卑しい商売

私は以前父の経営するスーパーで店長をしてました。

３０坪程度の小さな小さなスーパーでしたが毎日２０００人近くの

お客様にご来店頂きとても繁盛しておりました。

店長でしたが青果・鮮魚・精肉・惣菜以外の

加工品を主とするドライ・日配と言われる部門を担当してました。

当店では「フロア」と呼ぶようにしていました。

生鮮部門のチーフから言われた言葉が私の心にずーーーっと残ってます。

『フロアの商売ってのは卑しい商売だよな。』

『人が作ったもんに利益乗っけて売るんだからさ。きったねえよなｗｗ』

２０代前半に言われたので結構傷付いた覚えがあります。

かなり腹が立ったので言い返したと思います。

「自分だってただ切っただけ、パックしただけ、焼いただけ揚げただけだろう。」と。

これはあくまでも私の個人的に感じている事なので同業者の皆様の

気を悪くしないで頂きたいのですが、

私は小売業って言う業種は『卑しい』商売だと思ってます。

生産者の方が一生懸命作った農作物や畜産物を

ただ場所だけ作ってそこでお客様に売っているだけの商売。

何にもしてないんですよ。綺麗に並べたり盛り付けたりするだけの商売。

それに場所代的に利益を乗せて販売する。

まあ、他業種に比べて利益率の低さは明らかですが(笑)

こだわり商店をスタートさせて、

さらに私は自分自身の商売って「卑しいな」って思うようになりました。

作り手の方々がどんな思いで、どんなに大変でっていう事を知ってしまったからです。

私はそれを偉そうに必死に探し出したんですってお客様に話し

あたかも自分が作ったように生産者の思いや苦労をお伝えする。

全部生産者の方の話しの受け売りなのにも関わらず。

ね。卑しいなって思いません？

私ってただ商品を右から左に流しているだけの存在なんですよ。




でもね。本当に卑しいなって思っているからこそ、

大事な大事なお客様から利益を頂くんだから、自分が吟味して

納得したものを販売しようと思えるようになれたんです。

一生懸命作ってくれた生産者の方に恥ずかしくない

信用して当店でお買い物頂いているお客様に満足して頂けるよう

卑しいと思いながらも自信を持ってこだわり商店を営業していきます。

なんだか、今日はふとそんな風に思ったのでまたまた書いてしまいました。

今日も一日ありがとうございました！