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室堂からは立山トンネルを通るトロリーバスで、立山の真下をくぐることになる。1971年に開通した時はディーゼルバスだったが、トンネル内で排気ガスが滞留することが問題となり、1996年にトロリーバスに置き換えとなった。それに伴い、立山黒部貫光無軌条電車線となり、鉄道扱いとなった。自分はトロリーバス置き換え前に通ったが、鉄道扱いになったことに気づかなかったため、2019年10月に八栗ケーブルに乗ったことで、国内の全鉄道制覇だと思い込んでいた。気づかないままでも今シーズンが終われば、電気バス化でこの区間の鉄道事業は廃止になるわけだが。
トロリーバスの室堂駅ホームは道路と同じレベルなので、バス入り口とは段差がある。3台での走行だが、発車直前で立ち席となった。高原バスに比べると座席数は少ないし、10分の移動だから仕方ない。室堂発12時15分、途中青く照らされた区間は難工事となる破砕帯部分で長さは80mほどだ。途中、室堂行のバスと交換、向こうは立ち客はいなかった。今朝の新幹線を長野で降りて、黒部湖遊覧船をスルーすれば、このバスに乗れたのだろう。途中、明かり部分は2013年に廃止となった雷殿駅があったところ。登山道崩壊で休止になったのが1998年だから、トロリーバスが停車したのは3シーズンだけだ。
大観峰着12時23分、所定より2分早い。3.7キロを最高速度40キロより低い30キロで流せばそんなものだろう。大観峰駅は2316m、室堂から立山トンネルを130mほど下ってきたことになる。40階建てのタワマンくらいの高低差だ。高低差が発生したのは、黒部湖側で駅を設置できる限界の高さだったのだろう。ホームは地下だが、窓からは黒部湖とロープウェイを望むことができた。大観峰駅は2階建て、絶壁に立地しているためか、駅の外に出ることはできない。また、売店はなく待合室とトイレしかない。ただし、1階トロリーバスホームの上に展望テラスがあり、乗換コンコースだけでなく、ホームから直接抜けることができる。また、2階から54段の階段を昇れば屋上展望台にも行ける。公式ホームページでは乗り換えで2階を経由することになっているが、実際は1階での乗り換えとなった。
直近のロープウェイは12時40分だが、1本落として13時丁度のトロリーバス接続のないロープウェイに乗ることにした。外にも出れないので、屋上展望台から黒部湖を眺めた。
大観峰からは黒部平を介して、支柱なしロープウェイ、地下ケーブルカーを乗り継ぐことになる。全区間ロープウェイだとコストがかさみ、黒部湖付近の景観に悪影響、全区間地下ケーブルカーだと黒部湖の景色を見れる場所へ減るといったところなのだろう。地形上の制約もあるだろうけど。黒部湖からの地下ケーブルカーが開業したのが、1969年7月、黒部平からのロープウェイが開業したのが1970年7月、大観峰からのディーゼルバスが開業したのが1971年4月と黒部湖側から1シーズンごとに伸ばしていた。
ロープウェイの先頭に乗ること7分、標高1828mの黒部平に13時07分に到着する。支柱がないためか思った以上に揺れた。距離は1700mだが、高低差は488mで、7進むと2降りるくらいの比率だ。ちなみに駒ケ岳ロープウェイは950mという倍近い高低差で、大観峰より300m近い高さの2612メートルまで上がる。黒部平は標高が1828mということで、立山有料道路の弥陀ヶ原より100m低い追分料金所の標高まで降りてきた。
黒部平駅は2階建、ロープウェイホームからの通路通路の先に、お土産物屋と軽食コーナーやそばコーナー、2階レストランへの階段が、そこを左に曲がると駅舎の上のパノラマテラスやケーブルカーの乗り場がある。お土産物屋付近からは庭園への出口があり、駅舎隣接の高山植物園へも降りれる。パノラマテラスからはさっきまでいた大観峰駅が見えた。黒部平の軽食コーナーで昼食をとったので、乗ったケーブルカーは一本落としの13時40分となった。
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