日本人は完璧な接客をする。親切で繊細で、頭の回転が早い。文句のつけようがない。客としては何も言わない。穏やかに笑っている。頭の中で何か考えている。
質問はと聞かれると、うっすら苦笑いをして「特にありません」と言う。言っても仕方ない、と思っている。時々、こちらの答えやすい質問を、あえてしてくれる人がいる。想定されたコミュニケーション。こちらの質問は、流して答える人も多い。
外国人も一定数来る。
彼らは聞かれたことをその場で考えて、答える。細かい気を使っていない。
中国の人も多い。とにかく、質問はありますかと聞いて、なかった試しがない。何かしらある。何か聞いとかなきゃ損だとでも言うように、持病の頭痛とか、不整脈の相談をされることもある。ついつい一生懸命答える。
何故か堂々としている。自分の利益を主張して悪びれない。だから、怒る気にもならない。名前を間違えたら不機嫌になった。日本人では一人もいなかった。逆に訂正してくれ、読みにくさを謝られたりする。こちらもすまなく思う。「いいえ、こちらのミスです。ごめんなさい。」
ニュースでの中国の印象は良くなかったが、今のところ実際の人で嫌いになったことはない。接していて気を遣わず楽だ。
日本は暗黙のルールが厳し過ぎるのではないかな。抑圧的で。もはや、非人間的、機械的。
ヨーロッパから日本人は、(景気が良い時)エコノミックアニマルとか、機械的と言われた。外国人には、日本人の繊細な感情が見えないのだと思っていた。でも、結果的にその通りかもしれない。
だから、物質的には豊かなのに人が幸せを感じられにくいのかもしれない。