□作品オフィシャルサイト 「僕と妻の1778の物語」
□監督 星 護
□脚本 半澤律子
□原作 眉村 卓
□キャスト 草 剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、陰山 泰、小日向文世、浅野和之、佐々木すみ江、大杉 漣、風吹ジュン
■鑑賞日 1月16日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
今年最初に涙を流したのはこの映画だった
作家・眉村 卓氏と癌で亡くなった悦子夫人との二人の闘病生活がベースとなっているこの作品。
主人公・朔太郎役に草 剛、その妻・節子役に竹内結子と、あの『黄泉がえり』コンビが甦り(笑)
仲のいい夫婦に突然に訪れた節子の大腸癌。 松下医師(大杉 漣)からもって1年の命と宣告される。
かつて、癌と闘う夫婦の物語を描いた作品は結構あったような気がするし、TVなどでも多く取上げられている題材だ。
節子の退院後、医師から笑うことで免疫力が上がることがあると聞かされ、朔太郎は今できることは何かを自身に問う。
その結果、出した答えが世間に発表しない節子にだけ読ませる“笑える小説”を
毎日1編、原稿用紙3枚以上の短編をノルマにし、節子を毎日笑わせることに努める。
同じ作家であり、友人の滝沢蓮役に谷原章介、その妻・美奈役に吉瀬美智子が扮している。
監督を務めるのは、映画『笑の大学』の星 護(これには吾郎チャンが主役格だった)。
この映画は「生きる」ことの真意をあえて問うこと。
夫婦として残された限られた日々を互いがどう生きるか。
妻は不自由ながら、どんどん動きを限定されていくなかで、自分に出来る限りの家庭内作業を行う。
夫はSF小説が得意なのに、高額薬代の代償として恋愛小説を書こうとするが、妻に向いていないと言われ、
その妻のために笑える小説を、看病の合間にコツコツ書いていく。
どれだけ“笑える”小説がかけるか、そのネタが尽きぬとも限らないが、
朔太郎は最後まで不眠不休で節子のために小説を書き続ける。
この夫婦にとって大切なことはその小説の出来ではない。
妻のために、そして夫のために、当たり前のことだが相手を想って出来る限りの愛情を注ぐこと。
毎日1編の朔太郎が書く小説と、それを楽しみに読む節子。
他人の目からすればちょっと変な夫婦に映るかもしれない・・・。
しかしながら、夫婦間の問題と、ここに描かれる以上の悲惨な闘病生活や看病生活が、
存在したことは容易に想像できるけれど、少しでも生きて側に居たい、
また側に居て欲しいと思う朔太郎・節子の気持ちは遠からず理解できる。
そして、その1778作目の最後の小説を、節子が今読める形で書こうとする朔太郎の姿に、
ついに堪えていた涙が溢れ出した。
何を書いて伝えようとしたかは問題ではない。
それは夫婦であるがゆえ、二人にだけわかればいいことなのだ。
時折、自分たち夫婦に置き換えて考えてみる部分も多かった。
おそらく我が夫婦の場合、一回り年齢が上の僕が先に逝くことは間違いないだろう。
そのときのことは想像できないけれど、この映画を観ながら「二人で生きること、今生きている二人が出来ること」を
改めて足元から見つめ直す必要があるなぁと、静かな感動と共に僕の心の「忘備録」に書き込んだ。
奇しくもこの日の夜、同じ草クン主演のドラマ「冬のサクラ」が始まった。
あくまで物語上だが、彼の一貫した優しさが強調された1日だった。
僕は演技者としての彼より、彼のナレーション、つまり声に魅力を感じる(あくまで歌ではない)。
トラックバックしましたが、このことは、眉村さんご本人がはっきりと否定されていました。
奥さまは、あくまで最初の読者であって、唯一の読者でありません。プロの作家として、世の中にだしてもいい作品を考えて書かれたとのことです。
この映画の節子もそうですが、眉村さんの奥さま悦子さんは、眉村さんの作家活動の最大の支援者です。だから、世間に発表しない作品を書くことは、奥さまは決して望まないはずです。
>このことは、眉村さんご本人がはっきりと否定されていました。奥さまは、あくまで最初の読者であって、唯一の読者でありません。プロの作家として、世の中にだしてもいい作品を考えて書かれたとのことです。
そうだったんですか^^
参考になりました。
>この映画の節子もそうですが、眉村さんの奥さま悦子さんは、眉村さんの作家活動の最大の支援者です。だから、世間に発表しない作品を書くことは、奥さまは決して望まないはずです。
なるほど、言われてみればそうかもわかりませんね。
私基本邦画が好きかも~
>これは、凄く興味があります~ 私基本邦画が好きかも~
いい映画ですのでぜひ^^
邦画のクオリティは年々上がって来ていますね!
ええとですね。
笑う事が免疫力を上げるなら、まず120分、「も、もう後生ですからやめてください」と竹内結子が涙ながらに懇願するまでくすぐり続ける。まず、そこから初めてほしい。何か映画公開上、問題があるなら、そこだけビデオで回して貰っても構わない。
>笑う事が免疫力を上げるなら、まず120分、「も、もう後生ですからやめてください」と竹内結子が涙ながらに懇願するまでくすぐり続ける。まず、そこから初めてほしい。何か映画公開上、問題があるなら、そこだけビデオで回して貰っても構わない。
確かに(笑)
でもそれって竹内結子でなくてもいいかも(笑)