歌って、やっぱり声の魅力なんだな・・・・・・・
テクニックやピッチの正確さ、音域の広さといったファクターを超えるサムシングが大事。
多和田えみ
『Sing you』
2012/9/26リリース
SME Records
SECL 1184~5
個人的には、21世紀の女性ヴォーカルとして最高評価に値するディーヴァの一角を占める存在である彼女。
約2年ぶりのリリース作品です。
これほどの逸材が、これだけリリースのスパンを必要とする。
音楽不況というのは深刻だな(苦笑)
というか、このテがウケないというJ-POPシーンの硬直化の方が問題なんでしょうけど
過去のリリース作は、年間マイベストに選んだくらいクオリティの高い作品でしたが、今回も良い仕上がりです。
デヴューした年に発表された2枚のミニアルバムとはベクトルが変わってきていますが、コレはコレで十二分にアリ(笑)
サウンド的にはグルーヴ抑えめで、かなり今のJ-POPの王道に寄せてきた感はありますが、彼女の声が全てを乗り越える。
たとえば、2曲目の「アイシテルなんて言えない」なんか、最初に聴いた時“西野カナ?”なんて思ったり、3曲目の「涙がでた」のサビが“松田聖子の「Sweetmemories」?”とか感じてニヤニヤしたり(笑)
でも、全編通して思うのは、彼女の声の魅力が良く出てるなぁ・・・というコト。
初期のグルーヴィなサウンドよりも、ヴォーカルの輪郭がクッキリしてる。
多和田えみという歌い手の武器である、心地良いエグ味を感じるスモーキーな声が、ナチュラルヴァイブする。その声こそがグルーヴなんだと思える。
もちろん、彼女はスキルも高いです。上手い歌手です。
でも、それ以上に声質が素晴らしい。
私が好きな歌い手は、そんな人ばかりです。
嵐の大野くん、よしもとかよさん、モダーン今夜の永山マキ、CKBの剣さん、星野源ちゃん、ジャンクフジヤマくん、畠山美由紀、パリスマッチのミズノマリ、高橋優くん、BEN thinks little of sneakersの入江くん・・・・・・・
上手いだけでは無い、何かを感じさせる声がある。
それは、アイドルだろうがロックやポップスやソウルだろうが同じです。
声の魅力を、もっともっと多くの人に感じて欲しい。
だから、ちゃんと届いて欲しい作品だと思うのです。
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YouTube: 多和田えみ 『ねぇ』