近鉄では3/17にダイヤ変更を行うことを発表した。特急列車関係の変更概要は以下の通り。
●平日・土休日共通
★データイムにおいて、京橿特急と京奈特急に併結運転を単独運転にすることで、京都線の特急を毎時3本から4本に増発する。これに伴い、一部の京奈特急で編成を増大する。
★名伊特急のうち、朝上り1本、夜下り6本を新たに久居に停車させる。
★鳥羽発756の京伊特急を松阪始発に短縮変更する。また、京都発1715の京伊特急賢島行を鳥羽行に短縮変更する。
●平日ダイヤ
★名張発600の特急京都行を増発する。(榛原、八木、西大寺、高の原、丹波橋停車)これに伴い、奈良発640の京都行特急は運転を取りやめる。
★大阪難波発2335の特急奈良行を5分繰下げ、20分ヘッド化させる。
●土休日ダイヤ
★京都発710の橿原神宮前行京橿特急を鳥羽行京伊特急に変更する。(丹波橋、西大寺、八木、名張、中川、松阪、伊勢市、宇治山田、五十鈴川停車)
また、橿原神宮前発1019の京橿特急京都行を、宇治山田発920の京伊特急に変更する。(伊勢市、松阪、中川、榊原温泉口、名張、八木、西ノ京、西大寺、丹波橋停車)
★宇治山田発930の大阪上本町行阪伊特急を鳥羽発920に延長変更する。
また、名阪特急に新型車両を投入することを発表した。
先頭車両は、ハイグレード車両とし、ハイデッカーと大きいガラス窓で前面展望を楽しめるようにする。また、電動式フルアクティブサスペンションで横揺れを低減させる。シートは、全席3列で前後幅130cm、電動リクライニング、電動レッグレストとする。
中間車両は、4列配置だが前後幅116cmを確保する。先頭車両、中間車両ともにバックシェルを取り付けて、後ろの客に遠慮することなくリクライニングできるようにする。また、コンセントも全席に設置する。
全車に荷物置場を設置、防犯カメラを設置することで安全性を確保する。また、車内表示器は4か国語対応とする。全車に空気清浄機を設置し、車内の快適性を確保する。
運行開始時期は2020年春、6両編成×8編成と8両編成×3編成の計72両を製造し、順次名阪特急に投入していく。
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2年ぶりの近鉄ダイヤ改正、特急列車については京都線を発着する列車を中心に見直されることになった。
京都線は6年ぶりに特急が毎時4本に戻ることに。京都発時刻は、現行の10橿、30奈、50橿奈から、10橿、20奈、40橿、50奈と変わる。2012年改正以前のような15分ヘッドではないので、西大寺までは10分、20分間隔と偏っている。ただ、対奈良や対橿原神宮前で見ると、30分の運転間隔になっており、改正前のような40分空きはなくなっている。
京橿特急のうち、50分発は40分発に繰り上げ、このことで東京発20の新大阪『のぞみ』でなく10の博多『のぞみ』からの接続を受けることになる。西大寺での分割併合作業がなくなるので、西ノ京以南までの所要時間は2分短縮、八木では急行青山町行に接続するので、長谷寺、榛原方面への利便性が向上する。ただ、阪伊特急や吉野特急への接続時間は10分ほど長くなる。
京奈特急も京橿特急と同じく、分割併合作業のなくなることでの時間短縮。西大寺での6分停車がなくなり、京都から近鉄奈良までの所要時間は38分から33~34分ぐらいに短縮される。分割併合なしでスジを延ばしても、大阪なんば方面との列車と干渉しない。また、京奈特急を単独運転にすることで2両運用を解消するのではないかと。関西圏はインバウンド客が大幅に増加して、京都~奈良間の需要は以前より高くなっているからな。あと、後述の新型特急導入でアーバンライナーに余剰が出るから、分割併合運用をできるだけなくしたいのかもしれない。
久居は、2年前の改正で朝上り4本夜下り2本が停車するようになったが、今回の改正ではさらに停車本数増、これで朝上り12本、夜下り15本が停車することになる。特に夜下りは19時台~21時台で毎時1本しか停車してないのが、22時台以降と同じく毎時3本停車するように、名伊特急は全て停車するようになる。久居駅の乗車人員は2009年まで減少傾向だったけど、ここ最近は増加傾向になっているからな。通勤客が増えているのだろうか。
平日朝は、名張から京都行への直通を設定することに。名張を600に出発して、京都には716というラッシュのピーク前に到着する。現行ダイヤだと名張着601の青山町発快速急行があるのだけど、それを数分繰上げて接続させれば、伊賀神戸、桔梗が丘からもこの特急を利用することができる。榛原発は611、榛原から東京へ向かう時、現行ダイヤでは606の特急で大阪を経由するか、555の急行で八木、京都を経由して、東京着は953になるわけだが、この特急を利用することで京都一回乗り換えで、東京には943に到着する。上り橿原線からも大和八木での京都行特急始発が702から623に39分繰り上がるので、橿原市からの利便性も向上する。ラッシュ時の大阪を経由しないから、大和高田市からの需要もあるだろう。高ノ原からの通勤需要もあるけど、6両で賄いきれるのだろうか。
土休日は京橿特急を置き換える形で京伊特急を増発、京都発710と始発特急を現行の815から1時間以上繰り上げることになる。現行ダイヤだと同じく京都発710の京橿特急が八木で阪伊特急に接続しているが、京橿特急が759着に対して阪伊特急の宇治山田行が819発と20分も待たなければならない。新設の特急は宇治山田には19分早い919に着くことができる。ただ、橿原神宮前に乗り入れなくなることで吉野特急への接続ができなくなり、これからの桜の時期に、京都から吉野へ向かう客にはサービスダウンになると思われる。臨時特急を設定してくれればいいのだけどね。
京都方面も宇治山田発920の京伊特急を新設、810発と合わせて午前中2本目の設定となる。現行ダイヤだと宇治山田発930の阪伊特急から大和八木18分接続の京橿特急に乗り継いで京都には1154に着くのだが、この列車では28分早い1126に着くことができ、伊勢志摩に宿泊した時の京都での観光時間に余裕が出てくる。伊勢神宮は早朝からお参りできるし、インバウンド客もあるだろう。当然ながら、吉野発934の特急から接続する京都行特急はなくなる。こちらは吉野行ほどの需要はないけど。宇治山田発京都行については、榊原温泉口と西ノ京に停車する。このことで、伊勢から薬師寺へ向かう観光客の利便性を図る。この宇治山田発特急の設定の兼ね合いか、一本後の阪伊特急が鳥羽発となった。
名阪特急の新車は以前から報道されていたが、ようやくデザインが発表された。小田急GSEと名鉄っぽいのがかぶってしまったのは偶然なのか。それ以前に統一性がない印象、一般特急をあんな色にリニューアルしたのに。一般特急と一線を画すという意味なのか。
ハイグレード車両のシートピッチ1300㎜は、『しまかぜ』のプレミアムシート1250㎜を上回り、JR新幹線のグランクラスに匹敵する。レギュラー車両でもシートピッチは1160㎜で、アーバンライナーNEXTのデラックスシート1050㎜どころが、東武スペーシアの1100㎜を上回る。バックシェルは夜行バス『VIPライナー』に導入されているが、鉄道車両への導入は初めてだ。後ろに遠慮するなくリクライニングできるというのは話題になるかもしれない。それ以外は『しまかぜ』を踏襲している感じだ。
現行では名阪間の運賃+料金は4,260円、デラックスカーは4,770円になる。それを踏まえるとレギュラー車両は4,600円、ハイグレード車両は特別車両料金を1,300円ぐらいに上げて5,600円ぐらいにするのではないかと。でも、それくらいの設定にすると、新幹線のEXきっぷとほぼ同額になってしまうのだな。2時間乗ってその金額だったら、東北新幹線のグランクラス東京~盛岡間23,470円よりはお得感あるけど。
デビュー7年後には、リニアが開通、高速列車を利用しても東京~大阪間で名古屋乗換が発生するから、快適な近鉄特急は少し条件が良くなる。品川からなんばへ向かう時、名古屋で近鉄特急に乗り換えれば1回の乗り換えで済むが、東海道新幹線に乗り換えれば、新大阪で御堂筋線に乗り換える必要が出てくる。新大阪からだと座れる可能性は高いが、逆方向でなんばから御堂筋線で座れる可能性は低い。東海道新幹線と近鉄特急が同時に発車した場合の所要時間差は40分ほど、現行で品川~名古屋と品川~新大阪でEXきっぷの差額は3,260円だから、地下鉄の運賃を加算しても、レギュラーで1,000円ぐらい高くなってしまう。
その10年後の2037年にはリニアが新大阪まで開通、所要時間差は1時間10分になってしまう。名阪間は快適な近鉄特急を利用する客が見込めそうだが、名古屋で名阪特急に乗り換える人は減少することになる。また、リニアの駅の位置とダイヤによっては、名古屋~八木の利用客も減少する。アーバンライナーNEXTは2002デビュー、20年ほどで名阪特急の座を新型特急に受け渡したから、新型特急もそれくらいのタイミングで後継車両に引き継ぐ可能性がある。リニアが新大阪まで延伸して数年ぐらい様子見、そして後継車両に引き継ぐ感じになるのではないかと。
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