アフリカの南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊部隊が、首都ジュバで七月に大規模な武力衝突が発生した際の状況を記録した日報が、廃棄されていたことが分かった。陸自の文書管理規則が定める三年間の保存期間に満たない。治安が悪化する同国でのPKOは派遣要件を満たしていないと疑問視する声が強いが、日報の廃棄でさらに批判が高まる可能性がある。
(中略)
◆黒塗りより深刻
日報廃棄の問題からあらためて浮かび上がるのは、活動継続への疑念が強い南スーダンでのPKOについて、国民に正確な情報を届けて理解を得ようという意識が、安倍政権に依然として薄いことだ。
ジュバで最初の大規模衝突が起きた、二〇一三年十二月に派遣されていたPKO五次隊の「教訓要報」には、隊員らが防弾チョッキと鉄帽を着用したり、撤退経路を偵察したりという対応が記されている。
これを作成する材料となった日報が存在していれば、国民は当時の状況をより詳しく知ることができた。
まして今回、日報の廃棄が判明した六日間は、陸自の宿営地の隣にあるビルで銃撃戦が起きるなど、一三年に劣らず緊迫していた状況が明らかになっている。日報の廃棄が、検証を難しくした可能性は大きい。
PKO関連文書の保存期間を原則三年間と定めた、文書管理規則が形骸化している事実も見逃せない。今回のように「上官に報告したから」という理由での廃棄がまかり通れば、組織にとって都合の悪い文書はすべて公開せずに済む「抜け道」になりかねない。
南スーダンPKOを巡っては、これまでも現地報道を基にした地図を黒塗りにして公表するなど、情報公開に消極的な政府の姿勢が批判されてきた。黒塗りどころか、将来公開される可能性を摘む「廃棄」は、より深刻な問題だ。 (新開浩)
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016122490070206.html
この記事見て思った、特定秘密法で恣意的に隠された情報もほぼすべて廃棄されてるかもしれないと!政府の犬マスコミどもは頼りにならん!!東京新聞みたいな勇者が必要だ!!