吹方面からの列車は10時台から17時台まで43分発で揃っているが、阿波川島始発が13分発になっているのは、10時台、13時台、14時台、17時台だけ、12時台、15時台は『剣山』が設定されるため、04分発に繰り上げている。11時台、16時台は阿波川島始発もなく、1時間のタイムラグがある。12時04分発を11時13分発に、15時04分発を16時13分にすれば、特急込みですべての時間帯で毎時2本になるが、通学需要を考えると、15時台の普通が毎時2本の方がいい。1時間開く時間もあるが、改正前は阿波川島発10時49分から12時33分まで100分以上のタイムラグがあったことを考えると、大幅に改善されたのではないかと思う。
今回の増発に伴い2運用増えたことになる。コロナ禍では珍しい増発だが、利用客が増えるか様子見の社会実験に近いのだろう。これで利用率が悪ければ、土休日廃止か列車そのものの廃止となると思われる。それでも1時間間隔だから、運転間隔の偏っていた改正前よりは大幅に改善されているし、後述の穴吹以西よりはマシなのではないかと。
夕方以降の普通列車は時刻を10分ほど繰り上げている。18時57分の穴吹行は18時44分に繰り上げとなったため、特急の待避駅が府中から牛島に変更、徳島から石井まで23分かかっていたのが17分に短縮する。その1本前の18時13分発は土休日も運転となり、土休日の18時台は毎時2本に増えた。
夜間時間帯は、10月から運休になっている徳島発23時39分の阿波川島行の運転を正式に廃止する。このことで最終列車は22時57分の穴吹行となり40分以上繰り上がる。徳島着23時34分の『うずしお』や23時25分の大阪からの高速バスには接続しなくなる。
上り最終は徳島着22時53分だったのが23時12分に繰り下がる。このことで、牟岐線の最終列車で4分で接続するようになるが、鳴門線の最終列車に接続しなくなる。
●徳島線(阿波川島~穴吹間)
阿波川島までの不揃いなダイヤは、長時間停車でリセットする形でなるので、10時台から17時台までは阿波川島発穴吹方面が毎時31分、穴吹発阿波川島方面が毎時15分で完璧な1時間ヘッドになる。交換駅も学で固定されるので、途中駅の発車時刻も川田発15時51分の阿波池田行と、山瀬発12時30分の徳島行以外はそろうことになる。改正前で午後の40分前後の間隔が1時間毎に拡大となるので、通学は少し不便になるが、列車の毎時分を覚えて行動すれば問題ない。
●徳島線(穴吹~阿波池田間)
去年の改正では早朝、深夜に列車を廃止したが、今回の改正はではデータイムの運転本数を半減させている。
穴吹発11時06分、14時32分の阿波池田行、阿波池田発11時26分、14時29分の穴吹行の運転を取りやめる。このことで穴吹~阿波池田間の普通列車は下り12本上り13本から下り10本上り11本になる。本数は10本以上あるが朝夕に偏っているので、データイムは最大4時間空きと他地区のローカル線並みだ。
穴吹発を見ると、改正前は9時06分、11時06分、12時57分、14時32分、15時57分と、午前約2時間、午後約1時間半の間隔となっていたのが、8時52分、12時57分、15時57分と4時間、3時間間隔となる。4時間開くところには9時41分の特急が入るが、3時間開くところの特急は後述する通り廃止となるので、穴吹から先へ移動する術はなくなってしまう。
阿波池田発も9時12分、12時59分、16時09分と3時間47分、3時間10分の間隔になる。普通が廃止となった時間帯は『剣山』が1時間ほど繰り下げてフォローするので、それを入れると午後は1時間半くらいの間隔になる。なお、16時09分の普通は改正前から30分繰り下げた列車、この繰り下げで阿波池田着15時47分の高知発普通からの接続時間が67分から22分に短縮された。
夕夜間の穴吹発は20分ほどの繰り下げが基本だが、21時16分発は20時37分に繰り上げる。このことで、19時09分発から21時16分発までの2時間以上のタイムラグは、19時29分発から20時37分発までのタイムラグになる。
上りについては阿波池田発20時56分の最終徳島行が21時17分に繰り下がる。
●特急『剣山』
リリースでは触れてないが、徳島発15時01分と、阿波池田発16時32分の徳島行の運転を取りやめる。この1往復は去年の緊急事態宣言でGW前から2か月間運転を見合わせていたが、運転再開後も利用率が芳しくなかったのだろう。この列車には『ゆうゆうアンパンマンカー』を連結していたが、廃止になったため、徳島発12時00分と阿波池田発14時30分だけが、『ゆうゆうアンパンマンカー』を連結する。また、廃止となった阿波池田発16時32分は、唯一の阿波川島通過列車なので、すべての『剣山』が阿波川島に停車することになる。
下りについては12時00分が出た後は18時00分まで開き、データイム午後の設定がなくなる。14時43分の普通が廃止になった『剣山』のフォローをするが、『剣山』の1時間15分に対し、2時間もかかるので、阿波池田着は16時16分から16時42分に繰り下がる。そのため16時台の『南風』への接続はなくなる。なお、徳島発の分時刻は、57分から04分と分かりにくかったが、始発と最終以外は00分発に揃えてわかりやすくする。普通列車をパターン化したため、可能だったのだろう。
上りについては6時台、8時台、10時台、13時台、16時台、19時台の設定だったが、16時台の廃止だけでなく、データイムの2本を1時間繰り下げ、6時台、9時台、11時台、14時台、19時台の設定としている。そのため、阿波池田発のタイムラグは14時30分から19時49分までの5時間19分と、徳島発よりは短い。廃止となった16時32分発の代わりは、時刻を繰り下げ高知発普通となった16時09分発だが、徳島まで2時間18分もかかるため、徳島着は17時45分から18時27分と42分繰り下がる。
乗客減に伴い、徳島発9時00分と阿波池田発11時30分は、9月いっぱい運休している。このことで午前中にも6時間近いタイムラグが発生する。
列車の総運転距離で見ると、徳島~阿波川島間22.7キロ×8本=181.6キロを増やした一方、徳島~阿波池田間74.0キロ×2本=148.0キロ、穴吹~阿波池田間35.4キロ×4本=141.6キロを減らし、合計すると108キロ減らしたことになる。徳島~阿波川島間でさらに4本増やして全て毎時2本にしても、お釣りが来るが、そこまでの需要はないのだろう。
●鳴門線・高徳線
徳島発23時14分の鳴門行の運転を取りやめ、22時14分の鳴門行を22時54分に繰り下げる。このことで鳴門への最終は20分繰り上がる。勝瑞で最終『うずしお』から接続しなくなるので、高松からの最終は61分も繰り上がる。
徳島発22時49分の板野行については31分繰り上げの22時18分発とし、板東、阿波川端の時刻も繰り上げる。
鳴門発22時14分の徳島行も運転を取りやめ、最終を鳴門発21時15分と59分繰り上げる。高徳線下りは徳島行最終の時刻を讃岐白鳥から先で9分繰り上げる。
●牟岐線
早朝時間帯については、阿南発5時58分の板野行の運転を取りやめ、5時39分の列車を5時44分に繰り下げる。徳島着は6時21分だったのが6時28分に繰り下がるが他の路線への接続には影響はない。
夜間時間帯については、去年の10月1日から運休になっていた、徳島発23時39分の阿南行を正式に廃止、22時57分の阿南行最終を23時16分に繰り下げる。去年の9月以前よりは23分の繰り上げとなるが、改正直前よりは19分の繰り下げとなる。このことで、先述の時刻を繰り上げた高徳線下り最終から4分で、時刻を繰り下げた徳島線最終から2分で接続するようになる。また、徳島駅前着23時02分の高速バスから接続するようになる。
阿南以南については、牟岐発8時54分の阿波海南行、阿波海南発10時04分の牟岐行の運転を取りやめる。このことで牟岐発は7時51分から11時24分まで3時間33分の、阿波海南発は8時17分から12時04分まで3時間47分のタイムラグが発生する。ただし、牟岐発9時30分の甲浦行、海南高校前発9時41分の牟岐行のバスが時間帯がずれるものの設定されている。
●土讃線
阿波池田発8時12分と20時41分の大歩危行、大歩危発9時03分の阿波池田行の運転を取りやめる。阿波池田~大歩危間の普通列車は下り9本上り8本あったのが7往復の運転となる。それでも琴平~阿波池田間の6往復より多いわけだが。
阿波池田発8時12分の廃止で、7時20分から11時57分まで4時間37分のタイムラグが発生する。大歩危発9時03分の廃止で、7時24分から12時52分まで5時間28分のタイムラグが発生する。
阿波池田発20時41分の廃止により大歩危への最終普通が19時10分となり、1時間31分も繰り上がる。それでも18時39分の琴平行最終より遅い。
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