1963

主に昭和の頃の思い出と旅行の備忘録
ときどき愚痴

2024最後に観た映画〜PERFECT DAYS〜

2025-01-01 06:45:00 | 映画
大晦日の夜、お雑煮の下ごしらえをしながら視聴
2023年 日本・ドイツ合作
主演 役所広司(カンヌ国際映画祭 男優賞受賞)

東京スカイツリーが見える古いアパートに住む
初老の男性平山は渋谷区内の公衆トイレを巡回して清掃の仕事をしている

彼の1日は早朝から始まる
缶コーヒーを買ってワゴン車で現場に向かう
車内で聞くのは古い洋楽のカセットテープ

仕事は丁寧で真面目に取り組む
無口だけどお人好し
お昼はいつも神社の境内のベンチで
コンビニで買ったサンドイッチと牛乳

朝早い分、明るいうちに帰り
自転車で開店間もない銭湯に行く
そのあと浅草の地下居酒屋で軽く飲む
夜は古本を読み就寝
毎日同じ生活

淡々とした生活なのだから
映画も淡々としたものになる

退屈しそうなのに不思議と飽きずに観られる
よく考えたら場所や職業が違うだけで
毎日変わらない生活は
ほとんど自分と一緒だった

彼には趣味がある
読書と植木を育てる事と植物や風景の写真を撮る事
趣味も物静かだ

このまま2時間終わるのかと思ったら
ほんの少しだけさざなみが立った
同僚の若い男性の恋愛沙汰や
家出した姪っ子が訪ねて来たり
ちょっといい感じのスナックのママの元夫との邂逅とか
でもどれもすぐに丸く収まった

ラストシーンで平山がワゴンを運転しながら泣き笑いする
理由は明確じゃないので想像するしかない
年齢的にやり直しはきかない
俺の人生、これでよかったのか?
いや、良かったんだ、、
そんな葛藤に見えたけど
この泣き笑いの尺が長過ぎて
かえって解りにくくなってしまった

でもきっと彼は今日も明日もずっと
また同じ日々を生きるのだろう
大抵の人がそうするように

淡々とした平凡な毎日の繰り返しが
実は幸せで尊いという事に普段は皆気がつかない
















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2 コメント

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わかる人にはわかる (ZUYA)
2025-01-01 07:09:08
明けましておめでとうございます。新年初コメントはこちらのブログになりました

私はこの映画を劇場で3度観ました。「トイレが近代的過ぎる」とか「特にメリハリがなく眠たくなる」と言った感想が多い中、dahiさんの考察はとても良いと思います 

劇中様々なファクターがありますが、全ては最後の主人公・平山の運転シーンが語っていると思います
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Unknown (dahi0103)
2025-01-01 09:17:08
明けましておめでとうございます
コメントありがとうございます

映画館で3度もご覧になったのですね
なにか心惹かれるものがあったのでしょう
私は里芋の皮を剥きながらの視聴です
毎年大晦日の夜は
お雑煮や煮物の用意をしながら映画を観てます

だからこそ変わり映えしない日々の映画を静かな心で観る事ができました

ラストシーンの平山の表情が全てですね
個人的には冒頭の運転シーンで流れる「朝日のあたる家」も描かれていない彼の人生を示唆しているのかと深読みしてしまいました
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