日本グルーヴチューン振興会

アイドルでありながらアイドルを超える

久しぶりにガールズアイドルのアルバムを少し紹介しようかなと思います。

おそらく今年のガールズポップアルバムでは年間ベスト級の2枚。

 

まずはコチラ。

 

 

 

脇田もなり

『I am ONLY』

2017/7/26

VIVID SOUND

HCCD9590

 

とりあえず先入観を捨ててお聴きください。

 

 

 

元Especiaというアイドル出身でありながら、そのポテンシャルの高さを武器に一人のヴォーカリストとして成長していく様をまざまざと見せつけるファーストアルバム。プロデューサーは、はせはじむ・新井俊也・矢舟テツロー・西寺郷太・長谷泰宏・マイクロスター・福富幸宏etcといった手練れの面々。ギターでKASHIF、コーラスでSMOOTH ACEが参加しているのも私的にはポイント高いです。

何よりも素晴らしいのは楽曲クオリティの高さ。収められている12曲が名曲揃いな上にアルバムとしてのバランスも絶妙。シティポップやハウス、ディスコブギーからジョージ・マイケルのオマージュまで多彩な曲が見事な流れで展開するのです。

前にも書きましたが、彼女のフックが強い印象的な歌声はこれから女性ヴォーカリストの旗手として存在感を増すことでしょう。それこそ野宮真貴や土岐麻子の様に。

 

 

 

そしてもう1枚はコチラ。

 

WHY@DOLL

『WHY@DOLL』

2017/8/1リリース

レーベル:T-Palette Records

ディストリビューター:タワーレコード

TPRC 0176

 

こちらもまずお聴きください。

 

 

脇田もなりに比べてアイドルにかなり振れていますが、楽曲のレヴェルは同様に異常に高い。というか、むしろアイドルである事が強みになるタイプの曲が並んでいます。

先行シングルであった1曲目の「菫アイオライト」~第2弾シングル「キミはSteady」のキャッチーで高揚感溢れる流れが最高です。そして2曲目同様にONIGAWARAが作った4曲目「恋なのかな?」が卒倒する水準のキラーチューン。アイドルが歌わなくてはならない必然が感じられる究極のアイドルポップです。

このアルバムを作っているクリエイターは吉田哲人&長谷泰宏、ONIGAWARA、give me wallets、CICADA、保坂ねこという5組。10曲を2曲ずつ担当し、吉田&長谷の楽曲をオープニングとラストに配することでものすごく一体感のあるアルバムに仕立てていると思うのです。

特に保坂ねこの楽曲が、個人的にはアルバムをアルバム足らしめる流れを作るフックになっていると感じました。

それから、エンディングを飾る「恋はシュビドゥビドゥバ!」は、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズの“涙のクラウン”を彷彿とさせるイントロから、60年代的な分厚いサウンドと展開がアルバムを絞めるのに相応しいポップチューンで、ワクワク感が半端なかった。

 

青木千春と浦谷はるなの歌は本当にオーガニックというか真っすぐで素直な歌唱が胸にグッとくる。妙に手癖がついていたりあざとい感じが皆無。アイドルの歌って、こういうのが気持ちいいんじゃないのかな・・と改めて思わせてくれるんです。

 

可愛らしい若い女の子が歌う曲にこれだけの素晴らしいミュージシャンが関わり、高水準の音楽を世の中に問う。ポップス好きとしてきちんと受け止めないと申し訳ないと思うのです。自作自演のバンドやシンガーソングライターにはない歌い手とクリエイターの化学反応を堪能できる作品を味わって欲しいと切に願います。

 


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