日曜日に小中学校の同窓生で東京周辺に出てきている人の集まりがありました。
(私の田舎は祭りという特殊な事情で小中学校9年間同じメンバーです)
田舎で印刷会社を経営している1年後輩が来賓として参加していたので話をしました。
もともと新聞チラシなどは扱わない方針でやって来たので新聞の発行部数減少の影響は無いそうです。
現在は首都圏からの仕事が半数近くでその比率は更に上がると予想されていました。
5月末で週刊朝日が休刊したことが話題になったように、雑誌、単行本、文庫本、漫画など、印刷物の発行部数は減少傾向にあります。
このような状況では印刷屋さんの経営も苦しくなります。
後輩は最終的に残るのは絵本だけではないかと言っていました。
その絵本も将来的にはタブレットなどで見るようになって、印刷された絵本もなくなってしまうだろうと予想していました。
先週の金曜日に書き物の締め切りがあり、原稿を仕上げたのですが、パソコンの画面で見ているだけでは間違いに気づかないことが多々あります。
特にフォントの違いや文字サイズの違いは印刷して初めて気づくことが良くあります。
後輩は「メールは印刷してから読む」と冗談を言っていましたが、メール作成時に画面で何度も確認したはずなのに送信した後で誤字脱字、誤変換に気づくことが多いです。
似たような話で、印刷物を読んだ時と同じ内容をパソコンの画面に表示されたものを読んだ時では記憶され方が違う、パソコンの画面では頭に入らないように感じると言うのが後輩と一致した意見でした。
教科書や専門書では行間に省略されている表現が存在する場合があり、それを手書きして補足することで後から見た時に理解を早めることが出来ます。
しかし、デジタルデータでは簡単ではありません。
(タブレットにはこの様な機能がある物もありそうです。)
小さな子供たちが見る/読む絵本には色々なものがあります。
大きさや形もまちまちで、絵本作家の考えが反映されています。
中には動きや変化ができるようにしてあるもの、広げると立体的になるものもあります。
これらをデジタルデータにしてタブレットなどで見せたらどうでしょうか。
タブレットの場合は絵本にはできない連続的な動きを加えることが出来る点は利点だと思いますが、あくまでも二次元の平面の中の話です。
立体的に表現することはできず、触ってみることは出来ません。
画一的な画面の中に表示されているだけでは変化がありません。
印刷された絵本であれば昼間と夕日を浴びている時では色が違って見えます。
同じ物でも状況によって見え方が違うことを感じられます。
また、似たような複数の絵本を並べて眺めることが出来ますがタブレットではそうはいきません。
ページをめくるという作業も大事なことだと思います。
小さな子供たちは見て触って物事を覚え、創造力を身に着けていくので絵本だけはデジタル化すべきではないと思っています。
そのためには大人も出版社がつぶれないように出版物を購入しなければなりませんね。
でも、ネットで情報が簡単に手に入ってしまうので、なかなか難しい問題です。
我が家は数年前に新聞の購読をやめて趣味の雑誌も買わなくなってしまいました。
孫たちに絵本を買ってやるぐらいしか出版社や印刷屋さんに貢献できそうにないのが心苦しいです。