coya

すっかり育児ブログ
猫と犬もおるよ

オーバーオール

2007-11-10 15:09:35 | 昔話
今朝、オーバーオールを着た人を見た。


20年ほど前の話。

私もオーバーオールを着ていた。


知らないおっちゃんにオーバーオールをひっぱられて、こんなことを言われた。

「大きいズボンやな。おっちゃんも入れるんちゃうか?」

バカ言ってんじゃないよ。

おまえと、おれは、あかの他人。


ブカブカのオーバーオールは少しひっぱるとパンツが見えてしまう。

いくら小学校の低学年といえど、おっちゃんにパンツを見られるのは恥ずかしい。


なにも言えず、ただ顔を真っ赤にして逃げた。


また別の日。

私はまたオーバーオールを着ていた。


そこはどこかのショッピンググモール。

おそらく須磨パティオだと思う。


私含め、家族はペットショップの愛くるしい動物たちにみとれていた。

そんな中、私は自分の尿意に気付いた。

けっこうしたい。


「おかあさん、おしっこ」


私は小さい頃から方向オンチ。

トイレの場所もわからないし、元いた場所にも帰れない。

母にトイレまでついてきてもらわないといけなかった。


母はO型。


トイレまでまっすぐ行かない。

なにせ、そこはショッピングモール。

母の気を引く商品があちこちにある。


目移りする母。

ちびりそうな私。


「おかあさん、おしっこ、早く」


「ハイハイ」と、後ろ髪をひかれながらバッグ屋さんを後にする。

目指すはトイレ。


着いた。

まちがいない、ここはトイレ。

そう、私はここに来たかった。


個室に入ってホッと一息。

さ、おしっこおしっこ。


私は個室に入れば勝ったも同然だと思っていた。

この日、私が着ているのはオーバーオール。

脱ぐのがめんどくさい、オーバーオール。


手間取った。

尿意と焦りからいつもより手間取った。

もう、ダメかもしれない…!




あ。




ダメだった。

間に合わなかった。

出ちゃった。


「ちびってもた…」


ほな帰ろか。

恥ずかしいこと極まりないオーバーオールを着たまま、他の家族の元へ。


帰りの車内。

「ちょっと、座らんとってよ、濡れるやん」


母は冷たい。

オーバーオールも冷たい。


早く家に帰りたかった。

もう、空気椅子は疲れた。

座りたい。


もう、二度とちびるまいと、心に誓った。