勤務先で起動しなくなり廃棄処分にすることになったDell Vostro 2520を払い下げてもらってきました。
しばらくいじっていると時々起動するものの、何もしていないのにまた起動しなくなるという状況です。
色々試した結果としてはバッテリを外してしばらく放置してからACアダプタのみで動かすと起動することがある。
あるいはバッテリを接続した状態でACアダプタを接続しておいてしばらくすると起動することがある、というような感じでした。
昔、古いMacintoshでバックアップ電池が空になると起動しないという経験があったのでC-MOSバックアップ用の電池を交換してみることにしました。
分解方法をネットで検索してキーボードとパームレスト部分を取り外すとC-MOS電池が見えました。
取り外してテスターで電圧を測ってみると3.0Vでした。
新品は3.3Vでしたので電圧低下しています。
長期保管していた電池があったので測ってみたところ3.3Vありましたのでとりあえずこれに交換して起動してみると起動しました。
しかしHDDを認識しませんでした。
これはBIOSの設定がクリアされてしまったことが原因です。
BIOSに入って調べたところBoot Optionの設定が変わっていたようです。
Boot List Optionを Lagasy から UEFI に変えると
無事、Windowsが起動しました。
これで治ったかと思ったらシャットダウンしてから再度起動すると元の状態に戻ってしまいました。
何度か試してBIOSの設定を変えていると今度は起動するもののBeep音が4回鳴った状態でWindowsが起動し、完全に立ち上がるとBeep音がしなくなり、シャットダウンすると画面がブラックアウトした後にBeep音4回を繰り返してから電源が切れるという不思議な状態になりました。
別のPCでDell Vostro 2520のBeep音4回について情報を調べました。
Beep音4回はメモリ異常ということでしたがWindowsがエラーも出さずに起動するのは変です。
一応、メモリを刺し直してみましたが改善しませんでした。
ここでシャットダウンしたら起動しなくなってしまいました。
BIOSはメモリ異常と言っているのにWindowsが起動するのは矛盾しています。
そこでBIOSの更新がないか調べてみました。
最新のバージョンはA11になっていました。
現在のBIOSのバージョンはA03です。ずいぶん更新されています。
最新のBIOS更新プログラムをダウンロードしてUSBにコピーしておいて、あの手この手で何とか起動したので説明通りにWindowsのコマンドプロンプトからBIOSを更新してみたところBeep音はな鳴らなくなりました。
それでも起動するたびにBoot List OptionがLagasyに戻ってしまいます。
何か変です。
そこで、テスターを使いC-MOSバックアップ電池の電圧を電池ホルダの外側で測ってみると0Vになっていました。
C-MOSの設定がクリアされるという時点で気づくべきでした。
3.3Vあったはずなのに0Vということは電池ホルダ周りで何かがあります。
電池を外してみると周囲にべたつきがありました。
電池を長期保管している間に何かが付着してしまったようです。
また、電池ホルダの電極の酸化等による接触不良の可能性も考えられます。
電池をアルコールできれいに拭き、電池ホルダーの電極もきれいに拭いた上、ピンセットで表面をこすってから再度取り付けたところ電池ホルダーの外側で3.3Vを確認できました。
その後、特に異状なく起動できるようになりました。
Webカメラ内蔵機種でしたのでこちらで紹介したノートPCと入れ替えてSkype用にしました。
最終的に何が悪かったのかは切り分けできていませんが、以下のように推測しています。
1、C-MOSバックアップ電池の電圧低下および接触不良で不安定になっていた。
2、古いBIOSに何かしらの問題があり、電圧低下の影響を受けて起動できないことがあった。
3、ビープ音4回鳴って起動していたのは古いBIOSでC-MOS電池なし(0V)の状態で発生していたと考えられる。
デスクトップPCの場合、C-MOSバックアップ電池の電圧が低下するとC-MOSの設定が初期状態に戻るだけの場合が多いですがノートPCの場合は違うのかもしれません。
BIOSは新しければ良いというわけではないので安定に使えているのであれば無理をして更新する必要はないと思います。
以前、DELLのPrecision490というXeonデュアルCPU搭載のワークステーションのジャンクをリサイクルショップで安く購入して遊んでいたときにBIOSを更新したら起動しなくなったことがあります。
ネットで調べたら性能アップのために交換したCPUの場合、更新したBIOSではデュアルCPUでは起動しないという情報があり、古いBIOSに戻して使っていました。
(2コア2スレッド×2=4スレッドをCPU交換で4コア4スレッド×2=8スレッドにしていたので元に戻れない)
この時は古いBIOSに戻すことができたので事なきを得ましたが、機種によっては戻すことができない場合があるのでBIOSの更新はよく考えてから行った方が安全です。(いろいろな方法で書き換えられないわけではないですが普通の人には無理だと思います)
何かの参考になれば幸いです。