購入のきっかけ
仕事の関係で有効径80mmの短焦点アクロマートレンズが必要になりました。
20年ほど前はミザールの11倍80mm双眼鏡のレンズがちょうど良く、29,800円で販売されていましたので何台か購入し対物レンズだけを流用していました。
実際の対物レンズは外径83mm、有効径80mmで焦点距離は320~330mm程度でした。
ミザールだけでなくセレストロンやノーブランドでも11倍80mmや20倍80mmの双眼鏡が販売されていて、対物レンズの焦点距離は同じだったのでこれらを流用していました。
製造元は同じでOEM供給されていたと思われます。
ところが、10年くらい前に有効径80mmの双眼鏡は姿を消してしまいました。
仕方がないので光学レンズを扱っている商社から別のレンズを仕入れて使うようになりました。
口径83mm焦点距離400mmのアクロマートレンズが1個35,000円と対物レンズが2個ついている当時の双眼鏡より高い価格です。
久しぶりに同様のレンズを必要とする話があり、改めて調べてみたところ、Celestron SkyMaster 20x80 の並行輸入品が26,000円程度で買えることがわかりました。
アマゾンでの評価は数多く、内容は色々です。
光軸ずれしているものがあるようですが、ずれていなければそんなに性能は悪くなさそうです。
対物レンズだけ使うので光軸ずれは問題なく、こちらも候補になりました。
さらに調べていくうちにSkyWatcher STARQUEST 80 鏡筒という物を見つけました。
こちらは天体望遠鏡の鏡筒です。
有口径80mm、焦点距離400mmで等倍レッドドット式ファインダー、10mmと25mmのアイピース(形式不明)、90°天頂ミラーまでついて送料無料で¥14,520と格安です。
しかもビクセン互換のアリ形プレートまでついています。
対物レンズの性能が心配だったので検索していたらニコニコ動画でこの様な動画を見つけました。
【天体望遠鏡 電視観望でGO!】#8 アクロマートレンズ vs EDレンズ
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この動画を作成された方は他の動画でも色々なテストをされているので参考になりました。
さすがにED対物と比較するのはかわいそうですが、月の画像で説明されているように色収差は大きくなさそうです。
球状星団の画像から解像度に関してもすごく悪いわけではないようなので球面収差もそこそこ補正されていると考えられます。
(球面収差が性能に大きく影響する用途で使用します)
STARQUEST 80 鏡筒を選んだ理由
双眼鏡の場合、正立像(人が普通に見ているのと同じ見え方)にする必要があります。
対物レンズと接眼レンズの間にポロプリズムやダハプリズムを入れて光が反射するときに左右逆になることを2回利用して正立像にするように設計されています。
この正立像にするためのプリズムを考慮したレンズ設計がなされているため、双眼鏡の対物レンズだけを利用するとどうしても収差が増えてしまいます。
特にレンズ外周に向かって球面収差が増加するのは避けられません。
プリズムと同じ材質、同じ長さのガラスを入れてやれば本来の設計通りになるのですが、このガラスを作るにはコストがかかります。
20年前にテストしたときにはこの球面収差の増加がみられましたがコスト優先でこれには目をつぶってガラスを入れずに使っていました。
天体望遠鏡の場合は倒立像が当たり前でプリズムは入っていません。
ですので流用しても対物レンズ本来の性能が得られます。
そこで SkyWatcher STARQUEST 80 鏡筒を購入して試してみることにしました。
購入にあたっての根回し
勤務先の同僚は私が星好きなのを知っているので、趣味で余計なものを買おうとしていると思われないように「今まで買っていたレンズの半額以下で入手できるから試す」と説明に回っておきました。
もちろん、対物レンズ以外は使わずに廃棄することになるので払い下げしてもらう予定です。
(きちんと手順を踏めば横領にはなりません)
入荷したらテストして結果をお伝えしたいと思います。