すると11月19日には、ロシアのブリャンスクにATACMSが撃ち込まれ、21日にはイギリス製のストームシャドウがクルスクに撃ち込まれた。どちらも迎撃されて、大した被害はなかったということだった。
この長距離ミサイルは、すでにドンバスで使われていた。
こうしたミサイルは、米軍の軍事衛星からの情報がなければ誘導できないし、ウクライナ軍にはそうした技術を使いこなす人材はいない。
だから、ATACMSを使うということは、すでにアメリカが対ロシアの戦争に加わっているということになる。
単なる武器支援ではなく、参戦しているのだ。
それについては、ロシア政府はすでにこれまでも警告してきた。
そして、ウクライナ軍がATACMSでロシア領を攻撃したら、アメリカが参戦したとみなすから、ロシアにはアメリカの領土を攻撃する権限が生じると言ってきた。
それでバイデン政権は、ロシア領への長距離ミサイルの使用許可をこれまで出してこなかったのだけれど、あと二ヶ月で退陣するというときになって、いきなり許可を出したのだ。
これはまったくあからさまだ。
トランプはロシアとウクライナの和平交渉を仲介すると言っているのに、わざわざ世界大戦に拡大するようなことをしているのだから。
ロシアの出方によっては、核戦争に発展する危険もある。
このときになってそんなことをするのは、どうしてもトランプに停戦させたくないのだろう。
ウクライナの戦争は、軍産ロビーに巨額の利益を得させているし、その腐敗のお金に依存状態になっている政治家たちもたくさんいる。
トランプが停戦させて、ロシアと友好関係を結び、さらにはアメリカ・ファーストの政策で、軍隊を世界中から引き揚げさせていくとなると、もう戦争は起こらなくなってしまうことになる。
それを何とか回避しようとしているように見える。
ロシアは、アメリカが長距離ミサイルの使用を許可したことに対して、核兵器抑止の条件を改定した。ロシアは、国家が存亡の危機にさらされる状況にならないかぎり、核兵器を使わないとしているのだけれど、アメリカが参戦してロシア領土を長距離ミサイルで攻撃するとなると、ロシアは国家存亡の危機にさらされることになる可能性がある、ということだ。
ところが、それに対してアメリカは、ウクライナ軍にATACMSでブリャンスクを攻撃させることで応えたのだ。
それに続いて、イギリスもストームシャドウをクルスクに発射させた。これでは、ロシアに核兵器を使ってくれと言わんばかりだ。
ロシア軍は、ATACMSもストームシャドウもすでに迎撃する技術も軍備もあるから、これで戦況が変化するわけではないということだった。
ウクライナや西側諸国は、こうしたミサイルを供給することで、戦況が劇的に変わるかのように言っていたけれど、それも宣伝文句のようなものでしかなかったらしい。
実際、ロシア軍はすでにこうしたミサイルのほとんどを迎撃してきたのだ。
しかし、この挑発に対して、ロシアがどう応えるのかと、世界中が見守っていたところだった。
そこに今日、プーチン大統領が、7分ほどの声明を出した。この声明は、すぐさま世界中で翻訳され、報道された。
その中でプーチンは、ロシア軍の新しい弾道ミサイル「オレシュニック」をドニプロの軍産コンプレックスに撃ち込んだ、と発表した。
ドニプロと言ったら、ドニエプル川の西側の街で、ここにはソ連時代からの大きな工場があり、今ではミサイルの製造を行っているということだった。
このオレシュニックというミサイルは、これまでにない新しい技術を使ったもので、何と音速の10倍の速度で飛ぶ、超高速のミサイルだった。
だから、どんな迎撃システムもまったく役に立たないというのだ。
ドニプロのミサイル製造コンプレックスへのミサイル攻撃で、ロシア軍はオレシュニックのテスト発射を行った。
これにより、オレシュニックが期待通りの効果を発揮することがはっきりしたのだ。
それでプーチンは、ウクライナ軍に長距離ミサイルの使用を許可するのであれば、その国の軍事施設をオレシュニックで破壊する、と言っている。
その際には、市民に被害がないように、事前に避難するように呼びかける、とも言っている。
オレシュニックは、どこの国も迎撃できないミサイルなので、予告しても問題はないのだからと。
これまでも、ウクライナ軍がザポリージャ原発を攻撃してきたり、ロシア領のクルスクに侵攻してきたりして、核戦争に発展する危険は何度もあった。
そのときに、大統領報道官のペスコフが、「ロシアには核兵器がたくさんあるし、まだ誰も知らない新しい兵器もあるのだから」と言っていたことがある。
「まだ誰も知らない新しい兵器」といったら、核兵器よりも破壊力の大きいようなものでもあるのかと思ったけれど、どうやらそうではなかったらしい。
このオレシュニックのことを言っていたのだ。
核兵器ではないけれど、絶対に迎撃できないミサイルだ。
ロシアを挑発してくる国は、これを使って軍事施設を破壊するから、というのだ。
プーチン政権は、ロシアがウクライナの戦争に勝ったら、西側諸国が核戦争へと煽ってくるだろうということも、すでに計算していたのかもしれない。
ロシアは核戦争に発展することを何とか阻止しようとして、核兵器の使用を踏み留まるだろうから、西側は次々ロシア領土の深部へと攻撃を展開していき、ロシアを弱らせようという計画なのだ。
それに対して、ロシアは核兵器ではない超高速ミサイルを開発して備えていたのだ。
これがあれば、ミサイルが配備された時点で、破壊してしまうこともできる。
ロシアに向けて核ミサイルを飛ばそうとすれば、核兵器はその国で爆発してしまうことになる。
これは、イランのドローン攻撃並みの快挙かもしれない。
イランはあの攻撃で、イスラエル軍の迎撃システムを使い果たさせて、イランがイスラエルの軍事拠点を精確に破壊できることを示した。
被害を最小限にして、戦争抑止に最大の効果がある、見事な戦略だった。
イランもロシアも、市民への被害を最小限に、軍事拠点だけを破壊する方向で武器を開発してきたのだ。
戦争を止めるための武器というものがあるということを、ロシアは示して見せている。
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