今朝、オーバーオールを着た人を見た。
20年ほど前の話。
私もオーバーオールを着ていた。
知らないおっちゃんにオーバーオールをひっぱられて、こんなことを言われた。
「大きいズボンやな。おっちゃんも入れるんちゃうか?」
バカ言ってんじゃないよ。
おまえと、おれは、あかの他人。
ブカブカのオーバーオールは少しひっぱるとパンツが見えてしまう。
いくら小学校の低学年といえど、おっちゃんにパンツを見られるのは恥ずかしい。
なにも言えず、ただ顔を真っ赤にして逃げた。
また別の日。
私はまたオーバーオールを着ていた。
そこはどこかのショッピンググモール。
おそらく須磨パティオだと思う。
私含め、家族はペットショップの愛くるしい動物たちにみとれていた。
そんな中、私は自分の尿意に気付いた。
けっこうしたい。
「おかあさん、おしっこ」
私は小さい頃から方向オンチ。
トイレの場所もわからないし、元いた場所にも帰れない。
母にトイレまでついてきてもらわないといけなかった。
母はO型。
トイレまでまっすぐ行かない。
なにせ、そこはショッピングモール。
母の気を引く商品があちこちにある。
目移りする母。
ちびりそうな私。
「おかあさん、おしっこ、早く」
「ハイハイ」と、後ろ髪をひかれながらバッグ屋さんを後にする。
目指すはトイレ。
着いた。
まちがいない、ここはトイレ。
そう、私はここに来たかった。
個室に入ってホッと一息。
さ、おしっこおしっこ。
私は個室に入れば勝ったも同然だと思っていた。
この日、私が着ているのはオーバーオール。
脱ぐのがめんどくさい、オーバーオール。
手間取った。
尿意と焦りからいつもより手間取った。
もう、ダメかもしれない…!
あ。
ダメだった。
間に合わなかった。
出ちゃった。
「ちびってもた…」
ほな帰ろか。
恥ずかしいこと極まりないオーバーオールを着たまま、他の家族の元へ。
帰りの車内。
「ちょっと、座らんとってよ、濡れるやん」
母は冷たい。
オーバーオールも冷たい。
早く家に帰りたかった。
もう、空気椅子は疲れた。
座りたい。
もう、二度とちびるまいと、心に誓った。
20年ほど前の話。
私もオーバーオールを着ていた。
知らないおっちゃんにオーバーオールをひっぱられて、こんなことを言われた。
「大きいズボンやな。おっちゃんも入れるんちゃうか?」
バカ言ってんじゃないよ。
おまえと、おれは、あかの他人。
ブカブカのオーバーオールは少しひっぱるとパンツが見えてしまう。
いくら小学校の低学年といえど、おっちゃんにパンツを見られるのは恥ずかしい。
なにも言えず、ただ顔を真っ赤にして逃げた。
また別の日。
私はまたオーバーオールを着ていた。
そこはどこかのショッピンググモール。
おそらく須磨パティオだと思う。
私含め、家族はペットショップの愛くるしい動物たちにみとれていた。
そんな中、私は自分の尿意に気付いた。
けっこうしたい。
「おかあさん、おしっこ」
私は小さい頃から方向オンチ。
トイレの場所もわからないし、元いた場所にも帰れない。
母にトイレまでついてきてもらわないといけなかった。
母はO型。
トイレまでまっすぐ行かない。
なにせ、そこはショッピングモール。
母の気を引く商品があちこちにある。
目移りする母。
ちびりそうな私。
「おかあさん、おしっこ、早く」
「ハイハイ」と、後ろ髪をひかれながらバッグ屋さんを後にする。
目指すはトイレ。
着いた。
まちがいない、ここはトイレ。
そう、私はここに来たかった。
個室に入ってホッと一息。
さ、おしっこおしっこ。
私は個室に入れば勝ったも同然だと思っていた。
この日、私が着ているのはオーバーオール。
脱ぐのがめんどくさい、オーバーオール。
手間取った。
尿意と焦りからいつもより手間取った。
もう、ダメかもしれない…!
あ。
ダメだった。
間に合わなかった。
出ちゃった。
「ちびってもた…」
ほな帰ろか。
恥ずかしいこと極まりないオーバーオールを着たまま、他の家族の元へ。
帰りの車内。
「ちょっと、座らんとってよ、濡れるやん」
母は冷たい。
オーバーオールも冷たい。
早く家に帰りたかった。
もう、空気椅子は疲れた。
座りたい。
もう、二度とちびるまいと、心に誓った。