□作品オフィシャルサイト 「アイ・アム まきもと」
□監督 水田伸生
□脚本 倉持裕
□原作 ウベルト・パゾリーニ
□キャスト 阿部サダヲ、満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、宮沢りえ、國村隼
■鑑賞日 10月2日(日)
■劇 場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
阿部サダヲ選手と水田監督のタッグ。
その昔、「すぐやる課」なんてのが話題になったけど、
この舞台は引き取り人のない「おみおくり係」。
牧本は一風変わった真面目人間。
彼が自前でも亡くなった人の葬式を行っていたが、
新任局長に「おみおくり係」の廃止を言い渡された。
最後のお見送りに生きた証の人としてのドラマが始まった。
身近でも最近一人暮らしの高齢者の孤独死がある。
身寄りが居ないと異臭騒ぎで警察が踏み込むことになるケースが多い。
ま、実際その扱いに役所と警察の境界がどこにあるのかはわからないが。
「おみおくり係」として最後の仕事となったのは老人・蕪木(宇崎竜童)。
牧本は蕪木の身寄りを探すため彼の友人や知人を訪ね歩き、
やがて蕪木の娘・塔子(満島ひかり)のもとにたどり着く。
一人の人生を、彼の周りの人間を探し、彼との想い出を聞くうちに、
人としての在り方や生きた証を感じながら、どうしても牧本は
葬儀に参列して欲しいと嘆願する姿が胸を打つ。
その牧本の半生は詳しく描かれていなかったが、
この仕事に集中できるのは、もしかしたら彼の生い立ちに起因するのかもしれない。
絶対の悪人なんていないと思う。
年月を経て想い出となったとき、人は優しくそれを受け止められる。
誠意(熱意)は人の心を動かすことが出来る。
そんな一人の熱意は同じ人間として、心を動かせる動機となりうるだろう。
牧本を演じるには阿部サダヲは適役だったと思う。
ラストはちょっとショッキングだったが、
人として、人のために生きて来た牧本は最後の仕事を終えて、
きっと良い人生を送れたのかもしれない。
満島ひかりチャンも宮沢りえさんも良かった。
牧本のいつも着ていた網々のベスト、便利そうでいいなぁ(笑)
あの優勝カップのその後のシーンはエンドロールでワンカット入れて欲しかった。
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