Randomized Phase III Trial of Ibrutinib and Rituximab Plus Cyclophosphamide, Doxorubicin, Vincristine, and Prednisone in Non-Germinal Center B-Cell Diffuse Large B-Cell Lymphoma
Clinical Trial J Clin Oncol. 2019 May 20;37(15):1285-1295. doi: 10.1200/JCO.18.02403.
PMID: 30901302
目的
イブルチニブはnon-germinal center B-cell型のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する活性を持つことが示されている。今回の二重盲検化第3相試験では、未治療のnon-germinal center B-cell型DLBCLにおける、イブルチニブとR-CHOPの併用について評価した。
患者と方法
対象患者を、イブルチニブ(560 mg/日、経口)とR-CHOPの併用、またはプラセボとR-CHOPの併用のいずれかに1:1の比でランダムに割り付けた。主要評価項目はintent-to-treat (ITT) populationとactivated B-cell (ABC)型DLBCLにおける無イベント生存(EFS)とした。副次評価項目は、無イベント生存(PFS)、全生存(OS)、安全性とした。
結果
合計838人がイブルチニブ+R-CHOP群(n = 419)またはプラセボ+R-CHOP群(n = 419)のいずれかに割り付けられた。年齢の中央値は62.0歳で、評価可能な患者の75.9%がABC subtypeであり、ベースラインの患者背景に大きな差はなかった。
イブルチニブとR-CHOPの併用は、ITT population (ハザード比 [HR], 0.934)とABC population (HR, 0.949)のいずれにおいてもEFSを改善しなかった。事前に計画されていた解析では、治療と年齢の間に有意な相互作用が示された。年齢が60歳未満の患者においては、イブルチニブとR-CHOPの併用によってEFS (HR, 0.579)、PFS (HR, 0.556)、OS (HR, 0.330)のいずれも有意に改善し、重篤な有害事象がわずかに増加した(35.7% vs 28.6%)。しかしR-CHOPを6サイクル以上受けた患者の割合は治療アーム間で類似していた(92.9% vs 93.0%)。60歳以上の患者においては、イブルチニブとR-CHOPの併用によってEFS、PFS、OSが悪化し、重篤な有害事象が増加した(63.4% vs 38.2%)。また、R-CHOPを6サイクル以上受けた患者の割合が低下した(73.7% vs 88.8%)。
結論
今回の研究は、ITT populationとABC populationにおける主要評価項目を満たさなかった。しかし、年齢が60歳未満の患者においては、イブルチニブとR-CHOPの併用でEFS、PFS、OSが改善し、安全性は管理可能だった。60歳以上の患者では、イブルチニブとR-CHOPの併用は毒性の増加と関連しており、R-CHOPの中止や治療成績悪化につながった。さらなる研究が是認される。
Trial registration: ClinicalTrials.gov NCT01855750.