BRIWAX の商品群に「ジャコビアン」というのがある。SPF、ホワイトウッドに使うと、黄色がかった薄い焦げ茶のような色が出る。17世紀だかのイギリス、ジャコビアン朝時代に作られたようなアンティーク調の風合いをイメージして名付けられたようなのだったと思う。人気の、とてもいい色だ。だからこそ、なんでもかんでもジャコビアン塗装にしてしまって面白味がなくなる。一缶がそう安くないから、ひとたび買ったらなくなるまでその色を使うという事情もありそうに思える。
さてそこで、思い切って二色目を買ったのが「スパニッシュマホガニー」である。けっこう前の話で、SPFに塗ってみたところ、ひどく赤っぽく、妙に嘘くさい感じに仕上がった。屋外用の保護塗料とまではいわないけど、出来上がりはいまひとつ木目が活きておらず、結局は木目を際立たせるジャコビアンに戻ってしまい、スパニッシュマホガニーはしまいこんでいた。
それを今回、「針葉樹合板」(杉)で作った棚板に塗ってみたら、意外にいい色が出るのよ。思っていたほど赤っぽくないのは、2x4とかのSPF材とは表面の加工具合が違う(合板は、おもて面の等級がCで裏面がD。明確な基準がないらしいので雰囲気でいうと、2x4のSPFはAといったところ)からなのだろうか。
裕福な家庭で育っていないもので、幼少期からパンに塗るのはマーガリンだった。長年、マーガリンを「塗る」という行為が当然のように身についており、上層の教育を受けてこなかったため、ジャムも同じ要領で「塗る」のが慣例だった。ところが、お金持ちクラブの噂を聞くに、ジャムは「乗せる」ものらしいと最近知った。貧乏たらしく塗り広げたりはしないものなのだそうだ。BRIWAXも、伸ばせばいくらでも伸びるけど、色づけというよりも本来用途は表面保護のためのワックスである。美しい艶を出すためには、刷り込んで磨く工程よりも、塗る量が大事な気がする。
杉に厚めに塗ると、スパニッシュマホガニーもいいよ。
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