しーさるの鉄日記

上越新幹線、最高速度向上へ


JR東日本は、上越新幹線の大宮から新潟間での最高速度を現行の240キロから275キロに引き上げることを発表した。対象車両は、2022年度末に上越新幹線を統一するE7系、大宮~新潟間で最大7分程度の時間短縮を図る。また、大宮~高崎間で走行する北陸新幹線についても、最大2分程度の時間短縮を見込んでいる。

速達化にあたり、約7キロに渡って吸音板を設置、約12キロに渡って防音壁のかさ上げなどを行なう。測量および工事期間は今月中旬から概ね4年程度を予定している。なお、具体的な速度向上開始時期については、まだ決まってない。

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1988年に240キロ運転を開始して以来、30年以上ぶりに最高速度を引き上げることになった上越新幹線。でも、275キロ運転そのものは、90年から99年まで、下り一部列車が大清水トンネル内で行なっていたから、復活という形になる。東北新幹線は97年から275キロ運転を行っていたが、上越新幹線はE2が導入されても最高速度は240キロ、比較的距離が短く、新潟まで航空機が競合しないことから速達化がおざなりになっていたのだろう。当時需要の高かった越後湯沢以南を時間短縮してもせいぜい数分程度だし。

現行ダイヤで上越新幹線最速列車は東京発9時12分の『とき311号』、東京から新潟まで97分、大宮から新潟まで74分かかっているのを、それぞれ90分、67分に短縮させる。また、リリースにある上野~大宮間で1分の短縮を行なうと、東京~新潟間で80分台の大台に乗ることができる。大宮から新潟までの表定速度は、現行では218キロくらいだが、275キロ運転を行なうことで241キロに上がることになる。データイムの最速『のぞみ』が新横浜~名古屋間で表定速度243キロとなっているから、それに近い走りだ。

上越新幹線はほとんどの区間で275キロ運転を行なうようになるわけだが、高崎~上毛高原間の中山トンネル内の1500メートルカーブでは160キロ制限を受ける。そのため、高崎、越後湯沢と停車する列車は同区間で275キロまで出せないと思われる。表定速度が、熱海で185キロ制限を受ける『のぞみ』に近いのも納得できる。

275キロ運転を行なうのはE7系が対象となる。E7系といえば、2年前にパンタグラフ遮音板を付けて上越新幹線で速度向上試験を行なってきたわけだが、今回のリリースを見る限りだとパンタグラフ遮音板でなく、東北新幹線同様、地上設備の騒音対策で速度向上を行なうと思われる。

今回のリリースでは上越新幹線の速度向上だけでなく、E2系が2022年度に上越新幹線から撤退することにも触れている。でも、撤退するのは上越新幹線だけで、東北新幹線では残ると思われる。2010年製とE5系と変わらない時期に製造された車両が6編成あるからだ。でも、新幹線車両の車齢を考えると、それらの車両も北海道新幹線延伸前の2025年以降に廃車が始まるのではないかと思う。

時間短縮は、上越新幹線だけでなく北陸新幹線も大宮~高崎間で2分行われることになる。大宮以南でも1分短縮した場合で、上野通過の『かがやき』は東京から長野で77分、東京から金沢で2時間25分に短縮するということになる。高崎の先で160キロ制限のポイントがあるから275キロ運転できるのが70キロに満たないとはずだけど、フルスピード17分を15分に短縮するから妥当なところか。現行だと、軽井沢以北が高崎以南より最高速度が高いけど、高崎以南275キロ運転でそれが逆転することになる。軽井沢以北も275キロに引き上げると、どれくらい時間短縮するのだろうか。

速達化を行なう時期については言及されていないが、2022年度末にE7に統一されること、工期が4年程度となっていることから、2024年春改正になるかと思われる。北陸新幹線の敦賀延伸に合わせるなら、2023年春改正が理想だけど。北陸新幹線が2分短縮というから、敦賀で接続する特急のスジを変えなければ、2024年春改正での敦賀接続が2分拡大ということになりそうだ。

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