1951年生まれですので
60年代というのは
小、中学生から高校生
そして成人式を迎える前迄の
一番多感だった時代でもありまして
一括りで60年代という事になる訳ですが
そりゃ、いろいろなスタイルが次から次に出てきて
まさに音楽も激動の時代って感じでした
しかし当然それ自体脈絡が無い訳では無く
一つ一つ、線で繋がっている訳でありますが
今となりますと、何分昔の事ゆえ
何故かその流れが入り組んでしまっておりまして
年月とのシンクロも曖昧になっております
いや、つまり13歳位から20歳までの間の
出来事の後先、年代順というものが
至極曖昧に頭の中に仕舞い込まれておりまして
咄嗟の事となりますと
エピソードの年代と辻褄が合わないという事も.....
そんな感じでありますので
ここで一度、頭の中で時の流れを整理してみるのも良いかなとも思いまして
と、いう事で
まず、その始まりは中学生の頃ですね
当然50年代からのロックンロールや
日本の歌手による焼き直しポップス
続に言うポピュラーミュージックの流れは自分の中にあったんですけど
そんな自分に衝撃的なビッグバンが訪れたのが
つまり音楽的に物心がついたと申しましょうか
それがビートルズの出現からの
マージービートって一連の奴でしたね、最初は
まず私の60年代はこれで始まって
本当にどのバンドも格好良くて
ラジオに噛り付いて
流れてくる曲やシングル盤を買ってきては
英語の歌詞を覚えて歌っていた記憶があります
それから、ちょっと経ちますとイギリスで
ローリングストーンズやアニマルズを筆頭に
それがそのままスインギングロンドンなんて流れに成っていく訳ですわ
SWINGING LONDON60’s
Manfred Mann - Pretty Flamingo
この時代、つまり、スインギングロンドンなんて言われた時代
自分にとってどういう時代だったと言うと....
つまり、マージービートなんてブームがひと段落して
ロンドンに移っていった頃、
時代でいや1966,67年頃の
ほんの僅かな時期の事
この後モンタレーが67年、ウッドストックが69年だから
まだイギリスの音楽が世界の中心といって良いほどの時代
自分にとってもどんな事があろうと
あの頃の音や存在感全てに於いて
ここが一等好きと言えるそんな時代....
何故かと言えば
その頃、幾つだったかと言うと
16歳とか17歳だよ
まさに...なんというかね
とんでもないよね.....
オンタイム!
青春真っ盛りって訳だ
まあだからね
その頃は、お袋や妹、ばあちゃん、以外にこの世の中には
女の子がいて
それは案外、自分の心になんともいえない感情を
引き起こす事がある というww
つまり興味はどちらかというと音楽そのものより
いかに女の子達に嫌われずに好かれるか
そんな事ばかりを考えて
そういったものに上手く対処する方法を
現実的に教えてもらっていた時期でもあるんだ
まあ、殆どが涙と共に悲しく消えて行った訳だから
忘れてしまえばいいんだけれどね
厄介なことに
この頃の思い出というものは
案外純粋であっただけに
事或る毎にフッと蘇って
中々、今でも忘れられないんだな
従ってこの時代の音を聞くと
「誰が演奏している何という曲」ってより先に
その頃付き合っていた彼女の事や
当時の出来事や街の風景ばかり思い出してしまう訳で
付き合ってた子達が「キンクスが良い」っていわれりゃ
数日はキンクスだったし
「スティヴィーウインウッド」よね、といわれりゃ真剣にアイムアマン
覚えるって具合でした
で、この頃イギリスがビートルズを中心に音楽界の主流でしたが
そのイギリスに対抗すべくアメリカでも
モータウン、STAXのR&Bが同時期に流行っておりましたし
ビートルズに影響を受けたアメリカンバンドも幾つか出て参りましたが
やっぱり主流はまだまだビートルズ、ローリングストーンズを中心とした
イギリスにあったって感じです
この時代は高校生になったばかりの頃でしたかな
その頃になると私もドラムと歌でバンドをやり始めまして
当然学業よりもバンド三昧
未だアマチュアバンドという感じでしたけど
レパートリーといえばキンクスとかアニマルズ、ストーンズっていったところでしたね
で、ブリテッシュ全盛時の60年代後半、
突如としてその流れが大きく変わったのが
65,6年位からのヒッピー ムーブメント
その当時の音楽の中心のロンドンから
いきなりサンフランシスコに移って行くそんな時代がありました
きっかけはジェファーソンエアプレイン、ドアーズといったサイケデリックミュージック
英国でもクリームやジミが登場
その集大成とでも言うべき大掛かりな野外フェスの先駆けが
1967年のモンタレーポップフェスティバル
勿論、情報とか生の演奏がどのようなものであったか
見当も付かず只頭の中で
凄いことが起きてると想像するだけでしたけど
Eric Burdon & The Animals - Monterey
で、この頃日本はどうだったかと申しますと
高度成長期であり学園闘争、反戦、安保問題に揺れる世相のまっただ中
エレキブームを巻き起こした
ヴェンチャーズの2回目の公演が65年の1月
そして蝕発されたGSのブームが67年から69年ですから
丁度モンタレーやその後の69年のウッドストックに被ってまいる訳ですな
今でも語り継がれる60年代最大の音楽フェス
そういった大規模なフェスに影響されて次々にGSは解散
そこを踏まえて「日本のROCK」が誕生していくのであります
しかしモンタレーやウッドストックで花開いた
「愛と平和の祭典」もやがて
現実の前に全てが幻想だったと悟らされる
あのオルタモントの悲劇を経て
70年代の音楽シーンに変貌を遂げて行く訳ですが
勿論60年代に於いても他の流れというものも充分に影響を受けておりました
例えば西海岸を中心としたビーチボーイズのサーフィンミュージック
更にカントリーやラテンといったルーツミュージック系等々
60年代、社会構造も大きく変わって行き
民権運動、反戦反原発、東西冷戦という中
50年代からのロックンロールが大きく形を変えた時代
そんなエッセンスを一杯にリアルタイムで吸収して
70年代に入りまして
私も今に繋ぐ50年間の演奏を始めた訳であります
60年代はこれで終わりました
The Story of Altamont
ざっと60年代をおおまかに順を追った訳ですが
勿論、突如として起こった流れも他に沢山ありまして
それの一つ一つに関わる事も不可能ですので
ここは大体の自分の頭の中での時の整理に留め置きますが
一番衝撃を受けたのもこの時代の音
いや、音というより初期衝動のインパクト
いつでもどんな時でも、それを越える衝撃がないものかと
気がつけば事有る毎に60年代のルーツに立ち戻る自らであります。