2021.6.20追記
小さなPCケースの場合、グラフィックボードはファン付のモデルが良さそうです。また、GeForce GT710搭載のグラフィックボードは値段が上がっていました。
追記終わり
私がメインで使っているのはコードネームSandy Bridgeと呼ばれている第二世代Core i シリーズ、i7-2600を搭載していたAcerのVeriton X4610です。
4年ほど前にヤフオクでカバーを開けたことによりBIOSがエラーを出しているHDDなしの中古を16,000円ほどで手に入れ使ってきました。
当時、i7-2600の中古品が13,000~15,000円で売買されていたのでお得感がありました。
順調に使っていたのですが1年ほど前から数週間~1か月置きくらいに起動したまま操作していないとフリーズするようになりました。
最初は30分操作しないとディスプレイがOFFになるように設定していました。
画面がOFFになった状態から復帰しないことが何度かありました。
Intel HD Graphics 2000はWindows10サポート外
ネットの情報では第二世代Core i シリーズ(Sandy Bridge)はもともとWindows10のサポート外になっていました。
Windows10が出たときにIntelはCPUに内臓している HD Graphics 2000のドライバーを供給しておらず、Windows7用や8用のドライバーで動かさざるを得ない状況だったそうです。
その後、Windows10用のドライバーが供給されましたが、ディスプレイOFFから復帰しないという症状が出ていて設定を変える対処法があちこちで紹介されていました。
いろいろ試してみたのですが改善されませんでした。
電源の容量不足を疑い省電力版CPUを試すも効果なし
Veriton X4610の電源が貧弱なことも関係しているのではないかと思い、i7-2600Sという省電力版のCPUを入手して試してみました。
i7-2600のTDPは95W、i7-2600Sは65Wで、約2/3の消費電力です。
ディスプレイOFFにならない設定にしていたのですが相変わらずたまにフリーズすることがありました。
そうこうしているうちに操作中にフリーズが発生しました。
グラフィックボードを使えば解決するか試してみた⇒効果あり
Intel HD Graphics 2000がもともとサポート外ということはIntelが真剣にドライバーの不具合に対応するとは思えません。
(何しろ新しいCPUを買ってほしい訳ですからWindows10のドライバーを出しただけでもサービスしたと思っているのではないでしょうか。)
先日の第六世代Core i シリーズとメモリの相性問題のようなこともあり、CPUやマザーボードの経年変化でメモリアクセスのタイミング変化が起きているかもしれません。
CPU内臓のグラフィクス機能はメインメモリの一部をグラフィック用のメモリとして使っているので可能性がありそうです。
そこでグラフィックボードを搭載してみることにしました。
Veriton X4610は省スペース筐体なのでロープロファイルのグラフィックボードを使用することになります。
たまたま手持ちの中にロープロファイルのGeForce GT430搭載のボードがありましたのでこれを装着してみました。
30分でディスプレイがOFFになる設定にして、なるべく電源を切らないようにして1か月ほど運用してみたところ一度もフリーズは発生ませんでした。
うまくいっているようです。
CPU内臓のグラフィクスを使わないのなら内蔵していないCPUにしてしまう
フリーズが発生しなくなったのでこのまま運用してもよいのですが、CPU内臓のグラフィクスを使わないのであれば最初から無いCPUにしてしまおうと考えました。
Core i シリーズでは、最新の第十世代とひとつ前の第九世代の型番の最後にFがついているものがグラフィック機能が無いCPUになりますが、第一世代~第八世代までのCore i シリーズにはありません。
そこで登場するのがサーバー向けCPUのXEONです。
LGA1155ソケットで第二世代のCore i シリーズに相当するのはE3-12xxというCPUになります。
第三世代はE3-12xx v2、第四世代はE3-12xx v3、というように後ろについている符号で世代が判別できます。
E3-12xxの中には4コア4スレッドのCore i5相当のものと4コア8スレッドのCore i7相当のものがあります。
また、型番の最後の桁が0のものがグラフィクス機能なし、5のものがグラフィクス機能ありでCore i シリーズとほぼ同じでECCメモリに対応しているかいないかが違っている程度です。
以前、ヤフオクで4,000円で手に入れていたE3-1230というグラフィクス機能なしのCPUがあったのでこれを試してみたところ問題なく動作しました。
i7-2600と比較すると通常時のクロックが3.4 GHzに対し3.2 GHz、ターボブースト時は3.8 GHzに対し3.6 GHzと少し性能は劣りますが、TDP値は95Wに対し80Wと省電力です。
i7-2600Sの方が省電力ですが通常時のクロックが2.8 GHz(ターボブースト時は3.8 GHz)なのと余計な機能が無い方がシンプルになるのでE3-1230で運用することにしました。
電源が心配なのでグラフィックボードをGT710に変更(試されるならこちらがおすすめ)
CPUを交換した分で15 W消費電力が下がった計算ですが、GT430のTDPは49 Wとかなり大きいので電源容量が心配です。
そこで低消費電力のグラフィックボードを探したところGeForce GT710が19 Wと非常に低消費電力であることがわかりました。
これなら計算上は+4 Wの増加で済みます。
得意のヤフオクで探そうかと思ったのですが、現在でも新品が入手可能で、最も安い玄人志向の製品であれば消費税、送料込みで3,000円でおつりが来ます。
(ロープロファイル用のブラケットはついていないので別途入手が必要です)
さらにGeForce GT710は動画編集で威力を発揮するハードウエアエンコード機能のNVENCOが使えるそうです。
最新のローエンドのGT1030はNVENCOが使えないということが話題になっている中、こんなに安いボードで使えるとなると試さない手はありません。
最も安く売っているアマゾンで注文しました。
ロープロファイル用のブラケットを別途入手し、装着して無事動作しています。
ファンレスなので静音性も保たれます。
このまま運用してフリーズが発生したらまた記事にしたいと思います。
追加の記事が無ければフリーズはないと思ってください。
Sandyおじさん(Sandy Bridgeおじさん)は続く
第二世代のCore i シリーズを使い続けている人をSandyおじさん(Sandy Bridgeおじさん)と呼んで馬鹿にしている人たちがいるようです。
第二世代のCore i シリーズは2011年1月に登場しているので10年前の製品です。
進歩の早いデジタル機器の世界では珍しいことです。
ネットで検索してみると「性能差がこんなにあるんだからもういい加減にあきらめて最新のCPUに変えた方が幸せになれる」という話ばかりです。
実際にはどうなのでしょうか?
ちょうど良い比較はないものかと調べていたらImpressが運営しているサイトPC Watchの昨年の記事にこんなものがありました。
関連のページでいろいろなベンチマークの結果が出ていて参考になります。
ゲーム関係のベンチマークが多いので一般的な事務系の用途とは違うところに注意が必要です。
タイトルの「Sandy Bridgeでまだ戦えると思っているあなたに」から内容が見え見えですが、そもそも一体何と戦うのでしょうかね。
全体の論調として「最新のCPUを使ったPCはこんなに早いから早く乗り換えなさいよ」という感じなのですが、私の目からすると10年もたっているのにこんなに差がないのかという風に見えます。
i7-2600Kは4コア8スレッド、最新のi9-10900Kは10コア20スレッドで2.5倍の能力があります。
(スレッド数が多いからと言ってそのまま性能が上がるわけではないのですがここでは単純に考えましょう)
さらに、通常時のクロックは3.4 GHzに対して3.7 GHzと1.1倍、ターボブーストが効くと3.8GHzに対して5.3GHzと1.4倍速いです。
高負荷時にはスレッド数とクロックで3.5倍速い計算です。
これにメモリの規格の違いやPCI-Expressの規格の違いなどを考慮すると4倍以上の差になりそうです。
ベンチマークの結果では3Dゲームなどの中には1桁近く差があるものもありますが全体的には3倍程度の性能差のように見えます。
これは先の計算ほどの差がないことを表していると思います。
こうなると同じクロックで比較した際の1コア(2スレッド)当たりの基本性能はそんなに変わっていないんじゃないの?という気がします。
同じ4コア8スレッドのCore i3-10100との比較では1.5倍程度の差になっていますがCore i3-10100のクロックが約1.1倍高いのと上述のメモリの規格やPCI-Expressの規格の違いの影響がありそうです。
第六世代のi3-6100よりは早くi5-6600とは同じか少し悪い程度です。
性能不足を感じていないのならあえて乗り換える必要はないと私は考えます。
先日、メモリの相性問題を検証した第六世代のi5-6600も持ってはいますが、Veriton X4610に搭載したE3-1230と大差なさそうです。
引っ越しするのも面倒なのでしばらくは今まで通りVeriton X4610をメインに使うのでSundayおじさん(Sunday Brigeおじさん)から抜けられそうにありません。