精神的な障害の話。遺伝と、遺伝以外の要素があると考えられる。遺伝以外の部分では、胎児期の環境の影響が考えられるのだけど、それは放射線であるとか食べ物(栄養の偏りとか化学物質とか)であるとか測定のしにくい複数のものが候補に挙がっていて、結局のところ因果関係とか閾値とかはよく分からないから、ともかくも環境によらず一定の確率で発生するものという説も考えられる。という、せいぜい「考えられる」程度の話の中で、母体の精神状態が胎児の成長にどう影響するのかなんて、もっとはっきりしない、というのが一般的な認識だと思う。
思うのだけど、前に、ある妊婦に「生まれた子供に障害があったらあんたのせいだからな!」「一生恨んでやる」と言い放たれたことがある。職場で一悶着あったときのことで、簡単には僕とAとのオフィシャルな部分の話だった。そこへ妊婦Bが、僕とAとの間にプライベートな部分の話が何かあったのだろう、という妄想を持って首を突っ込んできて、妊婦BはAからいろいろと話を聞こうとしたようなんだけどAは何も言わない(嘘はつかないだろうけど、かといって否定もしなかった)。そこで妊婦Bは「言えないようなことがあったに違いない」という前提でAの味方についた。その後、妊婦Bと同じ調子で、職場のほぼ全員がAの味方につき、なんか知らないけど僕が人事担当部署に呼ばれて、間に入るような顔をした人事担当者も実際はAの味方で「個人的なことはいいから」と話を折られ、問題が何一つ解決しないまま今に至る。個人的なことにこだわり続けたのは僕じゃないんだけどな…。僕がいったい何の悪いことをしたのか。Aがいったい何のいいことをしたのかと。そしてAはいつまでも被害者の顔をしたままだし、全員にとって、それは済んだ話になってる。僕は今でも我慢してる。
出生児に障害が出たときの原因が、一歩譲ってそこにあったとしましょう。だけど、原因の原因はAなので、妊婦BもAに同じことを言ったらどうかな。それから人事担当者も、「そう思われるほうにも責任がある」と本気で思うのなら、その言葉をAにも自分にも向けてみたらどうかな。
放射線の遺伝的影響については、産まれてこないか正常に産まれるかのどちらかといわれる。胎児期の被曝では、身体的には人間に表れているのは小頭症だけ。あと精神遅滞がちょっと。物理的な損傷が真っ先に脳細胞に起こるのか、修復が不完全だったときの影響が他の部位より大きいだけなのか。そんなこともわからないけど、とりあえず起こりやすさを確率で表現してみるくらいの世界。