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鼓曲萬来

THIS IS MY BAG 12(ボビーエリオット)

先日UPしたYoutube音楽画報の中に
ナビゲーターのドラマー中村華恵とゲストの
椎名林檎発育ステータス、ロリータ18号、ラブホテル等で
演奏している、これまた女性ドラマー吉村由加さんとの間で
次のようなやりとりがあったんですわ

どういう内容かと申しますと
チャックベリーのジョニーBグッドとかめちゃ難しいって話
あのなんだかどう解釈したらいいのか解らない微妙なノリ
というような話でした
それを聞いていてふと、「初心忘れるべからず」という言葉がありますが
ドラムを演奏し始めた頃の事をはからずも思い出しておりました

実に毎日練習に明け暮れていた頃
あの時のなんというか熱みたいなものは
最近とんと無くなってしまいましたな

最初は出来なくても毎日毎日少しずつ積み重ねて
時には一年ほど掛かってようやく覚えて
更に身に着けるまで半年
長い時間を掛けて習得していく
そんな情熱の事なんですわ
叩き始めの頃のそんなフレーズを忘るべからずです

最近はと言いますと、まず最初から出来ればオッケー
出来なきゃ別の方法という安直な考え方になってしまい
「努力してものにする」なんて
それはどこかに置き忘れてしまった様です

今日はその当時の自分にとって忘れられないフレーズというか
ストロークを思い出すということで
みずからのたるんだ精神と怠惰な有り方を反省しつつ
二人の話しに横から割り込みたいと思っております

ボビーエリオットの超絶ワーク

ホリーズのドラマー、ボビーエリオットのドラムが
当時の自分にどれだけ影響を与えたか
LIVEでのPLAYがどれ程素晴らしかったかと
事ある毎に言ってまいりましたが
それはもう50年以上たった今でも
「ロックンロールのドラムかくあるべし」と
自分の記憶と心に刻まれております


そんなボビーのフレーズを最初の頃、
どの曲も真剣にコピーしてたんですね
そんな中で特に印象に残っているのが
スタンダードのルシール
いや、なんか、一つ一つのストロークは
そんなにも難しくはなかったんですけどね

このスピードでスネアとバスドラとシンバルでロックするのは
もうなんていうか身体で覚えるしかなかったです
絶対途中でコンビネーションが崩れて
スネアをキープすればシンバルが追い付かないといった具合
ましてやロックンロールのタイム感を持ち続けるのは
もう何度途中で、出来るか.......こんなの!と
放っぽり出したいという気持ちになった事か
これですわ....

LUCILLE

同様の曲にビートルズのアイフィールファインとかありますが
残念ながら日本公演のリンゴスターはあのレコードで聞けた
あの切れきれのドラムのフレーズとは全然違いまして
少々がっかりしたのを覚えております
オープニングのロックンロールミュージックもしかりでしたけど
もうあの頃のビートルズには
LIVEへの情熱は少し薄れてたんでしょうな、きっと

という事で話を元に戻しますが
ジョニーBグッド
これを演奏していたのはチェスレコードの
スタジオドラマー、フレッドビロウ
以前この方の記事も書きましたのでここに


この曲は演奏者によってどんな解釈も可能だとは思います
8ビート、4ビート、シャッフル
当時のロックンロールは本当にそこら辺が曖昧になっておりまして
解釈によってはどういうノリでも演奏できる訳ですが
ほぼ我が国でのジョニーBグッドは
8ビートで演奏される事が多かったです

二人の様に私も「このノリは難しいな」そう最初に思った訳です
右手は4ビートのスイングする感じ
左手のスネアは若干オフ気味に跳ねる感じ
それを曲調に合わせて融通無碍に演奏していく

で、ホリーズのLIVEでボビーのドラムを見て
最終的に「ああ、そうなんだ」と理解させて貰いましたわ
ギターのリフは早い8に近いノリでリフを作って
リズム隊は軽くスイングするような
そんな構造でしたね

Sweet Little Sixteen (Mono)

この時代のドラマーは最初Jazzに影響を受けて
しっかり4ビートやスイングを身体に沁み込ませてからの
8ビートの台頭というか過度期にドラムを学び始めたんでしょうね
チャーリーワッツにしろ どこかにその面影が残ってるんですわ

そいつはMONOの時代だから許容されてた処もあるんでしょう
多少混沌としていても、固まってサウンドがドンと来る時代
今のサウンドは各パートがかっちり同じビートでクリアに構成されてるから
ノリの違うサウンドは確かにどこか気持ちがしっくりこない
例えて言うなら右手で〇書いて左手で△書くような

ただ、その時気付いたのは
どうも自分は一小節の中の2,4のストロークと
タイム感ばかりに気をとられて
大きなノリを見落としていたという事なんです
つまり言葉で表すとタンタンタン(三連) ッタンタンって奴ですわ

Mickey's Monkey (1997 Remaster)

この手の速い曲を演奏する時も
円を書くように
バックに二拍三連の大きなフレーズが流れていれば
4だろうと8だろうと細かい所に捉われずとも
そいつを文字通りちょとひねって
ROCK&ROLLすればあの感じが出て来る訳です



これはボビーがチャックベリーの
Too Much Monkey Businessをカヴァーしている時の音源
かなりいい加減)ちゅうか 良い(よい)加減です
つまりこのノリに関しては
どこまで行っても決まりはなかったという事ですし
8でもあり4つでもあるという
ドラマーのタイム感と解釈に全ておまかせという
言うなればそのドラマーのキャラとその器優先という
あくまでもドラマー一番偉しという時代のなせる技

そこがマルチな時代のかっちりした音源や演奏と違い
今の時代にはかえって不可思議に映るのかもしれません
LONG LIVE ROCK'N ROLL !

Too Much Monkey Business (Mono) (1997 Remaster)



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