日本グルーヴチューン振興会

“本格派”の呪縛

Superflyの4枚目のアルバム『Force』を聴いています。

サードシングルの「愛をこめて花束を」以来、殆どの音源をウオッチしてきました。
ファーストアルバムもセカンドアルバムも絶賛しました。
これから先が楽しみだと何度も書きました。

 

しかし、サードアルバムはレヴューが書けなかった。
僅かに良曲はあったが、私にとっては何度も聴く作品では無かった。
何が原因だったのだろう・・・・・・・・
そして、今回の4枚目のアルバム。
“最強ロックアルバム”というキャプションのとおり、真っ直ぐで真摯にロックと向き合った作品になってると思います。
でも、個人的な好みからは少しずつ乖離してってる(苦笑)




勝手に思ってる事ですが、生真面目過ぎる気がするんです。
真剣に音楽に向き合うのは大切です・・・・・・・が、作品が真面目である必要は無いと思ってて(笑)
ジャズやクロスオーヴァーは、どれだけカッコよく作品を作っても「カッコ良すぎてヤダ」とは思われにくい音楽の様な気がするんです。逆に、ダサいコトが何のプラス要素にもならない。
でも、ロックやポップスは違う。“ダサかっこいい”が成立する。ふざけたり遊んだりしても、カッコいい音楽になる。裏を返せば、カッコ良すぎたり完璧過ぎたりすると面白みがスポイルされる。
そんな気がするんです。
素晴らしくクオリティが高く、真剣に丁寧に作ってるのは伝わる。なのに、こんな風に思われるのは心外でしょう。けど、私はワクワクしないんです・・・・・・



変な喩えですが、内径100ミリの鉄管に外径99.99ミリの鉄パイプを差し込んでる感じ。
ガチガチでちょっとでもズレたら抜き差しできなくなりそう(笑)
スキマが欲しいんです。
言い換えれば、余裕だったり遊びだったり。



スキルが高い人だし、ストイックな人だから、本格指向なのは十分理解してます。
でも、アメリカのフェスでジャニス・ジョプリンの曲を圧倒的なクオリティで披露する様な方向に行くのは、個人的に好きではないです。



一番の問題点は、蔦谷好位置がプロデュースしていてもグッとこないフックの弱さ。
メロディが真っ直ぐで引っ掛からない。
ロックアルバムという指向の結果、ギター2本のクインテット編成がメインで、ストリングスは1曲のみ。プラスに至ってはゼロ。

 

改めて思ったのは、私はロックらしいロックが好きではないのかも(苦笑)



このアルバム、初回盤には曲順どおりにライヴヴァージョンが収録されたCDが付いてるんですが、コレを聴いてみると彼女のスキルの高さが本当に良く解ります。
スタジオヴァージョンと何の遜色も無い唄に驚きます。
でもね・・・・・・ライヴの醍醐味が感じられない。
ライヴならではの音ってあるでしょ?
唄がヨレてたり、リズムが走ったり(笑)
でも、そんな一発勝負ならではのミスだったりが、スタジオ盤にはない独特のグルーヴだったり勢いだったり興奮だったりを形成するんだと思うんですよ。




私が、ももクロや嵐や女子流やトマパイやらといったアイドルポップに惹かれるのは、隙だらけで遊びがあるからなんだろうなと、改めて感じさせられました。
カッコいい楽曲でも、どこかにベタでダサい要素が少し忍ばせてあることが、ポップスの要諦なのだと思うのです。


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コメント一覧

デルフィス
*Jewels*さん、仰りたいコトは十二分に解ります(笑)
http://funky-katsu.blog.ocn.ne.jp/musicmania/
彼女は、もっと緩くて良いのだと思います。
もう少し力を抜いて、スキを見せてもカッコよさは保てると思ってます。
理想的には、クールかつポップでグルーヴィ(笑)
そんな越智志帆を見たいと願っています。
*Jewels*
なんというか・・むつかしいこと言えないんですが...
http://ameblo.jp/jewels-792/
superflyはほんとにスキがなさ過ぎて食傷なります(笑)
しほさん、もっと可愛くなれる気がします(笑)
あと、サビが暑過ぎて、とか・・笑
暑過ぎるものは苦手です(笑)
デルフィス
風花さま、コメントありがとうございますm(__)m
http://funky-katsu.blog.ocn.ne.jp/musicmania/
恐れ多いなどと仰らず、嵐以外の記事にもご意見頂ければ嬉しゅうございます(笑)
大衆音楽には、絵画や書など以上に遊び心が大事なんだと思うのです。
自分がやっている音楽が、ポピュラーミュージックなのだと自認してこそ、楽しめる作品が生まれるんだと思っています。
ストイックで生真面目な、本格派志向のミュージシャンはいつか囚われてしまう呪縛だと思いますが、ココを乗り越えていただきたい(苦笑)
ストイックで凝り性のアルチザンである、かの達郎御大だって作品には遊びや余裕を漂わせます。
音楽を聴いて、ワクワクして興奮して、そして自然に身体を揺らしてリズムを取ったりするのが、ポップスの楽しみだと思うのです。
風花
デルフィス様
こんにちは。嵐ネタ(笑)以外のコメントは、本当に恐れ多いことですが(汗)、グルーヴチューン振興会北海道支部として・・いや、前置きはこのくらいで・・今回は、いかにもドストライクなお話でした。
「愛をこめて・・」以来、こんな歌が歌いたいものだと憧れてきましたが、今回の新曲は、ちっとも面白みがなくて、聴き終えた後、軽い欲求不満に。夫も「地味だね」とひと言。
「生真面目」の言葉に、なるほどと頷きました。時々、絵画や書道に触れる中で、技術や表現にソツがないことは、プラスに働かない・・と思っていましたが、音楽も同じですね。
「勢い」「興奮」・・デルさまの言葉に海を越えて頷いています。
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