テクニカルライター・井上孝司氏の「わかりやすい防衛テクノロジー」の3冊目です。
今回は無人兵器と題していますが、
主題は無人ヴィークルで「UAV」についてさまざまなタイプ、テクノロジー、用途や任務、
抱えている課題、ドローン対策などなど様々な側面から解説されています、
私も今までにいろいろと読んできましたが、
これ程テクニカルに書かれているのは本誌が初めてです。
無人兵器では、有名なRQ-1 プレデターは様々な用途に発展して行きました。
MQ-1プレデター、MQ-9 リーパー、アルタイル、MQ-9B スカイガーディアン、ガーディアン、
MQ-9B シーガーディアンです。
その中で特に注目したのは「システム・オブ・システムズ」です。
無人兵器は「自動操縦装置」「測位技術」『操縦制御技術』「通信システム」
「センサー機材」「画像解析技術」と多くの技術が結集されて発展してきましたが、
これらの技術は一つのサブシステムであり、
これらのサブシステムが相互に接続してシステムとして構築して、
一つのシステムが出来ます。
そこで課題となるのが、相互間のインターフェイスであり標準化です。
もう一つは「UAV」を何の任務をさせるかにより組み合わせも違ってきます。
この様に現在では当初よりより高度で複雑なシステムが出来上がってきます。
このシステムについて著者は的確に解説されており、非常に参考となります。
この様な切り口で解説されている本誌は大変有意義であると思いました。
そしてもう一つの課題が、「UAV対策」です。
イスラエルは「ドローン・ドーム」を開発しましたが、
先のハマスからの多重攻撃では防ぎこむことは出来ませんでした。
現在紅海での船舶の航行においてUAVか使用されていますが、
早急に対抗策を講じないとシーレーンの安全は守れません。