Impact of the type of anthracycline and of stem cell transplantation in younger patients with acute myeloid leukaemia: Long-term follow up of a phase III study
Am J Hematol. 2020 Jul;95(7):749-758. doi: 10.1002/ajh.25795.
PMID: 32233095
EORTC/GIMEMA AML-10試験に参加した患者の長期的な評価の結果を報告する。この試験は15〜60歳の患者2157人が対象となり、標準量のシタラビンとエトポシドにダウノルビシン(DNR, 50 mg/m2)、ミトキサントロン(MXR, 12 mg/m2)、またはイダルビシン(IDA, 10 mg/m2)を加えた導入化学療法と、同じアントラサイクリンと中等量のシタラビンを併用した地固め療法を行った。完全寛解(CR)または回復が不十分な完全寛解(CRi)に到達した若年患者は同種造血幹細胞移植(HSCT)を受けるよう計画された。
HLAが合致する血縁ドナーがいる場合には同種HSCTを行い、その他のケースでは全例自家HSCTを行うこととした。
フォローアップ期間の中央値は11年で、5年、10年、15年全生存(OS)率はそれぞれ33.2%、30.1%、28.0%だった。3つのランダム化群の間で、OSに関して有意な差はみられなかった(P = 0.38)。15〜45歳の若年患者においては、治療によるOSの差はみられず(P = 0.89)、一方で46〜60歳の患者では、MXRとIDAの群はDNR群と比較してOSが長い傾向がみられた(P = 0.029)。MRC cytogenetic risk subgroupの"favorable"に該当せず、導入療法後にCR/CRiを達成した患者の中では、HLA合致血縁ドナーがいた患者はいなかった患者と比較して10年、15年全生存率が高かった。CR/CRiを達成した比較的高齢の患者においては、ドナーの有無で長期成績に差はみられなかった。
結論として、本研究の長期成績により患者コホート全体において3群のOSに差がないことが確認された。