迷い道 - 現代人が失った何か -

　とかいって、本当に迷子の話とは誰も思うまい。

　昨日の吉備高原サイクリングコースです。曲がるべきところは絶対にもっとちゃんとした交差点だったよな…と思いつつ、「吉備高原←→岡山空港」みたいな表示があったら、それでもまあ行けないことはないだろう、と思ってつい曲がっちゃった。朝の7時21分58秒。

　それからちょうど一時間後に左上の案内板にたどり着くまで、ほとんど交通量のない山を、ものすごく心細い思いをしながら走るわけです。どうせPHSは圏外だろうし、誰かと電話がつながったからといって、僕に現在位置を知らせるすべはなし。ひたすら前進していました。

　後戻りして細い道に入ってみたのは幸運で、その後案内板でやっと目的地の方向が分かりました。そして参加者らしきジャージ姿の原付自転車に追従し、会場に到着して時計を止めたのが8時46分30秒。5時22分40秒の出発から3時間半後の到着です。ものすごい余裕をもって出発したつもりなのに、意外に普通の時間に着きました。

　エントリーしている10km走の号砲は11時01分。よかった、2時間休める！…って弁当食べて寝てたけど、普通は走る直前に食事はしません。それに普通は寝ずにウォーミングアップをします。

　帰りは、地図上のところはほぼ全域で下り坂。最高速度1分06秒/kmを記録したポイントでは、もう怖くてペダルは回せません。ハンドル操作しか考えない。バイクが内側に傾いて曲がるでしょう。あれをしないとちょっとしたカーブも曲がりきれない感覚なのですが、もとよりロード用のタイヤはそんなことをするためのものではないと思うのです。

　文明的な生活をしていると、いまどき道に迷うことなどなかなかないでしょう。たまにはこういう経験もいいですよ。というか、調べてから行け、ですな。