クレモナ カルテット

イタリア豪華客船の船長 ~つづき~

このニュースを聞いたときに「やっぱり!イタリア豪華客船の船長ならやりかねない。」と思ったのです。そんな乗客サービスに忙しい船長に船の指揮権を与えている事自体、限界があります。
 さらに管制塔から指示を受けるパイロットと違い船長は自分の指示で進路を変えたりできる裁量が認められているそうです。
事故が起こったのもこの「船長の裁量」が行われたからだとのことです。

ジリオ島の航路は規定で定められた航路ではなく、慣行でほとんどの船が沿岸近くまで行くといういわゆる乗客向けのスペクタクルをしていたそうです。
島民の中には、「今日の船は近すぎるんじゃないかな。」と思ったというコメントもありました。
事故が起こってすぐ指揮権をふるっていたら死者は出なかったのではという意見もあり、船長が非常事態を宣言するまで1時間もの時間が無駄に過ぎたそうです。その間、夕食のメニューを頼んでいたとシェフの証言がありました。
 それにしても船長が見つかったときは制服を着替え、用意周到に見つからないよう普段着でパソコンと携帯を持っているところを逮捕されたそうです。(海に落ちたわけではない。)
イタリア人は皆口々に「情けない、イタリアの恥だ。」と言っていますが、彼の地元ナポリでは船長擁護の意見が多数だそうです。「船長は多くの人の命を救った。」と。。。

余談ですが、イタリアの中でもナポリはちょっと特異です。マフィアにはじまり、ゴミ問題は今だに解決されず町中にゴミが溢れている状態は続いています。とても危険な町だと普通のイタリア人はナポリには近づきたがりません。
ナポリ出身の友達も「あの町は住むところではない」と言っていました。そんなこんなでイタリアでも特異のナポリなのですが、船長がナポリ出身だと聞いたイタリア人は一斉に「やっぱり!典型的なナポリ人だ」と思ったそうです。なぜ典型的なナポリ人かは私も勉強不足で説明できませんが、また耳をすませてイタリアの奥深い事情を聴取をしておきます。

チャンスがあればまた行きたい!!と思っていた豪華客船での旅、当分はお預けです。(時間的にも経済的にも無理だけど)

コメント一覧

yoko
ひろじさま
例の船長の件でイタリア人の印象がすっかりマイナスになってしまいましたね。
イタリア人の職人魂はこの国を支える底力になっています。また折々に書いていきたいと思います。
ひろじ
なるほど、クレモナ県人は「大らかを併せ持った職人気質」と言って過言ではなさそうですね。

クレモナのバイオリンに、大らかだけどええ加減でない、職人気質が現れていますね。推測するに例の船長がええ加減な人のようです。しかし、イタリア人がそんなええ加減な人種なら素晴らしいバイオリンを作り出せるのか疑問に思ったのです。

クレモナ人の気質を知り、疑問は解消いたしました。丁寧な回答、まいどありがとうございます。

yoko
ひろじさま
いつもありがとうございます。イタリア人はまず大きく分けて北と南ではまったく人種が違い考え方も違います。イタリアが統一される前、北はオーストリア領、南はスペイン領だった影響も大きいと思います。
クレモナ以外の県人に聞くと「クレモナ人はおとなしくて、ちょっと寝ぼけてる?!」
クレモナ県人に聞くと「クレモナ人は農耕地帯なのでその影響を大きく受けていて、おしゃべりじゃないし、節約家が多いし、そんなに開放的な性格でもないわ」とのこと
私的には「外国人におおらかで、人々はあくせくしてなくていつもリラックス」て感じでしょうか。
ひろじ
毎度、貴重な現地リポートありがとうございます。運転免許の件といい、イタリアの大らかさを知ることが出来ました。

同じイタリアでもクレモナは違うのでしょうか。興味がわいてきました。機会があれば、ご執筆おねがいします。
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