奥さんはイヤがるかと思いますが(苦笑)、久しぶりにガールズアイドルもののレヴューを書こうかなと。
ま、アイドルものは昔みたいにバンバン買ってる訳じゃないので、必然的にレヴューの比率は下がってくるのですが。
そんな中、リリースが楽しみでヒット率が高い彼女たちをピックアップ。
「Aviator/Boogie Aroma」
2015/7/22リリース
ビクターエンタテインメント
VICL-37006(Tierra盤)
VICL-37067(Mar盤)
大阪堀江発の80年代グルーヴ系アイドル、エスペシアのメジャー第一弾シングル。ダブルAサイドで、どちらも実に味わい深いグルーヴチューンに仕上がってます。
ちなみに私が買ったのは「アビエーター」のAlternate Versionが収録されたTierra盤と、「不機嫌ランデブー」のPollyColo Remixが収録されたMar盤。
しかし、アイドルのジャケには見えませんよね(笑)どちらも表裏だけじゃなくて、ブックレットの中にも彼女たちの写真が無いという潔さ。
「アビエーター」の方は、ずっと彼女たちの根幹たる音を支えるSchtein&Longerが作・編曲を手掛けていて、イントロのキラキラしたシンセやアーバンなサックスが懐かしさと新鮮さを綯い交ぜにするグルーヴィな作品。ギターカッティングやシンドラも実に効果的に曲を彩ってて、インスト聴いてるだけでも楽しい。
「ブギーアロマ」の作・編曲は、これまた彼女たちの曲には欠かせないPellyColo。イントロのサックスブロウからもう“らしい”音が炸裂。意外と重ためなベースラインや“いかにも”なシンセ使いの中に忍ばせたカラフルな音たちがキュートで彼女たちの魅力を引き立てる。
どちらの曲も、昨今のEDMや打ち込み系の様に音を詰め込んでないのが好印象。きちんと引き算して緩急をつけててグルーヴィな楽曲に仕上げているのは流石です。私の年齢には懐かしさを感じさせますが、同時に今の時代に合わせたブラッシュアップもしっかりされていて、フレッシュな感じも漂わせる。彼女たちの音を作るクリエイターチームの優秀さが良く解ります。
というか、インスト聴くのが楽しみで仕方ないアイドルチューンってのも貴重かなと思います。東京女子流やNegiccoとかもそうですが、楽曲をちゃんと音楽として扱ってくれてるのが伝わるのが好きです。
今回のシングルを聴いて一番思ったのは、彼女たちのスキルアップ感。絶妙のクセ声を持つ、脇田もなり嬢の印象的なヴォーカルの成長はもちろんのこと、リーダーの冨永悠香嬢の歌も太さが増した感じが頼もしいし、最年少の森絵莉加嬢も声の押し出しが強くなってる様に思います。“ちかぶー”こと三ノ宮ちか嬢の浮遊感漂う声やクール系の三瀬ちひろ嬢が醸し出す真摯で真っ直ぐな歌も好感が持てる。
このまま、カッコ良くてグルーヴィな楽曲を連発していって欲しい。それが、一般的な成功に繋がるかは解りません(苦笑)が、少なくともこういう音を欲する聴き手は存在しますし、この音楽のカッコ良さに気づいてないだけで潜在的に求めている人もいると信じてます。