Facebook報道されない事実より
テレビ報道によれば、「ロシア軍はあと3日で食糧が切れる」はずだったが、1週間経っても、ロシア軍は従来通り作戦展開を続けている。
1ヶ月ぶりに再開したロシアの株式市場は、売りに対する規制を過剰に掛けているものの、底打ちして上昇に転じており、現在のところは、巷で支持され固く信じられている「ロシア敗北→経済崩壊→株価暴落」というシナリオは生じていない。
日本の情報弱者も、そろそろ「正義は勝つ=ロシアは悪=ロシアは負けるはず」という勧善懲悪論から覚醒したほうが良い時期に来ている。
経済制裁に参加している建前になっているフランスは、トヨタが抜けたロシア市場を独占したいと思っている仏企業のルノーなどを後押しすべく、マクロンがプーチンと毎日協議して、抜け道を探っている。
また、エネルギーの大半をロシアに依存しているドイツは、4月1日から天然ガスのルーブル支払を求めていたプーチンと交渉して、ユーロ建ての支払いを認めさせたから、裏では何か握っているはず。
外交というのはそういうもので、右手で殴っても、左手は握手しているものだ。
戦争の長期化・泥沼化やプーチン政権の打倒を考えている米国とは、立場と戦略が違う。
米国防衛省は「誰もがプーチンを怖がって、プーチンには正しい情報が伝わっていない」と流布するが、今一番恐ろしいシナリオは、ロシアが負けそうになって、核兵器や生物化学兵器を投入すること。
したがって、「負けそうになっても、プーチンに伝わらない」ことは、戦略的にも、個々の戦場の戦術的にもプラスだから、そのままの状態を維持することが、ウクライナや欧米にとっても有利。
それなのに、その重要な機密を暴露するというのは、自ら戦略的にも戦術的にもバカなことをしていることになる。
したがって、米国防衛省が垂れ流している「プーチンに正しい情報が伝わっていない」という分析(?)というか「お話」は、下記の2つの可能性のうちひとつということになる。
①じつは嘘だが、「ロシアは悪=プーチンは狂っている=ロシア軍はおかしい」という一連のパターン報道をメディアに提供し、そういう情報を求めている大衆に満足感を与える。
大衆をどんどん熱狂させ、「ロシアは悪」というレッテル貼りを強化して、経済制裁に参加していない数多くの国々に、米国の言うとおりに、参加するように促す。
そういう外交交渉を通じて、ロシアや中国・インド、サウジアラビアやUAEなどがドル本位制から離脱しようとする動きを牽制する。
②じつは本当で、そのままだと、プーチンが知らないところで、ロシア軍がにっちもさっちもいかないところまで負けてしまい、ウクライナ軍がロシア軍を押し戻して終わりということになると、戦争の長期化や泥沼化を狙っている米国としては非常に都合が悪い。
そこで、プーチンに正気に戻ってもらい、ロシア軍が負けているという現状を認識してもらって、核兵器なり、生物化学兵器を使用させ、戦争を長期化・泥沼化し、まだまだ兵器の販売で大儲けしながら、ロシア経済を疲弊させたい。
いずれにせよ、日本のテレビが垂れ流している報道情報はまったく当てにならない。
この動画の方が、よっぽど真面目にウクライナの現状を分析しようとしている。
【松田学】繰り返されつつある敗戦、分析無きウクライナ傾斜には国益もまた無し![R4/3/29]