徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

2013年初映画

2013年01月07日 | Cinema&ドラマ&劇&音楽
すごく評判というとなんだか観たくなくなるというへそ曲がりのわたし。

先日亡くなった小沢昭一さんが生前、大橋巨泉、前田武彦両氏と言いたい放題の対談を拝見した。
その中で、終戦を経験したせいか、「昨日までが全部間違っていた、みんながいいといってわーーっとなるものは、眉に唾つけてよくみること」といっていたのが強く印象に残っている。

うんうん、とうなづいたものだ。
そんな心理が私にもあって、社会、政治の世界のことにも斜にみるところがある。
今朝の、新聞の社説欄(風知草 山田孝男氏)の題が、レ・ミゼラブルだった。
安倍総理が2日に六本木でこの映画を夫妻で観られたそうだ。

ユゴーがこの作品にこめたメッセージの核心は何か?
仏文学者鹿島茂氏によると「19世紀の前半、産業革命が加速しはじめた時で、格差社会が生まれた。貧困にあえぎ、犯罪に巻き込まれるレ・ミゼラブルをジャン・バルジャンに象徴される<誰か>が、見返りを求めぬ無償の愛によって救わなければならない。
現代においてはその<誰か>は<あなた>でなくてはならない。というのがユゴーの主張の核心です。誰もがグローバル資本主義の矛盾を感じている今、ユゴーの訴えが共感を呼ぶのは当然でしょう」
レ・ミゼラブルについて
「ユゴーは初めはゴクつぶしというような否定的なニュアンスでレ・ミゼラブルという言葉を使っているんですが、次第に社会の弱者という意味合いに変わっていく。愛を受け取ったことがない惨めな人々、それがレ・ミゼラブルです」
とのことであった。理解するためには観なくちゃね。

*ユーゴーと思ってたけど新聞ではユゴーでしたのでそのまま表記。

お友達のオススメであったし、孫ばっかではなく自分のための時間もと思い、オットをおいて早速出かけた。
シネコンに着いたら運よくすぐ第一回目の上映。

最初のころは、あ、やっちゃった。こんなのみたくないと思った。
やっぱ、ミュージカルは苦手だ。って。私のDNAはミュージカルはダメじゃ~~ってよく思う(笑)

でも、他のミュージカルと違って、歌い終わったらさっと普通の体勢に戻り、普通のお芝居が始まるという私には不自然に感じるところがない。最初から最後まですべて歌。
セリフが歌なのだ。だから思ったよりよかった。

そして歌だからこそセリフが短くて私にも聞き取れる。
フランスが舞台なのに、英語?と突っ込みを入れたくなったけど^_^;
ファンティーヌ役のアン・ハサウェイはすごくよかった。「夢やぶれて」は感動した。
美しいヘアも実際に切ってしまうという役者魂はすごい。

どの役も厳しいオーデションの末つかんだという。
ただ、私には、ヒュー・ジャクマンは好きな俳優だけど、X-Menの印象が刷り込まれすぎて、なんか違うと思った。ジャン・バルジャンのイメージが幼い頃に読んで激しく心に残ったイメージと違うのだ。
この映画は、原作とは別物のミュージカルだと思うことが大切かも。

一番心に残ったのはサマンサ・バークス演じたエポニーヌだ。
こんなに愛しているのに、彼は私の気持ちなどちっとも気づかず・・・

愛しても愛しても報われない愛に絶望して、相手を破滅させる憎しみへと変化することが少なくない。
でも彼女は、あんな両親に育てられたのに、心は美しかった。
コゼットを一目見ただけで恋に落ちた恋しい彼を見つめる辛さ・・本当の愛は、愛する人の幸せを願うこと・・利己的ではない愛だった。


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6 コメント

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Unknown (ei)
2013-01-09 05:22:55
今年もよろしくお願いします。

早速の レ・ミゼラブル評、他の方のブログには
無い鋭い視点ですね!
過去、何となく知っているだけの私しとは違い
作家の意図まで紐解かれている。流石映画評論家(笑)

で、わたしは観ていないのです。理由は簡単で、
涙もろくなっていますので、映画館では観る事ができません(笑)
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Unknown (mocha)
2013-01-11 08:50:53
サマンサ・バークスの無償の愛を歌うところで涙がとまりませんでした。
心に届く歌声でした。
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ありがとう (sakko)
2013-01-11 21:23:47
eiさん
今年もよろしくお願いいたします。

先日、新美南吉記念館リニューアルにいってきましたよ。
よかったです。

mochaさん
あの場面はよかったですね。
涙が出ました。
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観ました! (yone)
2013-03-12 18:59:01
sakkoさん、お久し振りです。
今日「レ・ミゼラブル」を観てきました。
昨日娘が長男の幼稚園のママ友たちと観に行ったらすごく良かったよ!お母さんも観に行ったら?
と言うので、早速今日行ったのです。

ミュージカルの映画化にも興味あったし、「ワン・デイ23年のラブストーリー」(2011)を観てアン・ハサウェイのフアンになったので。
約3時間、期待を裏切らず楽しませてくれた映画でした。

sakkoさんは最近どんな映画を観ているのかな?と思ってお邪魔したら、「レ・ミゼラブル」の話題だったので嬉しかったです!
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夢やぶれて (sakko)
2013-03-18 00:03:08
yoneちゃん
ありがとう。

彼女の歌、良かったね!
私はミュージカルは好きではないの。

でもこれは、ほとんどせりふがなくて全部歌というかせりふが歌だったから、とことんで返ってよかったかな。
またきてね。
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一緒 (sakko)
2013-03-18 00:07:27
mochaさん
おなじです。
涙流れたわ~
大人のコゼットは良くなかった。
あまり品を感じない女優ね。
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