現在の源流と思われるところはマンションが建ち、ほとんどその形跡も見られないが、そこを距離にして30m位下って住宅地の路地に入ると雰囲気が漂ってくる。元の川の跡(元川と略す)は、家と家の間に溝川として残り、それが暗渠化され路地として活用されているケースが多いのだ。単なる路地か、それとも溝の跡だったのかを推理するのも楽しみの一つである。ただ、住宅地の発達したようなところでは大きな元川は分かるが、このクラスだとほとんど消滅し、道路があれば別であるが一部しか残っていないケースがほとんどである。それが、さすがに馬込や上池台は、30年くらい前までは畑や田圃が残っていた土地であるため、この元川も生き残れたのだ。この辺では、幅50cmくらいである(写真1)。
追いかけていくと道を跨いで私有地に入り込み行方をくらます。しかし、探検隊の目からは逃れられない。なぜか、といえば水はほとんどの場合低きに流れるのであるから、低くなっているところ追いかければ、必ず見つかるのである。自慢できる話ではないねw。元川は左に蛇行して道を斜めにつっきって、家の下からまた現れることになる。ここでは自転車がすれ違える程度の幅となり、道を横切るごとに流れは急になるように路地はゆるやかな坂となる。(写真2)また、幅から行っても立派な小川であったことであろう。丁度この辺が学研の裏当たりになる。さらに、元川は下ると生活道路的な路地となる。家への出入り口がこの元川の暗渠道路となっているのだ。(写真3)
さて、川はこの辺でゆるやかになり、さらに幅を増して、公園を横切り3mほどの道路(写真4)となって、支流に流れ込んでいるはずなのだが、残念ながら確認はできなかった。たぶんこの辺だろうというのが写真5である。溝から路地、そして道路という成長の仕方が約1kmに凝縮されている好例ではないだろうか。たらたらと旗の台方面からこの元川沿いを歩き、呑川支流を洗足池まであがるという散歩はなかなか楽しいのである。洗足呑川支流は、大田区が暗渠化せず、自然に近くなるようにいろいろな試みをしている小川であり、鯉や夏にはアメンボウが泳ぐような綺麗な流れである。是非こちらも見ていただきたい。
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