しあわせの歌
神の無料回収
しんぼうできないのだと心が訴えます
あさから晩までずっと波打っているのです と
わたしの平安を与えよう―その時ふと天からの声がきこえた
せいぎも凍(こお)ったような冬空 一筋の光を仰いでいます
しんぱいな顔がまた今夜も天井に浮かぶ
あえなくなった事をいつの間にか会わない理由にしてきた
わたしの愛情よ 自分のことだけで一杯なのか
せなかを押してくれ 心配な顔の前にドンと私を突き出してくれ
しまつしたらスッキリとした
あとわずかの物となった
わたしという自我 最後のやっかいな荷物
せっかくだから棄てようか 神の無料回収日に
しずかな耳に眠らない時計が声をかけてくる
あと少しで窓が明るさを取り戻す
わたしは祈る もつれそうな舌で
せなかを支えてくださるその掌(て)の温もりを感じながら
●ご訪問ありがとうございます。
「平安があなたがたにあるように」(新約聖書「ヨハネの福音書」20章19節)
自分の窮屈さが、今の日本の閉塞感とつながっているところもあれば、時代と関わりのない己の狭さそのものである、という、両方の思いがあります。「平和」と「平安」のつながりと似ている気がします。