徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

おむつ代

2010年08月18日 | Weblog
父が入院して3週間が過ぎた。二日で死ぬとばかりいっていたのに、なかなか死ねない。
96になっているのにすごいことだ。。今までいた老人ホームも帰れないので、転院しないといけないのに受け入れ先がない・・
転院すれば12万かかると言う。そこまで出せないよ・・

顔を見ると病院への不満(殺される)といっていたのが少しおとなしくなった。
昨日は、いったら便秘が解消して出たところで、交換中だった。
悲壮な声で「すみません、ありがとう」といっていた。
着物の裾を切って雪駄で歩いていたあにさんの終末の姿だ・・・哀れで涙が出そうになった。

みるとオムツがまたない。3日前に売店で買ったばかり。
もうパットやら1万近くかかっている。

「俺は早く死ぬから、やりたいことをやる」とのたまって、飲む打つで家族を生涯かえりみなかった父親として、どんな気持ちだろう。3Fに出産で入院してた嫁のところにきていた息子も顔さえ出さない。
いきたくないのにいく私にも、毎回、生前の母に言ってたように「俺は悪くない、お前が悪い」式の発言を繰り返してた。
「親孝行、したくないのに親がいる」・・・

こんな気持ちでいるから死なないのかもしれないね。

昨日、耳元に口を寄せて「私しか来る人がないんだから、来てあげるから大丈夫だよ、でも今までのことをよく反省しなさいね。」というと「うんうん」とうなずいた。蔵が建つほどほどお金のあった時期もあったのに、キリギリスだった父。

遅くに生まれて母に溺愛されて、両親の諍いの中で育った跡取り息子は、父を反面教師とできず、すべての金を使い尽くしてお先に逝ってしまった。
残ったのは、一銭もない親が二人。
母は7年かかった。
金がない親を看られる子供が今いるだろうか?

私は、絶対親のようにないと心に決めて働き続けてきた。
少しのたくわえのあるうちに、貯金通帳に「おむつ代」と大きく書いて別にしておこう。

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