先週末、最近買ったモノを羅列した中に一つだけガールズアイドルのアルバムがありました。
最近、アイドルものを買う事は目に見えて減っていて、こうしてレヴューを書くのも珍しくなっている状況ではありますが、このアルバムはもっと多くの人に聴いて欲しいなと思うのです。
アイドルのレヴュー書くとPVが落ちると家内には言われますが(苦笑)、このアルバムを少し聴かせてみたら「カッコいいね~」と前向きな反応があったので、まぁ良かろうと(笑)
Hauptharmonie(ハウプトハルモニー)
『Herz über Kopf(ヘルツ・ウーバー・コップ)』
2016/7/12リリース
レーベル:箱レコォズ
ディストリビューター:タワーレコード
HAKO-0011
この充実したアルバムトレーラーを聴いて解るとおり、ここには凄く質の高い楽曲が並んでいます。
私は、彼女たちのファンではありませんし昨今のアイドル界隈の状況も把握していません。現場に行った事も無いし、ライヴの動画も殆ど見ません(だいたいの場合、ファンのmixやコールの声が邪魔で楽曲が良く聴こえないから)。なんだったらメンバーの顔と名前が一致しないのも多々あるし歌のパート割なんかも知らなかったりする(苦笑)
彼女たちの置かれている状況が解らないままのレヴューは的外れな事を書くだけなのかもしれません。しかし、それでもこのアルバムを紹介しておきたい。こんなにカッコいいアルバムはそうそう無いと思う。
歌が上手いとか下手だとか、洗練されてるとか一生懸命だとか、可愛いとか綺麗とか・・・・・そんな事が瑣末に思えるんです。アルバム全体から漂ってくる圧の強さが素晴らしい。スキルを飛び越える彼女たちの生命力溢れた歌声。そしてなんといっても粒ぞろいの楽曲たち。とにかく曲がめちゃめちゃ良いんです。ホントにカッコいい曲が揃ってる。
7分近い長さの中で魂の叫びとドラマティックな展開を見せるオープニングナンバー「BUDDY」。そしてこの曲のラスト“ハウプトハルモニー出撃します”の語りから続く「Kidnapper Blues~人攫いの憂欝~」におけるイントロのドラム。この流れが死ぬほどカッコいい。ゾクゾクします。「Kidnapper Blues~人攫いの憂欝~」はKAGEROの白水悠が作・編曲したナンバーで、疾走感と怪しげなムードを漂わせるジャズファンクな一曲。鍵盤ソロからサックスソロの辺りも凄くカッコいいです。
アイドルっぽいけど一捻り入ったポップチューン「パラレルワープ」から「LAST CHANCE(幸福の妨げ)」の流れも大好きです。特に大好きだったムーンチャイルドの「ESCAPE」を彷彿とさせる「LAST CHANCE(幸福の妨げ)」のギターが最高。もう、このオープニングの4曲でワタクシ、がっつり鷲掴みにされまして。
この後もジャジィでレゲなナンバーや、軽やかなカッティングからドライヴする英詩曲、強烈なスカパンクチューン、王道アイドルポップ、美メロが際立つミドルスロウ・・・・と、多彩な曲調が並ぶ。
そして通して聴いてて思い直したのは、この素晴らしい楽曲群に負けない彼女たちの歌。歌に対峙するだけのエネルギーが備わっている。
個人的ハイライトは、大好きな“つるうちはな”ちゃんが作・編曲をしている「きらり」から、彼女たちに惹かれるきっかけになった「シャンパンゴールド・トワイライト・ラグゼ」への流れ。ココが本当に大好き。「きらり」は、はなちゃんの真骨頂というべきポップでキャッチーなサビメロの破壊力が素晴らしい。「シャンパンゴールド・トワイライト・ラグゼ」はクールなジャズテイストがオシャレでグルーヴィ。
こういうアルバムがもっと聴かれるとイイなと思います。こういう音楽を好きな人が増えると良いなと思います。
そして、こういうCDが売れて欲しいんです。もっと知られて欲しいんです。こんなにもカッコいい音楽をやってるアイドルがもっともっと愛されて欲しいと思うのです。
いや、アイドルとか関係なく、単純にこのアルバムはカッコいい。同じ様に感じてくれる方が少しでもいれば幸せです。