40歳も過ぎると、どうしても若々しいモノへの“嫉妬と郷愁と憧れ”が綯い交ぜになった不可思議な感情に襲われるコトがあります(苦笑)
今日の1枚は、そんな新しい息吹を感じる作品。
南波志帆
『はじめまして、私。』
2008/11/18リリース
LD&K RECORDS
LRTCD-028
土岐麻子や、羊毛とおはなを抱えるLD&Kが放つ新人女性ヴォーカリストが南波志帆ちゃんです。御歳なんと15歳の中3
何なんだ、この歌声の自然体っぷりは(笑)
プロデューサーは、元シンバルズの矢野博康。コンポーザー陣には矢野氏を始め、宮川弾、キリンジの堀込泰行、ノーナリーヴスの西寺郷太と奥田健介、土岐麻子といったポップセンス溢れる面々が並ぶ。
どの曲にも、志帆ちゃんの初々しくキュートな声が満載。このキラキラしてちょっと切なくて癒しもあってホワッとしたヴォーカルは、もしかしたら今現在のこの瞬間だけのモノかもしれないなぁって思いながら、その奇跡の瞬間を切り取って作品にしてくれたコトに感動。
80年代テイストのアイドル歌謡や、シティポップス要素を感じさせるサウンドメイクが、実に私の好みなんです。
どの曲にも琴線に触れるファクターが存在する。
個人的に大好きなのが、弦一徹のストリングスと鍵盤の絡みが気持ち良すぎるアッパーチューン「みたことないこと」。超・ポップなメロディと、卒倒しそうな絶品アレンジに彩られたバックトラックに乗っかる志帆ちゃんの瑞々しい歌声が最高です。
『15才にしか歌えない歌がある』というキャッチが、これほどピッタリな作品は無いと思います。コレは、今の彼女でしか歌えない瞬間を、絶妙のタイミングで捉えた“刹那の魔法”なのです。