徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

子猫殺し

2006年08月24日 | 今朝の新聞から
タヒチ在住の女性作家、板東さんが日経新聞の担当コラムのなかで、自分の家の飼い猫が産んだ赤ん坊を家の横にある崖から落として生を絶っていたことを告白した。
タヒチはフランス領。その大使館にもどんどん非難電話等がかかって業務に支障をきたしているという。

ここ何年か前に、彼女の作品はほとんど読んだ。独特の世界を描く作家だと思います。
彼女にとっては、勝手に他の生物の断種をすることが許されていいのだろうか?
という葛藤があったようです。
最近思うことは、何かがあるとすぐ烏合の衆はよく考えもせず、マスコミにのせられてバッシングとかするけど、国民をひとつの方向に持っていくのはとっても簡単なことだなと。

私たちは毎日毎日、命を奪って生きている。
食べるものだから殺してよくて、そうでないからだめなのか。

命の重さを改めて考えてみたいものです。
こんな詩もあります。


儀 式

        石垣りん


母親は
白い割烹着の紐をうしろで結び
板敷の台所におりて
流しの前に娘を連れてゆくがいい。

洗い桶に
木の香のする新しいまないたを渡し
鰹でも
鯛でも
鰈でも
よい。
丸ごと一匹の姿をのせ
よく研いだ包丁をしっかり握りしめて
力を手もとに集め
頭をブスリと落とすことから
教えなければならない
その骨の手応えを
血のぬぬめりを
成長した女に伝えるのが母の役目だ
パッケージされた肉の片々を材料と呼び
料理は愛情です、
などとやさしく諭すまえに。
長い間
私たちがどうやって生きてきたか。
どうやってこれから生きてゆくか。











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2 コメント

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 (Post)
2006-08-25 21:41:38
「この問題について、皆で考えてみたいと思います」と

テレビのアナウンサーが言うと、

「そうだ、みんなが考えてくれるんだ」と思い、

誰も考えなくなるという、いい方法があります。



昔、日本人は、すべての命を同列に考えていました。

だから、殺生には畏敬の念を抱いていました。

欧米は、人間 (と自分たちが認めたもの)以外は、

ワンランク下みたいです。
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するどい (sakko)
2006-08-25 22:33:18
>「そうだ、みんなが考えてくれるんだ」と思い、

誰も考えなくなるという、いい方法があります。





鋭いですね~

人心は操れるんですよね
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