京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『恋空』

2007-11-22 | 邦画


□作品オフィシャルサイト「恋空
□監督・脚本 今井夏木
□原作 美嘉
□キャスト 新垣結衣、三浦春馬、小出恵介、香里奈、麻生祐未、中村蒼、高橋ジョージ、浅野ゆう子

■鑑賞日 11月18日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 ケータイ小説からの話題作でもちろん原作は読んだことはない。 10~30代を中心に受け入れられ、ある種、社会現象的になった背景を思っても非常に興味ある素材だと思う。 携帯を取り上げたらどうなってしまうんだろうと思える若い世代(ま、それ以上の世代にも言えるのだが)の心に深く浸透した小説が、映像化されいかに同世代、そしてそれ以外の年代層にアピールされるのかも興味の一つだった。

 しかしながら、正直言ってストーリーとしては決して新しいものではなく、むしろオーソドックスな内容だった。 過去にも同じシナリオや類似した映画や小説も多々あった。

 実際に目の前で交通事故にあった彼の死を、受け入れられずに何年もまるで廃人のように生きた当時高校生だった女性を知っている。 目の当たりにそういう経験があると、多少映画的に美化され、客の心に容易に踏み込もうとするところは正直言ってあまり気持ちがよいものでもない。

 実体験に基づくストーリーなんだろうけど、本当に好きなら、彼女に死を知らせないで最後まで逝けばいいのに。 何年もの間(多分2年足らずだと思うが)、持っていきようのない苦しみだけを彼女に与え、自分の苦しさを閉じ込めているような、でも最後は本の少し残された時間を共有する遠回りのオチに、とても共感はできなかったけれど、以外なことに劇場で洟をすすり涙を流していたのは、この原作のストライクゾーンの世代ではなく、それ以上うの世代だったことに驚いた。 

 もちろん感情移入できなかった大きな原因の一つは、隣りに座っている二人連れの中学生が、映画の盛り上がりとは別に、最初から最後まで物を食べ続けていたこと。 しかも薄いプラスチックケースのトレイに乗ったものを。 この人たちの感性にはとても付いていけない。 というより理解しようとする方が無駄な努力だとわかってはいるのだが。
 同じような映画で経験したことだが、感動させられるシーンが来ると必然的に物を食べるという動作はなくなるのに、常に涙も見せず、ただただ食っているだけ。 そんな世代にも受け入れられるのは何なのだろうか?

 でも・・・。 一番気になったのは、かみさんが嫌にこの映画に感情移入して涙してたこと。 過去の同じような経験があったということは彼女の口から聞いたことはないが、同調する何かが彼女の心に去来したのかもしれない。

 唯一、新しいと思ったのはヒロの病状が変わり病院に駆けつける最中に、TV電話で話しかける件。 そっか、その手があるなぁと妙な感心をしてしまった。

 主演の新垣結衣ちゃんは19歳とか。 終盤は主人公美嘉と等身大の世代なのだが、彼女は演技より、この映画の挿入歌にもなっている歌手としてのその声に魅力を感じた。
 それと監督・脚本が女性だとということで、描き方は男性監督が撮る女性主眼の微妙な揺れをしっかり描いていたと思うし、様々な小道具もしかり。

 脇にポイントとなる役者がいなかったというか、原作でも彼女にとってのキーマンがいなかったのは、この映画に厚みを加えなかったのかなぁ。

 こういう映画は好きなんだけど、諸事情により深く感動できなかったのは、別に進入した特別な“想いが交錯していたからかも。

 
 一切のメモリーを消され、「本当に大事な友達なら、必死で連絡をしてくるから」。
もし今携帯のメールアドレスや電話番号を消したら、どのくらいの人が気にして連絡をくれるだろうか・・・。 一度やってみるかな(笑) 
 
 “運命は変えることができるが宿命は変えられない。”


 彼女のアナザーストーリーも映画化されるのかな・・・。




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8 コメント

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☆☆☆☆☆ (ヤマト)
2007-11-22 16:28:41
cyazさん、こんにちは☆!☆

観ましたか!
そうですね、確かにこういったストーリーは
オーソドックスですね。
ヤマトはただ単純に、
ヒロ君が可哀想だった。
17歳で脳腫瘍で無くなった少年が
ヤマトの近所に昔いて、
とても快活な成績の良い少年だった、
どんなに生きたかっただろう・・・
みたいな、恋愛ストーリーと同じくらい、
そういった部分を想像してしまって。

レストランに禁煙席を作るように、
映画館に「20歳以上のみのゾーン」を
作ってほしいです。
劇場で観た日、ヤマトの隣も子供でしたが・・・
もうねー・・・食べ物の匂いにおしゃべりに・・・
観ても意味がわからないだろうに。
返信する
そんなの関係ない~ (cyaz)
2007-11-22 17:51:39
ヤマトさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ヤマトはただ単純に、ヒロ君が可哀想だった。17歳で脳腫瘍で無くなった少年がヤマトの近所に昔いて、とても快活な成績の良い少年だった、どんなに生きたかっただろう・・・みたいな、恋愛ストーリーと同じくらい、そういった部分を想像してしまって。
なるほど^^ ロマンチストですねぇ^^
僕の幼馴染は中学に入ってすぐにバイク事故で亡くなりました。お母さんにも可愛がられていたので、僕を息子のように思って泣き崩れていましたが、その幼馴染も長く生きたかったと思いますよ。そういう話は誰の身近にもあるものですよね。

>レストランに禁煙席を作るように、映画館に「20歳以上のみのゾーン」を作ってほしいです。劇場で観た日、ヤマトの隣も子供でしたが・・・もうね・・・食べ物の匂いにおしゃべりに・・・観ても意味がわからないだろうに。
ま、映画やレストランに拘らず、常識やエチケットのない人種が増えてますよね・・・。叱らなきゃならない親が既に非常識ですから(笑) 小島よしおの世界ですよね、まさに(笑)

返信する
携帯 (junko)
2007-11-22 19:11:28
のメールアドレス絶対消さないでね
cyazさんから返事がこないです・・・。

昨日、ジョンジボルタ?のフェノメノンをTVで観ました。何回観ても泣いてしまうけど好きな映画です。
最後に、「baby, goodbuy...」って目を瞑る所が印象的でした
返信する
こら~ (cyaz)
2007-11-22 23:59:42
junkoさん、コメントありがとうございますm(__)m

>メールアドレス絶対消さないでね
って、こんなところにコメントするな(笑)
近いうちにゆっくりメールします^^ junkoは僕がメールしなくてもこのブログみてたら何してるかよくわかるでしょ(笑)? 僕はわからない・・・。

>昨日、ジョンジボルタ?のフェノメノンをTVで観ました。何回観ても泣いてしまうけど好きな映画です。最後に、「baby, goodbuy...」って目を瞑る所が印象的でした
ジョン・トラボルタね^^『フェノミナン』
>「baby, goodbuy...」って
「goodbye」じゃないの、もしかして(笑)?
返信する
人生経験が評価を左右させる作品なのだと思います (PGM21)
2007-11-24 00:21:24
何時もお世話になっております。

おそらく私のレビューは全Blog中最高評価になるであろうレビューなのですが、この作品って人生価値観と経験によって評価が変わる作品なのだと思います。
もし私が10年前にこの作品を観ていたなら恐らくレビューのような評価はしなかったでしょう。それだけ私の経験というものがこの作品を評価させたという事なのだと思います。
だから人によっては美嘉さんの気持ちが心に届かなかったというのはある意味経験の差がそうさせるのかもしれません。
私も劇場ではポップコーン食べているので・・・
この作品を本当に30代以上の人が理解しようとするなら大切な人やものを失ってから観たら評価が変わるんじゃないかと思います。
美嘉さんもこの経験が良いとは一言も言っていないわけですし、この経験をしたけれど、私はこの現実を受け止めた事を伝えたかったのだと思うし、亡くなったヒロの生きた時間を残したかったのだと思います。
これも全て私を今に導いてくれた人に出会ったから理解できるのかもしれません。
返信する
Unknown (りみっと)
2007-11-24 01:16:16
TBありがとうございました。
たくさん映画を観ていると、新しいことを期待しがちなんですけど、こういったオーソドックスな作品も時には必要かなぁなんて思いました。
それにしても…マナーの悪い人が近くにいると嫌ですよね…。
若い人向けというか、普段映画館に行かないような層がターゲットの作品に多い傾向ではないかと。煩いことをいうつもりはないけれど、少し想像力を働かせて欲しいなぁと思ってしまいます。
返信する
出会い~ (cyaz)
2007-11-24 09:28:12
PGM21さん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>おそらく私のレビューは全Blog中最高評価になるであろうレビューなのですが、この作品って人生価値観と経験によって評価が変わる作品なのだと思います。
もし私が10年前にこの作品を観ていたなら恐らくレビューのような評価はしなかったでしょう。それだけ私の経験というものがこの作品を評価させたという事なのだと思います。
環境に左右さえること、そのときの客席の状態(今回の僕の隣のガキのような)に左右されること、その作品に影響を及ぼすことがあると思います。また原作を読んでいること、未読なことも影響することだと思います。あくまで私観の違いなので、PGM21さんが感じられたままでよいのではないかと思います。肯定も否定もする気はありませんので。

>私はこの現実を受け止めた事を伝えたかったのだと思うし、亡くなったヒロの生きた時間を残したかったのだと思います。これも全て私を今に導いてくれた人に出会ったから理解できるのかもしれません。
人の出会いは大切なことだと思います。それは年齢を重ねれば重ねるほど感じるものだと僕は思っています。そして、色々な経験は財産です!
返信する
家で~ (cyaz)
2007-11-24 09:31:09
りみっとさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>たくさん映画を観ていると、新しいことを期待しがちなんですけど、こういったオーソドックスな作品も時には必要かなぁなんて思いました。
若い頃の恋愛を思い出したりもしましたが(汗)

>それにしても…マナーの悪い人が近くにいると嫌ですよね…。若い人向けというか、普段映画館に行かないような層がターゲットの作品に多い傾向ではないかと。煩いことをいうつもりはないけれど、少し想像力を働かせて欲しいなぁと思ってしまいます。
全てがそうでもないのでしょうが、自分たちのことだけしか考えないそういう世代が増えているのでしょうね~ そのうち大画面のモニターで家で楽しむことを考えたいと思います。客層が若いと思える作品は(笑)
返信する

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