火曜サスペンス劇場「東京環状線 夏の迷走」

　再放送の火曜サスペンス劇場を、なんとなく見てしまった。別に鉄道ファンとかではないんだけど、0系こだまとか走っていて、昭和テイストの古きよき時代が…と思ったら、平成11年放送だって。ついこの間じゃないか！と思ってよく考えたら十年経っていた。十年の間には地下鉄の新路線がばかばか敷かれているし、インターネットの商用解禁からは5年は経っていると思うんだけどそういえば一言も出てこなかった。

　話は、小さな資産家の母娘が主役（父は数年前に死亡）。ホストクラブに勤める本橋に母がお金をつぎ込んじゃってる。娘はこれを快く思わず、母の目を覚まさせるために本橋を刺す傷害事件を起こすが、証拠不十分で釈放されたのちに自殺。そして、自分の愚かさに気がついた母は、娘の遺志を遂げるべく、本橋の家を訪ねて刺殺。

　朝に伊豆を出発、昼に武蔵小金井で犯行、夕方に山形の旅館、という時間的制約をどのように使うかが肝で、行きは伊豆大島に船で渡って臨時便の飛行機で東京へ。帰りは東京方面へ向かわずに逆方向から埼玉で山形新幹線を捉まえることで、母の犯行が可能と裏付けられた。最後は崖の上で自白。なんとも同情すべき親子愛。

　という話だったんだけど、だいたい本橋にはそんなに殺される理由はなかったんじゃないか。